外来業務の教科書がなくて困ったことはありませんか?|自己紹介
はじめまして。
私のnoteへお越しいただき、ありがとうございます。
このnoteは、外来業務で役立つ基礎知識やテクニックをはじめ、〈やらされ感〉で動く現場と私自身のマインドを仕組みで変えてきた記録です。
数々の外来診療科の立ち上げや日々の現場で経験した〈これをやったらうまくいき、これをやったらしくじった〉の備忘録でもあります。
私が現場で得たことを言葉にしてここに置いておきますので、みなさんの現場で使えそうなところは、どうぞご自由に盗んでいってください。
いま、この記事を開いてくださったということは、これから外来デビューを控えている方、病院の外来やクリニックで日々の外来を支えているナースやメディカルスタッフの皆さまでしょうか?
毎日のお仕事、本当にお疲れ様です。
【1】このnoteで伝えていくこと
このnoteでお伝えしたいのは、外来の〈場の整え方〉です。
医療環境が激変する今、外来ナースの役割は経営層や医師からの〈指示待ち〉から〈現場を動かすパートナー〉へと変化しています。
医師が〈医師にしかできないこと〉に専念できるよう、私たちメディカルスタッフが診療を円滑に回す仕組みをつくることが不可欠になっています。
「まずはやってみよう!」と前向きに挑戦し、ナースの行動で現場の可能性を切り開いていく。
この主体性は、大病院だけでなく小規模の病院やクリニックにも求められています。
しかし、現実はどうでしょうか。
新しい一歩を踏み出すのが嫌になることも少なくありません。
医療現場には「〜しなきゃダメ」「できて当たり前」という、周囲からのプレッシャーや「こうあるべき」という無言の同調圧力が溢れているからです。
こうした外圧にさらされ続けると、それが当たり前になってしまい、努力家な人ほど「自分が犠牲になってでも頑張るしかない」「できないなんて言えない」と自分を追い詰めてしまいます。
さらに、人を動かすには外圧を使う方が手っ取り早いため、無意識に「こうあるべき!」という価値観を周囲に求めてしまいがちです。
しかし、それではやらされ感が募るばかり。自信や主体性が失われ、心身がすり減るだけでなく、人間関係や組織のパフォーマンスまで低下します。
何より、自分自身の本当にやりたいことが外圧に埋もれ、「やってみよう!」というエネルギーさえ奪われてしまいます。
必要なのは根性論ではありません。
「やってみたい」「やれる気しかしない」と捉えられるように場を整え、仕組みや仕掛けをつくること。
働く環境が変化していくことに怖さを感じている方も、一緒に働くメンバーが主体性のある行動を起こしてくれないことに不満を抱いているリーダーも、「〜しなければならない」「こうあるべき」という重い鎧を脱ぎ捨てて、「やってみようかな…」「やってみたい」「やれる気しかしない」という謎の自信に変えていく。
そのために私がやってみたことの数々を、ここに書き残していきます。
【2】自己紹介
私は、東京在住の看護師歴20年強のナースです。
病棟からスタートし、外来部門では一般外来の他、放射線科や内視鏡室などの検査部門、健診部門、外来化学療法室なども含めて横断的に経験しました。ちょっと特殊な診療科を経験する機会もあり、冒険するような歩みでした。
特に医師や上司から評価していただき、私自身も得意としてきたのが、専門性の高い外来や前例のない業務を新たに立ち上げたり、看護師が定着しないなどの課題を抱える外来を整えるミッションです。
もちろん、すべてが順風満帆だったわけではありません。変革に伴う現場の抵抗、スタッフの退職、一人で抱え込みすぎた失敗など、多くの試行錯誤としくじりを重ねてきました。
その経験を活かし、知人が働く病院やクリニックの助っ人として駆けつけたり、「知恵を貸して!」とSOSを受けてお困りごとのアドバイスに回ることも度々ありました。小さな改善から一大プロジェクトまで、現場のピンチをチャンスに変える役割をたくさん経験させていただきました。
これらを公式なお仕事ではなく、自分の好奇心のままにボランティアとしてやってきたため、周囲からは「いいように使われてるだけでは?」と言われたこともあります。でも私にとっては、組織の内側を覗けて毎回ワクワクが止まらない最高の経験でした。
【3】私がnoteを始めた2つのきっかけ
noteを始めた2つの大きなきっかけがあります。
■ ナースキャリアを見つめ直す大きな転機
あるとき、恵まれた職場環境で働いていながら、「自分が本当にしたいことは何だろう」とエネルギーが枯渇した時期がありました。
モヤモヤの中で自分と徹底的に対話して気づいたのは、have to(〜しなければならない)の鎧をまとい、want to(心の底からやりたいこと)を封じ込めていたことでした。
私のwant toの源泉は、幼少期に熱中した〈チラシの切り貼り遊び〉にあります。折り込みチラシに載っている家具や日用品をはさみで切り抜き、画用紙の上に貼って理想のインテリアや家を組み立てていく…。
そんな風に、バラバラの要素を集めて新しい空間を創造することが、昔からたまらなく好きだったのです。
これまでのキャリアを振り返ると、私のwant toと紐付く〈異なる診療科の知見を整理・再編成し、新設部署をつくっていくノウハウの掛け算とアレンジ〉に挑むとき、私は一番エネルギーが全開でした。
そして、仕組みをつくることによって現場のスタッフがラクに、楽しく、笑顔で働けるプロセスに伴走することこそが私の原動力です。
職場でエネルギーが枯渇していたのは、環境のせいではなく、このwant toを発揮する機会がなかったから。
働く場所に自分のwant toが見当たらないのなら、自分の手でその場所を作ればいい…。
私がこれまでの成功としくじりから培った外来の整え方や業務をラクに動かす仕組みをこのnoteに書き残し、分かち合いたいと思います。
■ 外来業務を網羅できる定番本がない
外来に異動や中途入職でやってきたナースさんから、決まって聞かれるある質問。
「事前に勉強できるおすすめの本はありますか?」
実はこの答えに私は毎回頭を悩ませていました。
病棟向けの本、疾患別の本、アセスメントの本はたくさんあります。外来管理者向けのものや、専門書もあります。
しかし〈一般的な外来業務の全体像とノウハウ〉を網羅した、外来プレイヤーナースさんや現場のリーダーさん向けの汎用的な現場本が見当たらないからです。
私自身、病棟から外来へ移った当初は深い挫折を味わいました。
業務をこなせていてもその根拠がわからなかったり、医師がなぜその指示を出すのか意図が掴めませんでした。当然、医師と息の合わない診療介助をしていました。
病棟の感覚で問診を行ったら、医師から「時間がかかりすぎだし情報収集のポイントがズレている。これだと患者さんの負担になるだけ。」と一喝されたこともありました。実際、受診者に負担をかけてしまったこともあります。
外来は瞬時の判断と幅広いスキルが求められる場ですが、その役割を体系的に学ぶ機会は決して多くありません。
ベテランナースの〈職人技〉は感覚的な部分も多く、言語化されにくいため〈技を盗んで覚える〉ことすら難しいのが現実です。
さらにクリニックなどでは、中途入職者同士の「前職ではこうだった」というやり方の違いによる衝突や、相談相手がいない孤立感に悩む声も多く耳にしてきました。
そんな中、私のもとにはいつしか「どうしたらいいんだろう…」「調べるにも情報がみつからない」という相談が次々と舞い込むようになりました。
そこでハッと気づいたのです。「みんな、それぞれの場所で、まったく同じ壁にぶつかっているんだ」と。
それなら、私が試行錯誤して見つけた解決策や、あの頃の自分が喉から手が出るほど欲しかった知恵をここに置いていこう。そうすれば、頑張る外来スタッフがもっとラクに楽しく働ける材料になるかもしれない。
そんな願いを込めて、このnoteをスタートしました。
「この知恵を本当に必要としている人にどう届ければ一番役立つだろう」と、数年もの間、考え続けていました。考えすぎて少し時間がかかってしまいましたが、「まずは、私の言葉で発信を始めよう」と一歩を踏み出し、ようやくこのnoteを開設することができました。
【4】こんな方に届きますように
■ このnoteが大切にしている3つの軸とお届けする内容
このnoteでは、日々の外来業務のノウハウに絡めながら、特に〈仕組み化・言語化・自分との対話〉の3つを大切にしています。
【仕組み化】
外来診療の現場で得た〈これをやればうまくいく〉〈これをやればうまくいかない〉の知見。
それらを誰でも再現できる仕組みに落とし込み、楽しく、ラクに、現場が回る方法をお伝えします。(探し物ゼロ・物品請求の手間を激減できる整理収納や管理方法のアイデアも)。
【言語化】
よくある現場のあるある悩みに対し、〈コツや感覚をつかめば何とかなる〉といった曖昧な表現ではなく、誰もが再現できる言葉に落とし込みます。
【自分との対話】
外来は、医師やメディカルスタッフなど多職種者が頻繁に交差する場所です。
患者さんの状況や診療全体を俯瞰する看護師と、自身の専門領域を深く見極める医師や他職種。それぞれの立場や守備範囲が異なるからこそ、見ている景色や優先順位にズレが生じるのはごく自然なことです。
時に意見が食い違い、気持ちがモヤモヤすることもあるかもしれません。しかし、そんな時こそ「相手にはこの景色がどう見えているだろう?」を考えながらも、自分の気持ちに向き合っていく姿勢について触れていきます。
さらに、私の一番のwant toでもある〈認知度が低く看護師から敬遠されがちな診療科〉の新規立ち上げのリアルなプロセスやリーダーとしての試行錯誤、診察介助の仕方なども楽しく解説していく予定です。
この診療科の魅力や看護の奥深さをより多くの方に知っていただき、現場で悩むナースの皆さんや患者さんへ還元していきたいと考えています。
■ このnoteをおすすめしたい方・しない方
誠に勝手ながら、このnoteにはおすすめしたい方と、そうではない方がいます。
このnoteは、自分自身や働く場所の現状を変えたいと願う方を全力で応援したいという想いで綴っています。
「今はまだ自信がなくて動けないけれど、いつかは変えたい」
そんな風に一歩を踏み出そうとしている方にも、寄り添える内容でありたいと考えています。
その上で、以下の3点についてあらかじめご了承いただけますと幸いです。
【対象とする分野について】
私の経験が、腹部とその関連領域(消化器科、呼吸器科、泌尿器科、血液内科など)に多いため、感覚器や運動器分野の外来スタッフの方には、少し応用が難しいかもしれません。
また、本連載は保険診療を行う〈一般外来での診療補助〉を前提に展開しますので、専門看護師・認定看護師・診療看護師が支援する看護外来や、自由診療中心の外来には当てはまりません。
外来の考え方やリーダーシップなど、共通して役立つ視点もお届けできればと思っています。
【お届けする内容について】
外来業務のノウハウを中心に発信します。疾患や治療、薬剤といった純粋な医学的知識そのものは専門書に委ね、私は診察介助の仕方、問診の手順、紹介状作成、受診者への対応などの日々の実践や、外来看護リーダーのアプローチの仕方、新たな外来診療科の立ち上げ方などのプロジェクトについて書いていきます。
【マインド(コーチング)の表現について】
本連載の中で《want to / have to》という言葉が出てきますが、私はコーチングのプロではなく、あくまで日々のマインド(心の持ち方)のお話として取り入れています。
本格的なコーチングスキルを求めている方には物足りなく感じる可能性があることを、あらかじめご了承ください。
【5】このnoteへの思い
外来デビューして経験がまだ浅かった頃や、ナースに避けられがちな部署での業務をしているとき、そして一癖ある医師たちとの関わりの中で、私は数え切れないほどの〈うまくいかない〉を経験しました。
このnoteは、私が現場で悪戦苦闘の末に知り得た〈これをやればうまくいく、これをやるとうまくいかない〉の備忘録です。
正解を押し付けるつもりはありません。
いま外来業務や組織づくりで奮闘している方が、少しでもラクに楽しく自走するために、使えそうなところだけ自由に盗んでいただければと思います。
まずは〈外来とはどんな場所か〉を私なりの言葉でお伝えしていきます。
そのうえで、具体的な業務の実践、リーダーシップ、診療科の立ち上げプロセスなどにも触れていく予定です。
少しでも共感していただけたら、ぜひスキやフォローで応援していただけると励みになります。
よろしくお願いします。
