長編小説、宝石探し、15日目③
空き家の窓から化け物が飛んでいくのが見えた。少ししてから今度は空き家のドアから化け物退治の人が出てきた。
化け物も無傷、化け物退治の人も無傷だった。空き家の中で決闘が行われたらしいのだが決着はつかなかったようだ。それどころか戦った形跡すら無い。僕は本当に決闘は行われたのかを化け物退治の人に聞いてみた。化け物退治の人は精神的に疲れているようで少し休ませてほしいと言った。
どうやら僕や怪盗が想像するような決闘ではなかったようだ。では空き家では何が行われたのだろう。精神的に疲れる出来事があったのだろうか。怪盗は、とりあえず化け物も化け物退治の人も無事であることにホッとしていた。やはり内心は心配していたのだ。
化け物退治の人はホテルに戻っていった。詳しくは、あとで話すと言った。怪盗は化け物の様子を見に行くと言い化け物が、いつも隠れている地下に行ってしまった。1人になった僕もホテルに戻ることにした。
少し時間があったので途中、怪盗のアジトに行ってみた。怪盗は化け物のいる地下にいる頃なのでカギが閉まっているかと思ったがカギがかかっておらず出入りできた。中に執事かロボットがいるかと思い入ってみたが誰もいない。誰もいないならカギを閉めるべきである。あとで怪盗に注意しておこうと思った。
アジトは、やはり盗んだ宝物で散らかっていた。僕は時間もあったので片付けることにした。ツボは適当に並べて絵画は壁に飾って宝石は棚の上に置いておいた。片付けてる最中、写真を見つけた。写真には小さい頃の怪盗が写っていた。どことなく面影がある。他にも、おそらく家族であろう人たちが写っていた。そして化け物も一緒に写っていた。怪盗と化け物は小さい時から知った仲なのだろうか。化け物は今と姿は変わっていない。この写真に一緒に写っているということは家族のような存在なのかもしれない。怪盗が化け物を心配していた理由が分かったような気がした。
ドアが開きロボットが入ってきた。ロボットは買い物に行っていたようだ。カギを閉め忘れたのはロボットだった。僕はロボットに注意しておいた。ロボットは怪盗は一緒じゃないのか聞いてきた。僕は怪盗は化け物のところだよ、と答えた。
ロボットは明日は怪盗の誕生日と教えてくれた。そのための買い物だったらしい。何を買ったのか見てみると誕生日プレゼントを買っていた。カーネーションを買っていた。それは母の日に買う花である。あまり誕生日プレゼントには、ふさわしくない。僕は誕生日プレゼントを買い直すように勧めた。
明日の夕方に怪盗の誕生会があるらしい。言ってくれれば僕も参加してもいいのだが誘いづらいのか来なくてもいいのか何も言ってなかった。ロボットは僕に誕生会に参加するように言った。怪盗は喜ぶとも言った。僕は怪盗の誕生会にサプライズで参加してみることにした。宝石探しは、まだ中断しているので時間はある。
そのためには誕生日プレゼントを買わなければいけない。カーネーションを間違って買ってきたロボットと明日の午前中に一緒に誕生日プレゼントを買おうということになった。宝石探しは15日目が終わった。
続く
