見出し画像

介護士は最後の他人 番外編 『介護士は無能』

介護士は無能。

「介護士って、無能ですよね。」

SNSでそんな言葉を目にしたことがあります。

最初は腹が立ちました。

でも、少し考えてみると、その人の言葉は半分正しいのかもしれません。

介護士には、できないことがたくさんあります。

点滴はできません。

薬を処方することもできません。

手術もできません。

病気を治すことも、命を救うこともできません。

そう考えれば、「何もできない仕事」と見えるのも無理はありません。

でも、本当にそうでしょうか。



私たちが毎日していること

介護の仕事は、食事介助や排泄介助だけではありません。

利用者さんが食べなくなったとき、

「食べない人」

で終わらせるのではなく、

なぜ食べなくなったのか。

そこから考えます。

口が痛いのか。

飲み込みづらいのか。

体調が悪いのか。

それとも、人生の最終段階に入ったのか。

その一つひとつを観察し、多職種へつなげることも介護士の役割です。



「帰りたい」の本当の意味

認知症の利用者さんが、

「家に帰りたい。」

と言うことがあります。

でも、それは本当に家へ帰りたいのでしょうか。

不安なのかもしれない。

寂しいのかもしれない。

安心したいだけなのかもしれない。

言葉の奥にある気持ちを考える。

それも介護士の仕事です。



看取りで学んだこと

私は看取り介護にも携わってきました。

亡くなる方の命を救うことはできません。

でも、その人らしい最期を支えることはできます。

好きだった音楽を流す。

家族の声を録音して流す。

天気が良ければ散歩へ行く。

体調が良ければお風呂に入る。

喉が渇けば口を湿らせる。

何度も部屋を訪れ、

「おはようございます。」

「また明日来ますね。」

そう声をかけ続ける。

命は救えない。

それでも、その人が最期まで「その人らしく」生きられる時間を支えることはできます。



無能なのかもしれない

もし、

「命を救える人だけが有能」

という基準なら、

介護士は無能なのかもしれません。

でも、

人生には「救う」だけではなく、

「支える」という役割があります。

人生の最後に寄り添う人。

不安を和らげる人。

家族の後悔を少しでも減らす人。

その役割まで否定してしまうなら、

私たちは、人の人生で本当に大切なものを見落としてしまう気がします。



最後に

介護士は、できないことがたくさんあります。

だからこそ、できることを磨き続けています。

私はこの仕事をしていて思います。

介護士は、命を救う仕事ではありません。

人生を支える仕事です。

あなたは、

介護士は無能だと思いますか?

いいなと思ったら応援しよう!