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モンゴルの空は果てしなく広かった ③

2024/Jul./8 MON.


ガヤ・ゲストハウスの朝

寝た。よく寝た。旅行客用とはいえ初のゲルでの就寝だったので、ナーバスになり、寝れないかと不安視していたが全然寝れた。そして寒いんじゃないかとも思っていたが意外とこのベッドのお布団、薄そうに見えてあったかい。よく考えられている。まだ眠いが時計を見るともう7:22なので、そろそろ起きるとするか。

もちろん、もう天窓からは光が差し込んでおりゲルの中は明るい。ここには水回りがないので、着替えをしてから、トイレ・シャワー棟へ行く。今朝も気持ちのいい朝だ。
このゲストハウスには朝食が無料で付いているので、そのまま共用棟のダイニングに行く。昨晩聞いた所によると、朝食の時間は8:30〜9:30と言われたが、8:10でも他の人は食べているので、予定より少し早いが朝食をいただこう。ここはビュッフェ式ではなく、ワンプレート式(実際にはツープレート)でその量は少なめ。ただ、私は普段はあまり朝食を摂らないのでこれで十分な量。また、外国人のゲストがほとんどだからか、モンゴル的な要素はほぼなくトースト、目玉焼き、シリアル、ポテトサラダ、キュウリ、トマトといったメニュー。日本語の話せる韓国人と日本人と同席させてもらい彼らと会話しながら、ゆっくりとそれらをいただく。

食後、ゲルに戻って歯磨きを外で始めると、昨日のバスで隣席だったイスラエル人が去るところだし、これからバイクでツーリングに行く欧米人や、ドミに泊まっている日本人が次々に話し掛けてくるので、おちおち歯磨きも出来ない。

仏塔と外壁に囲まれたエルデニ・ゾー寺院

そして、ゲルの中に荷物を散らかしたまま、南京錠を掛けて9:20出発。薄曇りだが、もうこの時間だと暑いのでTシャツ姿だ。本日はこのハラホリンを本格的に観光する日。ここハラホリンはかつてカラコルムと呼ばれ13世紀モンゴル帝国の首都だった場所で、当時の遺物を収めた博物館や歴史ある遺跡がある。まずはその目玉である世界遺産にも登録されているエルデネ・ゾーという寺院へと向かう。昨日の夜通った荒れた草原を途中まで使って歩いて行くが、宿からエルデニ・ゾーまでは徒歩20分強と案外遠かった。
辿り着いたそこはさすがに一大観光地なので、その入口近くには土産物屋や食べ物を売る屋台などが並ぶ巨大なビレッジがあるが、私はそこに用はないのでスキップ。

エルデネ・ゾーは四方をまるで城のような城壁と102基の仏塔で囲まれており、東西南北の4箇所に門が設けられている。その内の1つ、かなり古いと思われる西門から入場する。内部も意外、場外と同じ様にダダっ広く、建物はそれほど多くはない。
ここはチベット仏教の寺院としてモンゴル最古の歴史があり、モンゴル国内にチベット仏教を布教する目的で1586年に、チベット仏教のダライ・ラマ3世と交流のあったと言うアブタイ・サイン・ハーンによって建設されたとの事。そして、つい100年くらい前まではこの境内に62基の堂宇があり、一大仏教都市だったらしいのだが、ソ連のスターリンの時代に、モンゴル国内の多くの寺院が破壊された中、ここも1939年に多くの建物が壊されてしまい、今は奇跡的にその被害を免れた建物が数基残っているだけなのだとか。
ただ、わずかに点存している建物はとても趣がある。その一つである、三つの寺の意味を持つゴルバン・ゾーと呼ばれる中国風の木造寺院から見学をしよう。エルデネ・ゾーの敷地内に入る際には入場料は不要であったが、ここは個別で10,000Tgの入場料を徴収しており、更に堂内で写真を撮るなら別途写真撮影チケットが必要で、なんとそのチケット料は20,000Tgと、こちらの方が高い。が、それだけの価値があるんだろうと、購入しておく。

この寺院は中央寺、西寺、東寺の3つの建物で構成されているが、中央寺がエルデネ・ゾーで最初に建設された寺院で最も古く、中央にはチベット仏教独特の仏像が安置されている他、貴重な仏教美術が残されている。西寺の内部には青年・壮年・老年の3体のブッダの座像が安置されており、同じく東寺も3体の仏像がある。いずれも極細色を施されておりチベット仏教らしく素晴らしかった。
寺の周囲にはチベット仏教独自のマニ車が設置されておりコルラできるようになっている。マニ車とは、円筒状の筒の中に御経が入った物で、これを1回回すと1回御経を全部唱えたことになるという便利なもので、得を積むためにマニ車見つける度に、ついつい子供みたいにグルグル回してしまう。

続いて訪れた白いソボルガン塔は1799年に建設されたチベット仏教のチョルテン(仏塔)で、釈迦の遺骨収納堂(仏舎利)が起源らしい。仏塔は高さ8mもあり立派だか、中に入れるわけでも、登れるわけでもなく、外から眺めるのみ。

更に東にあるラブラン・ゾーはまるでポタラ宮のミニ版と言うべきチベット式建築の寺院。ちょうどお祈りの時間なのか、見張り台みたいな所で僧侶が法螺貝の様な物を吹いた後、堂内で読経が始まった。その僧侶の中には少年僧もいる。なんでもここでは実際に僧侶達が生活し修行をしている場所なんだそうだ。ただ、私を含めた多くの観光客がその僧侶達を取り囲み写真、ビデオを撮りまくっている。彼らはどう思っているのだろうか?

亀石と遺跡そしてカラコルム博物館

じっくりと2時間程かけこのエルデネ・ゾーの見学をし終えたので、入ったのとは逆側の東門から出る。が、こちら側は何もない。見渡す限りの緑の草原が広がっているだけだ。ただ、ここから北東へ向かうと亀石と遺跡があるらしいのでそこに向かう。人がいる所に向けて歩くが、辺りには何もないため距離感がなく、何分くらいかかるのか想像出来ない。

で、ようやく辿り着いた亀石。昨日見たのと基本同じで柵に囲われている。また、すぐ横には最近出来たばかりと思われる遺跡の展示があり、その説明に寄ると、モンゴルとドイツの共同発掘調査がここで行われたらしい。The Great Hallという表記があるので宮殿か何かの建物跡のようで、建物の礎石が規則的に配置されている。ただ、これは建物の跡の1つであり、これを囲む大きく広がる草原全てがかつての帝都カラコルムの跡らしい。

一旦、北門からエルデネ・ゾーの中に入って西門に抜ける。そして、ゲストハウスの方に戻った場所にカラコルム博物館があるので、次はそこを見学しよう。まずはオーディトリアムで5分程度のビデオを見る。歩き疲れたので、ちょうどいい休憩だ。それから常設展示を見始める。最繁栄期のこの街を模したジオラマが見事だ。ここは2011年にオープンした博物館で、日本のODAで建設されたためか、館内の説明書きにはモンゴル語や英語に混じって日本語の説明もあるのがありがたい。展示もわかりやすく石器時代、青銅器時代、古代都市時代の展示もあるが、やはりハイライトは中世に繫栄を極めたモンゴル帝国の貴重な遺産の展示。特に土人形が見事。また、記念碑や君主が使用した印璽など重要な遺物も見学できる。ただ、規模的にはそれほど大きくなく、30分程で見学を終えた。

ハラホリンの街中でランチの後、近くのザハへ

ここからバスターミナル近くのダウンタウンまで歩いて行くと、もう13:30を過ぎているので、この辺りのお店でちょっと遅めのランチにしよう。

Titem boruというお店に入るが、ここもおしゃれな店内。まずはカウンターでメニューを確認してからクリスピーチキンとペプシを注文し、その場でクレジットカードで支払いをしてから席に着く。モンゴルではこの先払いスタイルが普通なのだろうか??外では牛、馬、羊、ヤギは見るが、チキンは見ないので、もしかしたら頼んだのはモンゴリアン・メニューではないのかもしれないが、出てきたそれは普通に美味しかった。

食後、この近くのバスターミナル向かいにザハがあるので覗く。ザハとは市場という意味で、こういった大きくない街にもあるのだが、ここは観光客向けではなく完全に地元に密着したマーケットで、雑然と広がる場所にバラックの粗雑な商店が所狭しと建ち並んでいる。ローカル向けの商品が色々並んでおり、地元の暮らしを肌で感じられて面白い。中にはゲルの材料やその中で使うストーブや家具なんて絶対モンゴル以外ではお目にかかれない様な物まで売られている。そして、民族衣装のデールを売っているエリアもあり、遊牧生活に必要な物は何でも揃う。こういった所は大好きなので興味津々で見学するが、思ったよりちっちゃくすぐ終わる。

モンゴル帝国記念碑とオルホン渓谷の絶景

続いては、街外れの丘の上にある、モンゴル帝国記念碑を目指す。歩くには少し距離があるし、一番暑い時間帯であり直射日光も厳しいため、汗が凄く、さっきコンビニで買っておいたミネラルウォーターがどんどん減る。
丘はなだらかに見えるが、上に行けば行くほど急になり非常に登りにくい。そして、なんとか頂上に到達。ここには立派なオボーがあり、それを取り囲む壁が設けてあって、モザイク画で現在のモンゴル国とかつてのモンゴル帝国の版図が描かれている。なるほどかつてのモンゴル帝国はこのユーラシア大陸の大半を有していた事がよく分かる。

ここはハラホリンの街を見下ろす事ができる最高のポイントだが、更にこのモニュメントの反対側の端まで来るとオルホン渓谷の絶景が見える。ここからは崖の上から見下ろす形になるのだが、ホント、人の手が加えられていない地形で、反対側の街とは対象的に建物が全くない大自然の世界だ。オルホン川の川辺には放牧されている羊や馬たちが点になって見える。このオルホン渓谷の景色を見ているだけでもモンゴルの雄大さを感じることができる。この景色、最高だ。ただ、西の空に雲が出て陰りはじめたので戻ることにした。そして、北の方の空ではゴロゴロ雷が鳴り始めている。今日は暑かったもん。

記念碑からは道も何もない草原の中を一直線に下る。丘の上なので、目指すゲストハウスの方向はわかる。そして、草原の中、ショートカットをずっと続けたが、それでも結構距離があり、結局、ガヤ・ゲストハウスに帰着したのは17:40。トイレ・シャワー棟で手と顔を洗ったら、ゲルの中で少し休憩することにし、帰り際、個人商店で買っておいたコーラで喉を潤す。こうして旅に出るとなんだかコーラばかり飲んでいるが、やはり美味い。生き返る。

昨夕と同じカフェで夕食

今日は歩き疲れたので、ゆっくり休んでいたら、もう夕食を考えなきゃいけない時間。このゲストハウスは意外とダウンタウンから離れているので、そこまで行くのはもう面倒くさい。ただ、徒歩圏のスーパーやガソリンスタンド併設のコンビニで済ませるのであれば、あえて昨夕と同じ店Tegsh Duurenに行こう。

歩いて10分程で着いたそこは、今日は先客がテラスでお茶している。では、まず私も洒落た気分でアイス・カフェラテをオーダー。丁寧に淹れてくれたそれはちゃんとコーヒー豆の味や香りがする物でこの半径300km以内で間違いなく一番美味いコーヒーだろう。で、フードはというと今日はホーショールを勧められたが、昨日と同じく"ライスが食べたい"と言うと、女性オーナーは笑って、"お肉とライスのセットならできる"と言うので、それをお願いする事にした。昨日もそうだったが、今日もサーブされるまでだいぶ待たされたが、まぁ時間はたっぷりあるので良い。出てきたそれはモンゴル料理らしく調味料は塩のみだが、少し味が濃い。だが、横に添えられた目玉焼きが嬉しい。そして、サラダも含めて完食。お会計はコーヒーを頼んだから、少しお高めの28,000Tgであった。

モンゴルの緯度が高いのでこの時期のハラホリンの日没時刻は21:00過ぎであり、外はまだ明るい。そんな中、ホコリっぽい道を辿って、ゲストハウスへと戻る。

一日の終わり

今日は歩き回って、大分、砂を被った。とっととシャワーを浴びよう。今日こそはトイレ・シャワー棟を使おう。こちらは入口からして完全、男女別になっており、こちらも清潔。しかも、シャワーブースは誰も使った形跡がない。このためか、お湯が出るまで少し時間がかかった。しかも、湯圧は弱め。ただ、持参のシャンプーで髪の毛を洗えばとても気持ちイイ。しかも、このブースは広いのも良い。(昨日使った共同棟のシャワーブースは狭くて、服を着る際に足が攣りそうになって大変だった。)
自分のゲルへの帰り道、上空を見上げるが、今日は完全に雲に覆われている。これだとすぐに諦めが付き、今晩は星空撮影を諦め、逆にゲルの中でゆっくりする。そして、ベッドの上でスマホを弄っているとアッと言う間に時間が経っていたので23:00に消灯。


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