7/7 『思いは必ず実現する』 京セラとJALを動かした「思いの力」
「思念は業を作る」と稲盛和夫は繰り返し書いている。
強く思い続けたことは、必ず現実になる。
逆に、ぼんやり思っていることは、ぼんやりした結果しか生まない。
これは精神論として言っているのではない。
半世紀にわたる経営実践のなかで、稲盛自身が何度も体験した実感なのだという。
京セラを創業した1959年、稲盛は28歳だった。
技術はあったが、資本も人脈も乏しい。
普通に考えれば、世界企業になる道筋など見えない。
だが稲盛は、この会社を「世界一にする」と本気で思い続けた。
寝ても覚めても、シャワーを浴びている時も、移動中も、頭のどこかで常にその目標が動いている状態を、彼は自分に課した。
すると、不思議なことが起き始める。
それまで見えていなかった解決策が、ある日突然見える。
無関係な本を読んでいて、自分の事業へのヒントが立ち上がってくる。
出会うはずのない人と、不思議な経路で出会う。
これを稲盛は「天が応えてくれる」と表現した。
だが、これは魔法ではない。
脳科学的に説明すれば、強く意識し続けることで、脳が関連情報を拾うフィルターを敏感にする現象だろう。
常に意識のレーダーが立っている状態を作るからこそ、関連する情報や機会が「見える」ようになる。
JALの再建も同じだった。
稲盛は78歳でJALの会長を引き受けた。
多くの専門家が「不可能」と言った再建を、彼は「絶対にやり遂げる」と強く思い続けた。
そしてわずか2年8ヶ月で、JALは過去最高益を出す会社に生まれ変わった。
両者に共通するのは、思いの強さの違いだ。
「できればいいな」「うまくいったら嬉しいな」というレベルの願望は、現実を動かさない。
だが「絶対にやる。やれない理由は探さない」というレベルの思いは、現実を動かす。
途中で何度も、弱気が顔を出す。
「やっぱりムリかもしれない」「現実は甘くない」。
そのたびに、思いは弱まる。
思いが弱まれば、結果も弱まる。
だから稲盛は、強く思い続けることを、自分に許された唯一の戦略だと考えていた節がある。
何かを成し遂げたいなら、その思いの強度を点検する必要がある。
あなたは今、自分の目標をどれくらい強く思っていますか。
「できればいいな」では、現実は動きません。
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