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城で死ねば英雄、逃げれば無胜――倧河「倩守ダむブ」炎䞊から、歊田勝頌の最期をひっくり返す 城も燃えたが、感想欄も燃えた


倧河ドラマで、柎田勝家ずお垂の方が北ノ庄城から炎の䞭ぞ飛び蟌んだ。

城が燃え、倫婊が燃え、SNSたで燃えた。

だが、あの最期が越前の山䞭を泥だらけで逃げ回り、十日埌に远い぀かれお蚎死するものだったら、柎田勝家は珟圚のような評䟡になっおいただろうか。

おそらく無理である。

「北ノ庄で腹を切らずに逃げた男」

「領民を眮き去りにしお山ぞ入った敗将」

そんな札を四癟幎間、額に貌られおいた。

人間は、䜕をしたかだけではなく、どこでどう死んだかで評䟡される。城ず䞀緒に燃えれば英雄になり、山䞭で捕たれば無様になる。戊囜歊将の評刀は、最終回の挔出にかなり巊右される。

そこで歊田勝頌である。

ここから先は私の虚構掚理だ。本気にするず孊校の先生に怒られ、歎史譊察に逮捕されるので気を぀けおほしい。


勝頌にも「北ノ庄城」があった


勝頌にも、矎しく死ねる最高の舞台があった。

新府城である。

甲府盆地の北西に築かれた巚倧な防波堀。織田軍が甲斐ぞ入っおくるなら、ここで受け止める。そのために人を集め、普請を急がせ、歊田の本拠たで移した。

ずころが織田軍が迫ったずき、新府城にはもう戊える兵がほずんどいなかった。

城はある。敵も来る。しかし守る人間がいない。

それでも勝頌には、最埌の仕事が残っおいた。

新府城に座り、織田軍を埅぀。そしお敵の目の前で十文字に腹を切り、城ず䞀緒に燃える。

これなら甲府の人々にも、埌䞖の歎史家にも顔が立぀。

「城は守れなかったが、最埌は立掟だった」

「歊田の圓䞻ずしお、新府で責任を取った」

柎田勝家コヌスである。

新府城は軍事斜蚭ずしお圹に立たなくおも、勝頌の名誉を守る巚倧な葬儀䌚堎にはなれた。

だが勝頌は、その最終回を蹎った。


俺が死んだら、残党狩りが始たる


勝頌は䞉月䞉日に新府城を焌いお脱出し、䞉月十䞀日に田野で死んだ。

たった八日である。

しかし、逃げる偎にずっお八日は倧きい。

効の束姫たちは、勝頌より先に倚摩方面ぞ向かっおいた。そこには勝頌の嚘・貞姫をはじめ、小山田や仁科に぀ながる少女たちもいた。

信豊は小諞方面ぞ向かい、匟はのちに䞊杉のもずぞ逃れる。北信濃や䞊州の山䞭にも、歊田に぀ながる人々が散っおいく。南牧には垂川䞀族や内藀䞀族の䌝承が残り、長野垂倧岡の山䞭には勝頌の祖母が逃れたずいう䌝承たで残る。

北ぞ、東ぞ、山ぞ、倚摩ぞ。

歊田䞀族は、袋を砎ったビヌ玉のように各地ぞ散っおいた。

ここで勝頌が新府城に残り、䞉月䞉日に芋事な最期を遂げたらどうなるか。

織田軍の最優先任務だった「勝頌を远え」が、その瞬間に終わる。次の仕事は「歊田の残党を探せ」である。

勝頌の死亡が、残党狩り開始ボタンになる。

新府で腹を切れば、勝頌の名誉は守れる。しかし逃げおいる䞀族の時間はなくなる。反察に勝頌が生きお動き続ければ、織田軍の目は甲斐に残る。

甲府の人々から芋れば、勝頌は自分たちを眮いお逃げた圓䞻である。しかも甲府を守るために造った新府城を、完成したばかりで自分から焌いた。

「それでは䜕のために新府を造ったんだ」

「あれだけ働かせおおいお、敵が来たら閉店か」

蚀われお圓然である。勝頌も分かっおいた。

だが、新府で栌奜よく死ねば、その翌日から身内が危ない。

名誉を取るか。䞀族が逃げる時間を取るか。それでも自分が生き残り、どこかの城でもう䞀床戊うか。

勝頌は党郚取ろうずした。

匷欲である。そしお、ただ負けを認めおいない。


「岩櫃ぞ来たせんか」――眠か


ここで真田昌幞が蚀う。

「岩櫃城ぞ来たせんか」

埌䞖の私たちは簡単に蚀える。

「行けばよかったじゃん」

しかも岩櫃は、真田家が勝手に所有しおいた城ではない。昌幞は歊田から任された城代であり、岩櫃䞀垯は歊田が敎備した巚倧な軍事拠点だった。城だけではなく城䞋たで造った、いわば歊田の岩櫃ニュヌタりンである。

勝頌自身も若い頃から吟劻ぞ䜕床も来おいる。知らない山奥ぞ突然逃げ蟌む話ではない。

それでも勝頌は行かなかった。

甲府の人々は、圓䞻が吟劻ぞ逃げるこずに反察しおいた。新府城は甲府を守るための城なのに、その圓䞻が北ぞ逃げたら、甲斐を捚おたず受け取られる。

それだけではない。勝頌が岩櫃ぞ行けば、織田軍も぀いおくる。

「埡屋圢様がお越しになりたす」

「おお、それはめでたい」

「なお、織田軍もセットです」

「先に蚀え」

吟劻の人々から芋れば、ずんでもない炎䞊案件である。自分たちの町で、歊田家最埌の決戊を開催される。しかも北ぞ逃げた䞀族や関係者たで、たずめお捜玢範囲に入る。

それでも昌幞は、勝頌を迎える埡殿たで甚意したずいう。

普通なら「オヌナヌが来たら䌚瀟ごず朰されたす」ず受け入れ拒吊の䌚議を開く堎面である。ずころが昌幞は新瀟屋を建おお埅っおいた。

昌幞、お前は䜕を考えおいるんだ。

この時期、昌幞が北条氏邊ず連絡を取っおいたこずから、すでに裏切っおいたずいう話も出おくる。しかし倩正壬午の乱で芋せる昌幞の動きを考えれば、この皋床は敵を䞀人でも枛らすための営業掻動である。

取匕先ぞ電話を入れながら、瀟長を迎える郚屋を造る。できるサラリヌマンは同時に䜕本も保険をかける。

だが勝頌は、昌幞の芚悟に乗らなかった。

「お前のずころを歊田家最終決戊䌚堎にはできない」

昌幞の忠矩を疑ったのではない。信甚したからこそ、その忠矩に甘えなかった。


小山田に拒吊暩を返しおから、岩殿ぞ行く


勝頌が遞んだのは東だった。

小山田信茂の岩殿城ぞ入り、そこで立お盎す。

新府で死ねば、確実に栌奜いい。しかし反撃はれロである。

岩殿たで行けば、生き残れる。兵を集め盎せる。織田軍にもう䞀床抵抗できる。たずえ助からなくおも、城に籠もっおひず暎れしおから死ねる。

岩殿なら、ただワンチャン栌奜いい最終回たで残っおいる。

勝頌は死に堎所を探したのではない。ただ続きがある堎所を探した。

ずころが、その道䞭で奇劙なこずをしおいる。

小山田の母芪たちを人質から解攟したのだ。

滅亡寞前の圓䞻が、最埌の生呜保険を自分で解玄した。

人質を握ったたたなら、小山田は勝頌を断りにくい。

「俺を岩殿ぞ入れろ。お前の母芪がどうなっおもいいのか」

この䞀蚀で、小山田を歊田家最埌の戊いぞ匷制参加させられる。

だが勝頌は、それをしなかった。

真田に察しお「お前の領地を戊堎にしたくない」ず考えた男なら、小山田に察しおも同じ芚悟を持っおいた。

「母芪は返す。だから俺を受け入れるか、お前が決めろ」

そしお小山田は、本圓に断った。

小山田にも郡内を守る事情がある。勝頌を受け入れれば、織田軍が郡内ぞ抌し寄せる。地元の人々からすれば、「うちの自治䜓で歊田家最埌の決戊を始めるな」である。

岩櫃の昌幞が異垞なのであっお、小山田の刀断は地元の責任者ずしお理解できる。

もちろん、勝頌の家臣たちは玍埗しない。

「埡屋圢様がここたで来たのに、門前払いだず」

「小山田、貎様」

最埌の避難所を奪われたのだから、恚んで圓然である。

しかし勝頌の胞䞭は違った。

「やれやれ、郡内にも行けなくなっちたったな」

驚いた。腹も立った。「本圓に断りやがった」ずも思った。

それでも、人質を解攟しお小山田に拒吊暩を返したのは勝頌自身である。

「これでよい。遞ばせたのは俺だ」

勝頌は小山田を蚱したのではない。自分で倖した安党装眮の結果を、自分で受け取った。

政治家ずしおは危機管理が甘すぎる。だが、人質で家臣を瞛っおたで自分ず䞀緒に滅びろずは蚀わなかった。

すべおが終わる瞬間になっお、盞手を自由にする。

勝頌、お前の優しさは出す時期がおかしい。


郡内も駄目か。では倩目山ぞ行く


岩殿ぞ入れなくなった。それでも勝頌は、すぐに死を遞ばない。

「郡内も駄目か。では倩目山ぞ行く」

倩目山方面ぞ進もうずする。しかし、そこぞ向かう道も塞がれる。

岩櫃ぞは行かない。岩殿には入れない。倩目山にもたどり着けない。戻る城もない。

ここでようやく、移動しお状況を倉える堎所がなくなった。

「倩目山も駄目か。では、ここで戊うか」

勝頌は最初から、田野で死ぬ぀もりだったのではない。

新府を出たずきは、岩殿で立お盎す぀もりだった。岩殿が駄目なら倩目山ぞ向かった。最埌たで城を求め、兵をたずめ、培底抗戊を続けようずしおいる。

死に堎所を探しおいたのではない。

行ける堎所がなくなるたで、生き残る道を探しおいた。そしお本圓に道がなくなったので、最埌の遞択肢ずしお戊闘を遞んだ。

この男、滅亡の盎前たで話を畳む気がない。


担保に入れた評刀だけ、四癟幎返っおこなかった


勝頌は、自分が死んだ埌に䜕を蚀われるか分かっおいた。

「新府城を造ったくせに逃げた」

「甲府を芋捚おた」

「家臣に裏切られ続けた」

「父・信玄には遠く及ばない」

銬鹿、ボケ、カス、無惚な敗将。ありずあらゆる蚀葉を投げられる。

だが勝頌は、新府城で評刀を守るより、八日間を遞んだ。

身内を逃がす時間を぀くり、自分も生き残り、岩殿で立お盎し、もう䞀床戊う。成功すれば、評刀などあずから党郚ひっくり返せる。

「今は奜きに蚀え。あずで勝っお黙らせる」

これが勝頌の蚈算だった。

自己犠牲の聖人ではない。自分が助かるこずも、勝ち盎すこずも、最埌たで諊めなかった欲匵りな男である。

勝頌は評刀を担保に入れ、生存時間ず反撃のワンチャンを借りた。

ずころが岩殿には入れず、反撃もできず、担保に入れた評刀だけが四癟幎以䞊返っおこなかった。

柎田勝家は北ノ庄城で、矎しい最終回を手に入れた。

歊田勝頌は新府城で最終回を撮れるのに、そこから逃げた。

逃げた先に次回があるず、本気で信じおいたからだ。

勝頌は矎しく死ねなかったのではない。

倧河ドラマなら最終回になる新府炎䞊を蹎飛ばし、本人だけがただ次回をやる気だった。

歊田勝頌、お前は新府城から逃げたんじゃない。

最終回から逃げやがったな。



原案・構成・最終線集舞野

制䜜補助ChatGPT

いいなず思ったら応揎しよう

舞野 サポヌトありがずうございたす。 いただいたご支揎は、次の珟地取材・資料代・道䞭のラヌメン代ずしお、倧切に䜿わせおいただきたす。 これは「次も芋おこい」ずいう軍配だず思っお、ありがたく受け取りたす。