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PPA進化論・番外編 「安い電気」より「読める電気」へ――企業の電力調達が変わり始めている

企業にとって電気料金は、いつから「経費」ではなく「経営課題」になったのでしょうか。

デジタルグリッド株式会社が、高圧・特別高圧電力を契約している企業の電力契約担当者約1,000人を対象に行った調査に、興味深い数字がありました。

約9割の企業が、直近1〜2年で電気料金が高くなったと回答しています。 さらに約9割が、電気料金を「重要な経営課題」と考えているそうです。

製造業、物流、ホテル、病院、商業施設など、電力使用量の多い企業にとって、電気料金の変動はもはや総務担当者だけの問題ではなくなってきているのですねえ。利益、製品価格、設備投資、そして将来の事業計画にまで影響が及んでいる、ということです。

「安ければいい」ではなくなってきた

今回の調査で、私が特に気になった数字があります。 新たな電力契約や電力会社を選ぶ際に重視するものとして、

料金の安定性 58.0% 大幅なコスト削減 45.5%

という結果でした。

私は、ここに企業の本音が表れているように思います。 もちろん、電気代は安いに越したことはありません。 しかしそれ以上に、「来年はいくらになるのか」「予算をどう組めばいいのか」という不安のほうが、経営者にとっては大きいのではないでしょうか。多少安くても毎年大きく変動する電気料金より、一定の範囲で予測できる電気料金のほうが、経営計画は立てやすいものです。

そこでPPAの意味が変わってくる

PPAはよく、「初期投資なしで太陽光発電を導入できる仕組み」として説明されます。もちろんそれも大事なメリットです。

ただ、これからはもう一つ、「電力価格変動リスクを抑える手段」という視点も重要になってくると思っています。

工場で使用する電力の一部を屋根上太陽光で自家消費すれば、その部分は市場価格や燃料価格の変動の影響を受けにくくなります。つまりPPAは、単なる太陽光設備の導入方法ではなく、企業の電力調達ポートフォリオを安定させる手段としても考えられるということです。

電力会社を変えるだけでは解決しない

今回の調査では、過去3年間に電力契約や電力会社を見直した企業が約8割にのぼります。一方で、見直しの障害として「比較や見積もりに手間がかかる」「判断基準が分からない」「検討する時間や人手がない」という声も多く見られました。

これは非常に現実的な悩みですねえ。請求書ひとつとっても、基本料金、従量料金、燃料費調整、市場価格調整、再エネ賦課金……と項目が多く、契約によって計算方法も違います。安いと思って契約したら、市場価格の上昇で予想以上に高くなった、という経験をした企業もあるでしょう。

電力を「組み合わせて調達する」時代へ

これから企業の電力調達は、

系統電力+自家消費太陽光+PPA+蓄電池

という組み合わせになっていく可能性があります。 昼間は太陽光、夕方は蓄電池、不足する分は系統電力。契約全体として価格変動を抑える。

「電力会社を選ぶ」という発想から、「自社に合った電力調達の組み合わせをつくる」という発想への変化です。

企業経営者が本当に知りたいのは、「この先、電気代はどうなるのか」ということ。未来の電力価格を正確に予測することはできませんが、だからこそ、予測することより、変動の影響を小さくする仕組みを持つ。そこにPPAや自家消費型太陽光、蓄電池の価値があると私は考えています。

これから企業にPPAを提案するとき、私はこんな問いから始めたいと思っています。

御社は、電気代を下げたいですか。 それとも、5年先まで、ある程度“読める電気代”にしたいですか。

「一番安い電気を探す時代」から、「電気料金が大きく振れない会社をつくる時代」へ。 PPAの役割も、そこに合わせて変わっていくのではないでしょうか。

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出典:デジタルグリッド株式会社「法人電力の見直し 半数以上が『料金の安定性』を重視と回答」(2026年8月12日、PR TIMES) https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000053.000045726.html

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