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誰も止めなかったから、戦争は始まる ── 何故、人間は戦争をやめられないのか「シリーズ第2回」

"Si vis pacem, para bellum"
「汝、平和を望むなら、戦争に備えよ」


古代ローマの軍事著述家ウェゲティウス『軍事論(Epitoma Rei Militaris)』第3巻序文(4世紀)に由来する一句


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前回、止まらなかった戦争の話をしました。三日で崩れた合意。十三夜続いた爆撃。それを止めたのが人間の理性ではなく、迎撃弾の在庫だったかもしれないという話です。


止まらない理由を問うなら、その手前を見なければなりません。

そもそも、戦争はなぜ始まるのか。

この問いには、たいてい決まった形の答えが返ってきます。

誰かが野心を持ち、誰かが決断し、そして戦争が始まった、と。

侵略者を特定し、その意図を非難する。分かりやすい説明です。

しかし、実務の側から見ていると、この説明では足りないと感じることが多い。

本稿の主張は一つです。開戦は、決断ではなく過程です。誰かが「始める」と決めた瞬間があるのではなく、後戻りできない一連の動きが積み重なり、ある時点で引き返せなくなる。だから当事者にも、開戦の日付が分かりません。

そして過程であるがゆえに、誰も望んでいない戦争が、実際に起こります。

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1.  開戦の日付を探すと、見誤る


前回、2026年2月28日を「始まり」として書きました。米国とイスラエルによる大規模攻撃の日です。

しかし、この日付は正確ではありません。

その前に、核合意の停止がありました。制裁の再発動がありました。代理勢力による攻撃と報復の応酬が、何年も続いていました。海上での拿捕がありました。相互の情報活動があり、暗殺があり、施設への破壊工作がありました。

どこからが戦争でしょうか。

第一次世界大戦も同じです。サラエボの銃声が引き金だと教わります。しかし銃声の前に、二重の同盟網があり、動員計画があり、鉄道時刻表に縛られた作戦構想があり、二十年分の建艦競争がありました。銃声は、すでに張り詰めていた構造に、最後の一撃を加えただけです。

開戦の日付は、事後に歴史家が決めるものです。当事者は、自分がいつ線を越えたのかを知りません。

では、その過程には何があるのか。

私が現場と幕僚勤務で繰り返し見てきたものを、六つに整理します。どれも、悪意を必要としません。

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2.  防御が、脅威に見える


第一に、安全保障のジレンマと呼ばれる構造です。

A国が、自国の安全のために防空システムを増強したとします。純粋に守るためです。しかしB国から見れば、A国の防空能力の向上は、自国の反撃能力の無効化を意味します。だからB国は、それを突破できる新型ミサイルを配備します。純粋に、抑止を回復するためです。

するとA国から見れば、B国が攻撃力を高めたことになります。だからA国は、さらに防空を強化します。

双方に侵略の意図がなくても、この循環は回ります。そして回るほど、双方の脅威認識は高まっていきます。

ここに、やっかいな非対称があります。自国の意図は、自分には分かります。相手の意図は、分かりません。ですから安全側に立って、最悪を想定して計画を立てる。これは軍事組織として正しい態度です。

しかし、双方が同じ正しさを実践するとどうなるか。互いに相手を、実際よりも危険な存在として見積もることになります。しかも、その見積もりに合わせて相手が備えるので、見積もりのほうが後から正しくなっていきます。

第3回で扱う「恐怖」は、ここで発生します。恐怖は、敵意の産物ではありません。構造の産物です。

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3.  誤認と偶発


第二に、現場です。ここは私の仕事の話になります。

2025年度、航空自衛隊の緊急発進は595回でした。対象は中国機が約61パーセント、ロシア機が約36パーセント。うち南西航空方面隊だけで348回、全体の約六割を占めます。単純に日数で割れば、一日に一回半。日本のどこかで、ほぼ毎日、戦闘機が上がっている計算になります。

この595回のうち、実際に領空を侵犯された事案は1回でした。2025年5月3日、尖閣諸島周辺の領海に侵入した中国海警船から、ヘリコプターが発艦して魚釣島の領空に入ったものです。

同じ年の12月には、中国海軍の空母が初めて沖縄本島の東方から奄美大島の東方にかけて活動し、その空母から発艦したJ-15戦闘機が、対領空侵犯措置にあたっていた空自のF-15に対し、断続的にレーダー照射を行う事案も起きています。

自衛隊法第84条に基づく対領空侵犯措置は、撃つための任務ではありません。確認し、警告し、退がってもらう。武器の使用は、法の要件と正当な命令が揃った、きわめて例外的な場合に限られます。

ここで、正確に申し上げておきます。

航空自衛隊が警告のために射撃を行ったのは、創設以来ただ一件です。

1987年12月9日、ソ連軍のTu-16が沖縄本島の上空を侵犯し、那覇基地の第302飛行隊から緊急発進したF-4EJが、信号弾による警告射撃を実施しました。同機はいったん領空を離れたものの、十数分後に徳之島と沖永良部島の間の領空へ再び侵入し、二度目の警告射撃が行われています。一件の事案で、射撃は二回。この日以外に例はありません。

政府見解では、信号弾は「武器」には当たらないとされています。ですから厳密には、これは「武器の使用」ではありません。それでも、射撃という手段がとられたのは、七十年余りの歴史でこの一件だけです。

そして、この事件には続きがあります。ソ連側は後に、悪天候と計器の故障による事故だったと説明し、搭乗員を処分したことを公表しました。

意図的な示威だったのか、本当に事故だったのか。当時、上空にいた操縦者には分かりません。分からないまま、数十秒で対処し、そしてTu-16には撃たずに済ませました。

私はこの任務に、若い頃から就いていました。F-4、そしてF-15。深夜にベルが鳴り、数分で滑走路を離れる。

そこで毎回突きつけられるのは、こういう問いです。

あの機は、何をしようとしているのか。

訓練かもしれない。示威かもしれない。こちらの反応時間を計測しているのかもしれない。装備の故障で、意図せず近づいてしまっただけかもしれない。相手にも同じ疑問があります。こちらの機動を、向こうは何と解釈しているか。

レーダー照射は、その典型です。攻撃の前段として行われる場合もあれば、警告として行われる場合もあり、操作の誤りである場合もあります。受けた側は、数十秒で解釈しなければなりません。

戦争の起点になりうる場所に、毎晩、二十代の操縦者が立っています。世界中で、同じことが起きています。黒海でも、南シナ海でも、バルト海でも。

歴史を見れば、この種の事案が実際に大きな事態へ発展した例はあります。1983年の大韓航空機撃墜事件は、民間機を偵察機と誤認したことから起きました。2001年には、海南島の沖合で中国軍戦闘機と米軍の電子偵察機が空中で接触し、米中関係が一気に緊張しました。

しかし、発展しなかった例のほうが圧倒的に多い。それは幸運だったからではありません。理由は最終回で書きます。

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4.  時間が、圧縮されている


第三に、これが現代に固有の問題です。

判断に使える時間が、短くなり続けています。

弾道ミサイルの飛翔時間は分単位です。極超音速兵器は、軌道が読みにくい。サイバー攻撃は、攻撃されたこと自体の確認に時間がかかり、しかも誰がやったかを特定できないことがあります。

時間が短いほど、人間が確かめる余裕はなくなります。そこで、判断はあらかじめ決めた手順に置き換えられていきます。センサーがこの条件を満たしたら、この対応をとる。事前に決めてあれば、速い。

ただし、事前に決めた条件は、想定した事象にしか合っていません。条件に合致した事象が、想定と違うものであっても、手順は発動します。

1983年、ソ連の早期警戒衛星が、米国からのミサイル発射を誤って探知した事案があります。伝えられるところでは、システムは「五発発射」と表示しました。当直将校は、本気の先制攻撃であれば五発で済むはずがないと考え、規定どおりの報告を上げず、誤警報として扱いました。実際、原因は雲に反射した太陽光でした。

センサーの示す情報より、人間の判断が正しかったわけです。

いま、その余白が削られつつあります。人工知能による意思決定支援が進めば、処理は速くなります。しかし、速くなるとは、疑うための時間がなくなるということでもあります。

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5.  約束が、局地を全体に変える


第四に、同盟です。

同盟は、抑止の中核です。一国では抑止できない相手に対して、複数国が結束することで、攻撃を割に合わなくする。日本の安全保障も、この上に成り立っています。

しかし同盟には、もう一つの機能があります。局地の一発を、大国間の戦争に変換する回路です。

第一次世界大戦がその教科書です。バルカン半島の一都市での事件が、一か月のうちにヨーロッパ全体の戦争になりました。各国が結んでいた相互援助の約束が、順に発動したからです。

現代でも構造は同じです。ある岩礁の周辺で起きた小規模な衝突が、条約上の義務を通じて、複数の大国を巻き込みうる。

ここに、抑止の逆説があります。約束が固いほど、抑止は効きます。しかし約束が固いほど、いざ発動したときの規模は大きくなります。抑止のために必要な硬さが、そのまま拡大のための回路になっている。この二面性は、設計で消せません。

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6.  一線を、越えずに前進する


第五に、意図的に用いられる手法です。

どの一歩も、開戦とは呼べない大きさにしておく。

漁船が現れる。海警船が随伴する。滞在時間が延びる。構造物ができる。飛行場ができる。それぞれの段階で、相手国は判断を迫られます。ここで強く出れば、こちらが緊張を高めた側になる。しかし出なければ、既成事実が残る。

どの一歩も、戦争を始めるほどの大きさではありません。しかし十年分を並べれば、地図が書き換わっています。

サラミを薄く切るように、という比喩で語られます。中国には、これと対になる「キャベツ戦術」という言い方もあります。争っている岩礁を、漁船、法執行機関の公船、海軍艦艇と、何層にも取り囲んでいく。キャベツの葉のように包み込み、補給を断って、駐留している側が自分から出ていくのを待つ。

どちらの手法も、要点は同じです。相手に「反撃するに値する一撃」を与えないこと。反撃の口実を与えなければ、反撃は起きにくい。

そして、この方法で失われたものを取り戻すには、失う過程よりはるかに大きな行動が必要になります。ここに、対応の遅れが構造的に組み込まれています。

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7.  そして、境目そのものを消す


第六に、近年加わった領域です。

そもそも、攻撃を受けていると認識させないこと。

中国人民解放軍は、2003年12月に改定した「政治工作条例」で、輿論戦・心理戦・法律戦——いわゆる「三戦」を軍の任務として明記しました。防衛白書はこれを、国内外の世論に働きかけ、相手の抵抗意志をくじき、自らの行動に法的な正当性を与える活動として整理しています。

思想宣伝の話ではありません。軍の教範に書かれた、作戦の話です。

近年、この領域は「認知戦」と呼ばれるところまで発展しました。目標は、レーダーでも滑走路でも港湾でもなく、相手国の社会が持つ判断能力そのものです。

やることは単純です。すでにその社会にある亀裂に、少し力を加える。世代、地域、職業、思想、都市と地方。どんな社会にも亀裂はあります。そこへ、対立を煽る情報を、匿名で、大量に、驚くほど安価に流し込む。

爆弾は一発も要りません。

分断された社会は、決断できません。決断できない国は、いざというときに動けない。そして動けないと相手に見透かされた瞬間に、抑止は消えます。

抑止とは、装備の性能の話ではないのです。「この国は、いざとなれば一つになる」と相手が見積もるかどうかの話です。その見積もりを崩すことが、認知戦の目的です。

ここまでの五つが「戦争の始まりを見えにくくする」ものだったとすれば、これは「始まりという概念そのものを溶かす」ものだと言えます。

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8.  結論 ── 始まりの分からない戦争


前回、私はこの言葉を使いました。ここで、定義を与えます。

始まりの分からない戦争とは、開戦の意思決定が存在しないまま進行する事態のことです。

ここまで見た六つは、どれも一人の決断を必要としません。

防御の循環は自動的に回ります。誤認は現場で起きます。時間の圧縮は技術がもたらします。同盟は約束が発動するだけです。前進は一歩ずつです。認知戦は、攻撃と認識されないことを目的にしています。

だから、こういうことになります。

戦争は、誰かが望んだから始まるとは限りません。誰も止めなかったから始まります。

そして、この診断からは一つの実務的な帰結が出てきます。

開戦を防ぐ努力を、意思決定の瞬間に集中させても、あまり意味がありません。決定的瞬間など存在しないからです。効くのは、過程のあらゆる段階に、確認と減速の仕組みを置いておくことです。

現に、それは可能です。七十年余りのあいだ、警告のための射撃が一件しか行われていないのは、自制心の産物ではありません。手順が全部決めてあったからです。どの距離まで近づくか、どう識別するか、どの周波数で呼びかけるか、挑発を受けたときに何をしてはいけないか。深夜の高高度で二十代の操縦者が数十秒で判断できるのは、判断の中身が事前に決めてあるからです。

何も起きなかったのは、偶然ではなく設計の結果です。

この点は、最終回でもう一度扱います。

ただし、ここで終わると、大事なものが抜け落ちます。

過程がある。回路もある。しかし、それだけでは戦争にはなりません。押し切る力が要ります。

どの段階でも、引き返すことは可能でした。安全保障のジレンマは、透明化で緩められます。誤認は、連絡手段で減らせます。同盟の発動には、政治判断が挟まります。

それでも、押し切られる。

何が押し切らせるのか。答えは、二千四百年前に書かれています。しかも、分析としてではなく、当事者自身の告白として。

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9.  次回予告


第3回 恐怖・名誉・利益 ── 私たちが「引けない」理由

紀元前432年、スパルタに居合わせたアテナイの使節が、自分たちが帝国を手放せない理由を三つ挙げました。

恐怖、名誉、そして利益です。

この三つは、いまも一つも変わっていません。ウクライナも中東も、台湾海峡も、この枠から出ていない。

厄介なのは、名誉です。恐怖には安心供与という技術があり、利益には分配の設計があります。しかし名誉には値段がつかない。分割もできない。「三分の一だけ譲る」ということが、できないのです。

そして、岩波文庫版『戦史』で久保正彰氏は、この語に「体面」という訳を当てています。体面とは、他者からどう見えるかのことです。

現代の安全保障には、それだけを扱う概念があります。信頼性です。

引けないものがあるから、抑止は効く。そして、引けないものがあるから、戦争は止まらない。

同じものが、平和を支え、戦争を続けさせている。二千四百年前の記録を、いまの戦場に重ねます。

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10.  シリーズ「なぜ、やめられないのか」


戦争を、情勢としてではなく、人間の問題として考える5回の連載です。

第1回 三日で壊れた署名 ── 人はなぜ、止められないのか
第2回 戦争は、決断から始まらない ── なぜ、誰も望まない戦争が始まるのか
第3回 恐怖・名誉・利益 ── 私たちが「引けない」理由
第4回 戦争を放棄した国は、戦争から自由になれたか
第5回 問いを裏返す ── なぜ、ときどき平和が成立するのか

分析でも、提言でもありません。40年近く制服を着てきた人間が、いま改めて「なぜ人間は戦争をやめられないのか」を考えます。

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11.  この記事で使った言葉について


安全保障のジレンマ
一方が自国の安全のために取った措置が、他方には脅威と映り、対抗措置を招く構造。双方に侵略の意図がなくても軍備競争と緊張の上昇が進む点に、この概念の本質があります。

対領空侵犯措置
領空を侵犯するおそれのある航空機に対し、戦闘機を緊急発進させて確認・警告を行う任務。自衛隊法第84条に基づきます。目的はあくまで確認と退去であり、武器の使用は法の要件を満たした例外的な場合に限られます。2025年度の緊急発進は595回でした。

信号射撃(警告射撃)
退去に応じない航空機に対し、進路の前方などへ信号弾を発射して警告を与える行為。政府見解では信号弾は「武器」に当たらないとされ、武器の使用とは区別されます。航空自衛隊が実施したのは1987年12月9日の一件(同日に二回)のみです。

交戦規定(ROE)
武器の使用が許される条件、手順、限度をあらかじめ定めた規則。現場の裁量を狭めることで、偶発的な衝突と過剰な行使の双方を防ぎます。抑制は、精神論ではなく事前の設計によって成り立ちます。

サラミ戦術
現状変更を、個々には反撃に値しない小さな段階に分割して積み重ねる手法。どの一歩も開戦の理由にならないため、対応が遅れ、既成事実だけが残ります。

キャベツ戦術
争っている島嶼や岩礁を、漁船・公船・軍艦で何層にも取り囲み、補給を断って実効支配を移す手法。2013年に中国の軍事評論家が用いた比喩とされます。武力攻撃の形をとらないまま現状を変えられる点で、サラミ戦術と同じ性質を持ちます。

グレーゾーン事態
平時とも有事とも言い切れない領域で生じる事態。武力攻撃には至らないが、放置すれば重大な事態に発展しうる状況を指します。第1回の「始まりの分からない戦争」と表裏の関係にあります。

三戦(さんせん)
輿論戦・心理戦・法律戦の総称。中国人民解放軍が2003年12月改定の「政治工作条例」で軍の任務として明記したもの。世論への働きかけ、相手の抵抗意志の切り崩し、自らの行動への法的正当性の付与を、平時から一体的に行います。

認知戦(Cognitive Warfare)
物理的な破壊を伴わず、相手国の社会の認識・判断・意思決定そのものを標的とする作戦領域。既存の社会的亀裂を増幅させることで、相手国の意思決定能力を低下させることを狙います。攻撃を受けている自覚を持ちにくいのが最大の特徴です。

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12.  本稿で参照した情報源


防衛省 統合幕僚監部「2025年度(令和7年度)緊急発進実施状況について」(2026年4月17日公表)
595回という回数と、その内訳。5月の中国海警船搭載ヘリによる領空侵犯、12月の中国空母艦載機J-15による空自F-15へのレーダー照射事案も記載されています。日本周辺の緊張は、この数字に最も率直に表れます。

https://www.mod.go.jp/js/pdf/2026/p20260417_03.pdf



(年度別の一覧)

https://www.mod.go.jp/js/activity/domestic/Scramble2025.html


自衛隊法第84条(領空侵犯に対する措置)
対領空侵犯措置の法的根拠。条文そのものは短く、一読をおすすめします。抑制が法と手順で成り立っていることが、条文の簡潔さから読み取れます。

対ソ連軍領空侵犯機警告射撃事件(1987年12月9日)
沖縄本島上空、および徳之島・沖永良部島間の領海上空を侵犯したソ連軍Tu-16に対し、F-4EJが信号弾による警告射撃を二度実施した事案。ソ連側は悪天候と計器故障による事故と説明し、搭乗員を処分したと公表しました。意図と事故の区別がいかに難しいかを示す、日本で最も具体的な記録です。

防衛省『防衛白書』(グレーゾーン事態、三戦に関する記述)
平時と有事の境目が引けない事態を、政府がどう定義しているか。定義の曖昧さそのものが、この問題の難しさを示しています。

https://www.mod.go.jp/j/publication/wp/


航空自衛隊幹部学校 航空研究センター『エア・パワー研究』「中国による三戦の定義等およびエア・パワーに関する三戦の事例」
政治工作条例の原文にあたりながら三戦の定義を整理した論考。空自の研究機関による分析です。

https://www.mod.go.jp/asdf/meguro/center/img/113memo1.pdf



笹川平和財団「台湾に対する中国の認知戦 ― TikTokを事例として」
2003年の政治工作条例への三戦導入から、現在のSNSを用いた認知戦までの流れを、台湾の事例で具体的に追っています。




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自分の国は自分で守る。
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月下美人

永岩飛雲画
(日本画)




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元空将  永岩俊道:   国家安全保障アナリスト、 Appreciate it❣️