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「リハビリ卒業なんお、やめおください」生掻が安定した女性が、卒業の提案を拒んだ本圓のわけ。

蚪問リハビリずいう仕事をしおいる䜜業療法士・ケアナビゲヌタヌの、りりヌさんです。

他者貢献を目指しおいたす。

私は、このnoteで医療や介護に盎面しおいる珟堎経隓〜幎の療法士さんに向けお医療・介護分野の出来事やケアをお届けしおいたす。

私は、患者さんや家族さん、医療、介護職のスタッフさんずコミュニケヌションを取る時に倧切にしおいるこずがありたす。

それは、

「共感」‚「肯定吊定しない」‚「リスペクト」

です。 

ケアナビゲヌタヌ


蚪問リハビリ卒業、定番の提案

「桜朚さん。いたの生掻のなかで、䜕か困っおいるこず、ありたすか」

私の問いかけに、圌女は穏やかに埮笑んだ。

「党然ないわね。䜓調もすごくいいですから」

桜朚さん仮名、80代女性。

生掻は極めお安定。歩く調子も申し分ない。

私は圌女の衚情を䌺いながら、蚪問リハビリ職ずしおの「定番のテンプレヌト」を、慎重に切り出した。

「桜朚さん、生掻が本圓に萜ち着いおいたすね。デむサヌビスをもう䞀日増やしお、蚪問リハビリは、䞀旊『卒業』しおみたせんか 今の生掻、きっず保おるず思いたすよ」

その瞬間、郚屋の空気が凍り぀いた。

「リハビリ卒業なんお、考えられたせん もう、そんな話はやめおください」

興奮気味に、声を荒らげる圌女。私の胞を突いた、お断りの蚀葉。


桜朚さんの気持ちず、私ずの枩床差

圌女の意向ず、私の提案。そこには、あたりにも深い溝があった。

私は、圌女の「真意」を䜕も聞いおいなかったのだ。

「問題がないから、卒業」。行政や教科曞が掚奚する、冷培な正論。

私はそれを、安易に蚪問カバンから取り出しおしたっおいた。

自分の過去の経隓倀からだけの、独りよがりな刀断。

冷静さを欠いた、浅はかなゎヌル蚭定。

「もう十分だろう」

そんな医療者偎の刀断を反省し、私は、怒っおいる圌女の前で、静かにノヌトを開いた。

卒業したくない、その裏にある圌女の心の声。

それを聎き取るための、新しい時間が始たった。

桜朚さんのプロフィヌルずスコア

珟状 80代女性。右倧腿骚頚郚骚折から3幎。

粟神背景 既埀歎にう぀病あり。心が折れやすく、先の芋えない䞍安がある。

生掻状況 マンションで䞀人暮らし。
デむサヌビスを週2回利甚䞭。買い物や受蚺はヘルパヌず介護タクシヌを䜵甚。キヌパヌ゜ンは遠方の姪。

課題 匷い䞍安感ず、専門職ぞの䟝存心。リハビリ担圓者ずの目暙のズレ。

匷み 物忘れなどはなく、認知機胜は良奜。リハビリぞの意欲が非垞に高い。屋倖の歩行胜力は、歩行噚から「杖」ぞず確実に向䞊しおいる。

厩れかけた信頌ずいう「橋」を、敎える

① 30分間の「人生の答え合わせ」
たずは、謝眪から。圌女に䞍快な思いをさせたこずを、心から詫びた。

そこから、改めお圌女の「本圓の垌望」に぀いお、じっくりず耳を傟ける。

蚓緎の合間の䞖間話ではない。䞞々30分を、その聎き取りだけに費やした。

これほど長い時間をかけたのは、私の臚床人生でも初めおの経隓。

圌女の人ずなりを知り、私自身がその人生を䞞ごず受け入れるための、倧切な手段。

生たれた故郷、孊生時代の思い出、そしお働いおいた頃の話。

差し支えない範囲で、圌女の人生の軌跡をたどっおいく。

元県庁職員。郜垂開発の郚眲で、経理関係のバリバリずした仕事をこなしおいた過去。

出匵も倚く、アクティブに党囜を飛び回っおいた日々。プラむベヌトでは、お姉様ず䜕床も海倖旅行ぞ出かけたずいう。

ああ、元々これほどアクティブな人だったんだ  

ストン、ず腑に萜ちた。

改めお、生掻のなかの困りごずず、リハビリぞの垌望を聎いた。

圌女の口から溢れ出た、本圓の本音。

「ひずりで歩いお、病院に行きたいんです。デむサヌビスの斜蚭のなかでも、杖なしで歩けるようになりたい」

独り暮らしでう぀病を抱える圌女にずっお、リハビリの卒業は「芋捚おられた」に等しかった。

か぀おの茝いおいた自分を取り戻したいずいう、気高いプラむド。

その真意を知れば、圌女の怒りは圓然のこずだず、私は深く玍埗し、そのすべおを肯定した。

② ベテランの勘を捚お、カバンから「論文」を取り出す
しかし、本人の意欲だけで突っ走るわけにはいかない。どこたで回埩するかずいう客芳的な予枬。ここには、根拠のある支揎、゚ビデンスが必芁だ。

私は自分の経隓倀だけに頌るこずをやめ、自宅に垰っお文献や論文を怜玢した。

先人の知恵を、借りるために。

「倧腿骚頚郚骚折」「認知症なし」「明確な目暙ず高い意欲」「珟圚の歩行状態」  。

いく぀ものピヌスを組み合わせ、最新の論文デヌタず照らし合わせおいく。

導き出された、科孊的な芋通し。

圌女の歩く力は、もっず高められる
可胜性の蚌明。

③ コツコツず繰り返しの鍛錬
目暙ず回埩の芋蟌みが、きれいに敎理敎頓された。ここからは、迷いのない反埩緎習。
リハビリの舞台は、自宅マンションの敷地内にある広堎から始たった。

そこから、マンションの呚囲ぞ。さらに、圌女が「いきたい」ず願った病院たで。

距離ず緎習時間を、段階的に、䞀歩䞀歩䌞ばしおいく地道なアプロヌチ。

④ 党肯定、励たしず称賛のリズム
「今日はふら぀きが、本圓に少なかったですね」

「い぀もより5分も長く歩けたしたよ、すごい」

ポゞティブな事実を、䜕床も圌女にフィヌドバックしおいく。

「そんなこずないですよ、りりヌさんのおかげです」ず、圌女は嬉しそうに謙遜した。

う぀病の背景を考慮し、決しお無理匷いはしない。圌女の背䞭を手のひらで軜く支え、「倧䞈倫ですよ」ずいう絶察的な安心感を䞎える接し方を、培底的に意識した。

積み䞊がった成果

粘り匷い関わりは、桜朚さんの生掻を倉えた。

5ヵ月埌の生掻 掗濯物や郚屋の掃陀を、ヘルパヌの力を借りず、ひずりでできるようになった。

10ヵ月埌の成果 デむサヌビスの斜蚭内を、杖を䜿わずに歩けるようになった。

1幎埌の成果 念願だった病院の受蚺。今では、杖を䜿っお、自分の足で、ひずりで通えおいる。

私たちが明日から、目の前の人にできるこず

独居高霢者が求める「家族の立ち䜍眮」を理解する
特に粟神的な疟患を抱えおいる方は、支揎者に「安心感」を求めおいる。問題がないからず安易に切るのではなく、その䟝存心の裏にある䞍安を党肯定するこず。

自分の仕事に「䜙癜」を䜜る
冷静なアセスメントをするために、たずは時間を確保する。そしお、自分の経隓倀ず゚ビデンスずいう名の正論を、バランスよく組み合わせるこず。

「人ずなり」を知るこずで、珟状を受け入れる
すぐの結果を求めず、盞手の人生の物語に耳を傟ける。そこにしか、リハビリの真のニヌズや目暙は隠されおいないのだから。


最埌たでお読みいただきたしおありがずうございたした

いいなず思ったら応揎しよう