サクッとはがれない壁紙。現場で遭遇した「EBクロス」
先日、20㎡ほどの部屋のクロス(壁紙)剥がしを手伝いに現場へ入りました。
広さから言っても、体力的にはそれほど負荷がかからない作業だと高を括っていたのですが、結果は見事に裏切られました。
通常、クロスはカッターでうすく切れ目を入れれば、裏紙を残してサクッと気持ちよく剥がれます。しかし、今回の現場は違いました。表面がしっかり張り付いたまま剥がれず、力を込めると細かくちぎれ、さらには大量の粉塵が空中に舞い上がります。
ゴーグルとマスクを装着して現場に入っていたため難は逃れましたが、作業が終わる頃には髪の毛が真っ白になるほど。施設内ということもあり大きな声は出せませんが、作業パートナーと顔を見合わせ、「これ、終わるのか…?」「この粉は一体何なんだ?」と心の中で冷や汗をかいていました。
後で調べて分かったのですが、原因は2011年〜2014年頃に製造された一部の「EBクロス(サンゲツ販売・大日本印刷製造)」の経年劣化による不具合でした。

日光や環境の影響で表面層がもろくなり、触るだけでボロボロと粉状に崩れ落ちてしまうという、建築業界では知られた問題です。かつてはメーカーによる無償張り替え対応が行われていましたそうです、それも2025年4月で対応期間・窓口が完全に終了しています。
つまり、現在残っている該当クロスで同様の不具合が発生した場合、すべて有償での張り替え工事(自己負担)が必要となります。しかし、お客様(オーナー様や住人の方)がその事実を知る由もありません。ただ「壁紙が傷んできたな」と思われているだけです。
もし知らずにDIYで剥がそうとしたり、知識のない業者が粗雑に扱えば、部屋中に粉塵が散乱し、想定外の清掃コストや施工時間の高騰を招きます。
現場に入り、自らの手を動かして初めて見えてくる「建材の裏側」があります。
単に新しい壁紙を綺麗に貼る(見た目を整える)ことだけが私たちの仕事ではありません。過去の施工履歴や建材の不具合リスクを見抜き、予期せぬトラブルからオーナー様の資産を守り、本来の快適な環境へ正しく復元すること。
目に見える表層の美しさだけでなく、保証期限や建材の特性まで見極めたうえで施工プロセスそのものを安全かつ健全にコントロールすることこそが、空間のQOL(暮らしと環境の質)を支える基礎体力なのだと、真っ白になった髪を洗い流しながら再確認した一日でした。
MIRAIYA Lab(ミライヤラボ)について
東京・千葉・埼玉にて、施設内装の原状回復を主軸にスタートした内装会社です。 一歩一歩、現場の数字と品質に誠実に向き合いながら、施設から個人宅まで「関わる人の暮らしの質(QOL)」をアップデートしていくプロセスを等身大に発信しています。 私たちの仕事への姿勢やストーリーをこれからもお届けしていきます。ぜひフォローで応援していただけると嬉しいです。
自社の取り組みについては、MIRAIYA Lab公式HPよりご覧ください。
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