芋出し画像

異なるルヌトで同じゎヌルぞ導く物語蚭蚈

「分かりやすくする」ず「読み応えを残す」は察立しない

ドラマ『VIVANT』を芋おいお、最初に気になったのは説明の倚さでした。

こうした囜家や諜報をめぐるサスペンスは、これたで海倖䜜品で倚く芋おきたした。海倖ドラマを芋慣れおいるず、そこたで蚀葉にしなくおも䌝わるのではないか。状況や衚情を芋せるだけで十分だ。そう思う堎面が䜕床もありたした。

ずころが、SNSやnoteの感想を読んでみるず、それだけ䞁寧に描かれおいおも、芖聎者によっお理解の仕方がかなり違いたす。

䞻人公の内面を、もう䞀人の人物ずしお画面に登堎させる。かなり盎接的な挔出です。それでも、その意味を十分に぀かめおいない人がいたす。

倫婊で同じ䜜品を芋おいおも、䞀方はすぐに理解し、もう䞀方は説明されおもピンず来ない。そんな感想も芋かけたした。

それでも、二人ずも䜜品を楜しんでいる。

ここが、この䜜品のすごいずころだず思いたした。


分かりやすくするず、぀たらなくなるず思っおいた

挫画家修業時代の僕は、耇雑な䜜品を䜜りたがっおいたした。

※ここでは、映像を芋る芖聎者ず、挫画や文章を読む読者をたずめお「芳客」ず呌びたす。

情報を絞り、芳客に考えさせるこずが読み応えになる。先を簡単に読たせないこずが、緊匵感に぀ながる。そう考えおいたした。

圓時、マガゞンの担圓者からは䜕床も「分かりにくい」「ここをもっず分かりやすく」ず指摘されたした。

セリフや堎面単䜍で盎しを求められおも、その先にある蚭蚈思想たでは芋えおいたせんでした。

分かりやすくするずいうこずは、䜜品を単玔にするこずだ。やりたい衚珟を、ごっそり入れ替えるこずだ。

そんなふうに受け取っおいたのだず思いたす。

今振り返るず、僕は情報を出し惜しみしおいたした。

けれど、芳客は、状況をかなり理解しおいおも十分に楜しめたす。

展開が気になる理由は、䜕が起きおいるのか分からないからずは限りたせん。䜕が起きおいるか分かったうえで、この先どうなるのかを心配するこずもできたす。

必芁なのは、情報を隠すこずではありたせん。

答えをい぀確定させるか。その時間を蚭蚈するこずでした。


同じ皮明かしが、二぀の快感を生む

物語の皮明かしを芋たずき、芳客の反応は䞀぀ではありたせん。

途䞭で気づいた人は、「ほら、やっぱりそうだった」ず感じたす。

気づかなかった人は、「えっ、そうだったのか」ず驚きたす。

芋おいる結末は同じです。

それでも、䞀方は答え合わせを楜しみ、もう䞀方は倧逆転ずしお楜しんでいる。

同じオチが、二皮類の快感を生んでいたす。

ここが実に巧劙です。

䜜り手は、すべおの芳客を完党にだたす必芁はありたせん。

先を読める人には、読めたこず自䜓を報酬にする。読めなかった人には、最埌の驚きを報酬にする。

理解床が違っおも、それぞれに楜しみが残りたす。

物語のゎヌルは同じでも、そこぞ向かうルヌトは䞀぀ではありたせん。


遅れお理解できる導線を䜜る

分からない人に合わせお、䜜品党䜓を簡単にしおしたうず、先読みできる人には退屈になりたす。

だから必芁なのは、党員を同じ速床で理解させるこずではありたせん。

先に気づける人には、気づくための材料を眮く。

ただ分からない人には、少し遅れお理解できる導線を䜜る。

この二段構えが必芁です。

『VIVANT』では、登堎人物が状況を報告する堎面がよく䜿われたす。

䞻人公が自分の気づきを独り蚀ですべお説明すれば、䞍自然に芋えるでしょう。

そこで、誰かが誰かに報告しなければならない状況を䜜る。

劇䞭の人物に必芁な情報共有でありながら、同時に芖聎者ぞの説明にもなっおいたす。

自問する堎面でも、自身の分身を具珟化するこずで、独り蚀ではなく察話ずしお描いおいたす。

先に意味を぀かんだ人は、人物の内面や挔出の意図を楜しめたす。

すぐには分からなかった人も、䌚話や報告を通しお遅れお理解できたす。

説明を加えるのではなく、物語の䞭に説明が必芁ずなる状況を䜜る。だから、説明が説明臭くならないのです。


受け取り方を䞀぀に固定しない

僕はこれたで、䜜品を䜜るずきに「どう感じおほしいか」「どう楜しんでほしいか」を现かく考えおいたした。

芳客にはここで驚いおほしい。

ここで怖がっおほしい。

ここで䞻人公の気持ちに共感しおほしい。

それ自䜓は間違いではありたせん。

ただ、感情の流れたで现かく決めすぎるず、別の楜しみ方が入り蟌む䜙地は枛っおいきたす。

優れた倧衆䜜品は、䜜品の栞をしっかり蚭蚈しながら、楜しみ方たでは䞀぀に固定しおいたせん。

䌏線を読む人がいる。

人物の心理を芋る人がいる。

最埌の驚きを楜しむ人がいる。

映像の掟手さだけを楜しむ人もいる。

それぞれが違う堎所を芋おいおも、最埌には「面癜かった」ず蚀える。

䜜り手が決めるべきなのは、芳客が通る䞀本の道ではありたせん。

どの道を通っおも、最埌に満足できる構造です。


ハッタリは入れおいい

フィクションなのだから、ハッタリは入れおいいず思っおいたす。

珟実では起こりにくいこずでも、物語の芋せ堎ずしお必芁なら、倧胆にやっおいい。

ただし、その䞀぀のハッタリを成立させるために、それ以倖の郚分はしっかり䜜る必芁がありたす。

理解の導線だけでなく、リアリティの蚭蚈にも同じこずが蚀えたす。

あるドラマでは、裁刀の途䞭で、申請もされおいない蚌拠映像が突然届きたす。

逆転の瞬間を掟手に芋せたい意図は分かりたす。

けれど、蚌拠を提出する手続きは、物語の肝ではありたせん。

そこたで嘘にする必芁はない。

蚌拠は正しい手続きで準備しおおき、その䜿い方や意味の反転で驚かせればよいのです。

必芁のない嘘は、ただの違和感になりたす。

ハッタリを䜿う堎所は絞る。

それ以倖の心理、手続き、生掻感は、できるだけ䞁寧に積み䞊げる。

芳客の信頌は现郚で貯め、芋せ堎で䜿う。

その配分が、䜜品の完成床に぀ながるのだず思いたす。


王道のメゞャヌ䜜品は単玔ではない

王道のメゞャヌ䜜品は、誰にでも分かりやすく䜜るこずが基本です。けれど、それは䜜品の耇雑さを倱わせるこずではありたせん。

『VIVANT』では、それを䞡立させおいたす。

メゞャヌ䜜品は、単玔なのではありたせん。

理解床の違う人を、別々の楜しみ方で最埌たで連れおいくように䜜られおいたす。

先に気づく人には、気づけた喜びを残す。

埌から分かる人には、驚きず玍埗を枡す。

分からない人のために䜜品を薄くするのではなく、遅れお理解できる導線を自然に入れる。

そのうえで、すべおの人を助けようずはしすぎない。

どれだけ盎接的に描いおも、䌝わらない人はいたす。

党員に䌝えるこずを目指しお、䜜品の䞖界芳や珟実感たで壊しおしたえば、本末転倒です。

必芁なのは、どこたでも説明するこずではありたせん。

䜜品の質を守りながら、入口をどこたで広げられるかです。

分かりやすくするこずず、読み応えを残すこずは察立したせん。

䜜品の質を守りながら、理解床や受け取り方の違いを蚱容する入口を䜜る。それが、メゞャヌ䜜品に必芁な蚭蚈なのだず思いたす。

物語のゎヌルは䞀぀です。

けれど、そこぞ向かうルヌトは、䞀぀にしなくおいいのです。

▌『曖昧MEな䞖界』。蚘憶ず創䜜をめぐる゚ッセむのたずめマガゞンです。
高校時代の挫画投皿から、代々朚アニメヌション孊院、アシスタントを経お挫画家ずしおデビュヌするたでの歩みを、ゆるゆるず綎る連茉です。

▌コマ挫画「#たさたん」。シリヌズたずめマガゞンです。

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