レイルロオドの連載中編『からっぽのはこの物語 ~1~』 + レヱル・ロマネスク0旧版完成原稿&リブート版ネーム23話(全)
今日は普段と違い、「WEBTOON版レヱル・ロマネスク」の旧版原稿&切り直しネームの更新からはじめます。
前回更新の第22話
https://note.com/railroma/n/n4075b11beceb
に続いて、今回は切り直しネームの第23話分+旧版完成原稿の第0話分を公開いたします。

https://note.com/railroma/n/ndee917738d95
旧版の22話。
切り直し版の23話。
8620が試験運転を成功させるとこまでが、いわゆる第一期。シーズン1となります。
なんで1話ズレているのかというと、旧版には本編開始前のプレストーリーである、0話が存在しているからです。
ので、本来なら0話~22話を1話~23話とと番号ふりなおして掲載すれば一番スッキリしたかと思うのですが
うっかり旧版1話と切り直し版の1話とで掲載開始してしまったため、今回のような形となりました。
とはいえ。
シーズン1分の切り直しネームと旧版完成原稿との掲載を終えましたので、一区切り着いた、という形ともなるかと存じます。
一区切りのお祝いに、普段ならメンバーシップ特典記事となっております
「旧版完成原稿」を、0話については、最初のコマからラストのコマまでまるっと無償掲載いたしております。
もしよろしければそちらだけでも、ご笑覧いただけますと幸いです。
無償といえば、こちらは以前よりどなたにも無償でお楽しみいただける形で掲載しております
「3分で読めるレイルロオドの短いお話」で、新しいチャレンジをしてみたいと思います。
『短いお話*10話程度の連作として、中編をやってみる』
という試みです。
短いお話単体だと、どうしても「主役となるレイルロオドの1エピソードを描く」だけとなってしまうので、
アニメや本編でガッツリ描かれたことのあるレイルロオド以外の紹介が、不十分となってしまっていたよなぁ――
というのが、新しい試みを始める動機となります。
しっかりと書くことで皆様にぜひご紹介さしあげたいレイルロオド。
その第一弾が「はこ」となります。
中編としてのシリーズタイトルは
「からっぽのはこの物語」
――どうぞ、願わくばラストまで、お楽しみいただけますと幸いです。
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■ はこ ■

旧帝鉄C56 125専用レイルロオド。
現所属は呼海(こうみ)鉄道。
将来的には、レイルロオドとしてよりフォーク/ブルースシンガーとして有名になるのだが、現時点では歌にまったく興味がない。
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■レイルロオドの連載中編『からっぽのはこの物語』■
第一話 ひとりごと」
それは息だった。
それは呻きだった。
でれは歯ぎしりだった。
でなければ……
せいぜいそれは、独り言だった。
「――はこ、お前、歌上手いのな」
マスターが、そうつぶやくまでは。
「うた?」
わからなかった。本当に。
はこに、何を言われたのかが。
「歌だ、歌。運転中でも作業中でも、よく歌っているだろう」
「歌を、はこが?」
しつこく言われて、ようやっと、少しだけ意味がつながった。
「独り言……みたいな」
「ひとりごと?」
「はこは――歌なんて歌っていない。はこには、歌なんて歌えない。
そもそもからして、レイルロオドは歌わない」
「そりゃあそうだ、俺も歌うレイルロオドなんかTVでしかみたことがない。けど、はこ。お前さんは実際に――」
「だから、それは独り言」
納得、してもらえてないのはすぐに分かった。
マスターは、面白さ半分不可解さ半分……そんな顔でまじまじはこを見てきたから。
「多分、規則性……なんていったっけ――ああ、そう、リズム。
はこはリズムを、独り言でつないでるだけ」
運転中、列車が刻む、タタンタタン。レールの繋ぎ目を叩く音。
ドラフト・ブラストのシュッシュ・ボッボ。
保線に手伝いに駆り出されるときの、ガチン! ガチン!
「はこの仕事は全部、リズムがとても大事になってる。
そのリズムが狂わないように、狂ってもすぐに感じ取れるように――」
自分でも意識してなかった、口から勝手に零れてた……
はこの感覚的には、息だったり唸りだったり、歯ぎしりとかに近いソレ。
マスターが「歌」だと呼ぶそれを、できるだけ丁寧に解説してみる。
「――はこは、独り言で、リズムとリズムをつないでるだけ」
「なるほどなぁ」
今度の表情は、面白さ1/3、びっくりが1/3、それから納得が1/3。
三分の一だけでも、納得してもらえたんなら、それでいい。
「わかってくれたなら、この話はおしまい」
だって、なんだか恥ずかしいから。
作業中の独り言とか、とってもアマチュアっぽい気がするから。
はこは、レイルロオド。
鉄道の安全と定時制を守る、プロフェッショナルでスペシャリスト。
そのためだけに――作り出された、被造物。
「はこは、歌なんて歌わない」
「そうかそうか」
かさっと、手。
乾ききった、シワだらけの手。
なのにとってもあったかい手が、はこの頭――はこの頭に乗っている、集煙装置の上に置かれる。
「おかしなこと言っちまったな。だからなぁ、はこ」
真面目な顔。
なのに――何分の一かな、知らない表情が混じってる。
「俺の言ったことは忘れっちまってくれ。妙に意識されて、安定してる仕事のルーチンを壊されるのが怖い」
「……わかった、忘れる。直近の会話ログを、行動記録から削除する」
レイルロオドは歌わない。
レイルロオドは、ただ働く。
そうして、レイルロオドは忘れる。
記録を削除し、綺麗に忘れるのが得意。
なのに――
(どうして……なのかな)
綺麗に抹消した筈の「それ」がどこかに残ってる。
記録ではなく、記憶というもの。
データを消しても消しされない、受け取った言葉の……温度? 印象?
そこに含まれる、形のないなにかが。
「はこは――」
今日も、働く、作業する。
そこにいつでもまとわりつく、リズムを性格に捉えるために。
無意識に……半ば異常は無意識に、いつもの独り言を口にしながら。
(これが――歌、なの?)
;つづく
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いかがでしょうか!?
わたくし、短編よりも中編の方が、中編よりも長編の方が、書くの楽しくて好きみたいですね!
感情を……直接的にではなく、感情のまつわる些末な部分を通じて書けるのが、大変満足感ございます!
面白いとお感じくださった方も。
ピンと来ないなぁ、と今のとこお思いになられた方も。
――願わくば。
「からっぽのはこの物語」
続きにご期待、いただけますと嬉しいです!
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掲示板では「3分で読めるレイルロオドのお話」の主役レイルロオドのリクエストなども可能です。
また『レイルロオド・マニアックス』掲載時には、紹介されているレイルロオドの初期設定設定や三面図、イメージ図等の資料で存在するものを公開していきたく思っております。
どうぞご参加ご検討いただけますと幸いです。
【製品版 WEBTOON版『レヱル・ロマネスク』のご案内】
本noteでネーム連載をしております『レヱル・ロマネスク0』の完成品は、
WEBTOON版『レヱル・ロマネスク』(リブート)として、現在23話の第一部完結まで、旧版との差し替えでリリースされております。
https://www.comipo.app/product/BJ01247914
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