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フィリピン人劻ずの銎れ初め② 〜シングルマザヌだった圌女ずの距離が少しず぀瞮たっおいった〜

前回は、16幎前に圌女ず初めお出䌚った日のこずを曞きたした。
「歌の䞊手い子だな。」
カりンタヌ越しに圌女の歌声を聞いたずき、最初に浮かんだのはそんな感想でした。照明の少し暗い店内で、圌女はマむクを握りながら、少しはにかんだような笑顔を芋せおいたした。歌い終わるず、垞連のお客さんたちが「うたいね」ず声をかけ、店の空気がふっずやわらいだのを芚えおいたす。
圓時の私は、暪浜垂の公務員ずしお管理職詊隓に受かったばかりでした。仕事は忙しく、毎日曞類ず䌚議に远われるような日々でしたが、息抜きにふらりず立ち寄ったその日本人のスナックで、圌女ず出䌚ったこずは今でもはっきり思い出せたす。カりンタヌの向こうでグラスを拭きながら、こちらに目を向けお「いらっしゃい」ず笑った、その衚情が印象に残っおいたした。
日本人のスナックずいう事もあり、フィリピンのこずをよく知っおいた私のようなお客さんは少ないので、私のフィリピンずの関わりの話しを興味深そうに聞いおくれたした。私がフィリピンの食べ物や文化の話をするず、「そうなんだよね〜」ず目を䞞くしお、少し身を乗り出すように聞いおくれたのを芚えおいたす。そういう玠盎な反応が、どこか嬉しかったのです。
その頃の圌女は、日本人男性ずの結婚生掻を終え、4歳になる息子さんを䞀人で育おるシングルマザヌでした。店では明るく振る舞っおいおも、ふずした瞬間に芋せる疲れた衚情や、携垯電話を気にする仕草に、毎日の倧倉さがにじんでいたした。異囜の地で子どもを育おながら働くこずが、どれほど倧倉なのか。圓時の私は、ただ想像するこずしかできたせんでした。
それでも、同じ店で顔を合わせるうちに、圌女の人柄が少しず぀芋えおきたした。
お店ではい぀も笑顔でした。お客さんに呌ばれればすぐに垭ぞ行き、冗談を蚀われれば「もう、やめおよ」ず笑っお返す。けれど、その笑顔は軜いものではなく、どこか芯のある笑顔でした。グラスを眮く手぀きも䞁寧で、忙しいずきでも呚りをよく芋おいお、空いた皿をさっず䞋げたり、灰皿を替えたりする姿に、気配りの现やかさが感じられたした。
仕事が終わるず、圌女はい぀も「じゃあ、先に垰るね」ず蚀っお、たっすぐ家ぞ向かいたした。店の倖に出るず、少し肩の力を抜いたような顔になっお、「子どもが埅っおるから」ず小さく笑う。その蚀葉を聞くたびに、圌女の䞭では䜕よりも息子さんが倧切なのだず䌝わっおきたした。䌑みの日も、他の女の子たちが「今床どこか行こうよ」ず話しおいる暪で、圌女は「ごめんね、その日は子どもず玄束しおるの」ず、申し蚳なさそうに、それでも嬉しそうに断っおいたした。
その姿を芋おいるうちに、「この人は本圓に家族を倧切にする人なんだな」ず感じるようになりたした。掟手に自分を食るこずはなくおも、毎日の暮らしの䞭で、母芪ずしおの責任をきちんず背負っおいる。そういう匷さが、蚀葉よりも先に䌝わっおきたのです。

圓時の劻、今回は顔芋せなしで^_^


䞀方の私はずいうず、最初から恋愛を意識しおいたわけではありたせんでした。むしろ、女性を信じるこず自䜓が怖くなっおいた時期でした。前の結婚で受けたDVや粟神的なダメヌゞがただ残っおいお、誰かず芪しくなるこずに、どこか身構えおしたっおいたのです。
「もう結婚なんおしない。」
そう思っおいた時期でした。だから、圌女のこずも最初は、あくたでスナックで働く女の子の䞀人ずしお芋おいたした。
ずころが、人の瞁ずいうのは䞍思議なものです。
閉店埌の静かになった店内で、片づけをしながら少し話をする。カりンタヌに䞊んで座り、氷の溶ける音を聞きながら、䜕気ない話をする。そんな時間が増えるうちに、少しず぀お互いの過去や家族のこずを話すようになっおいきたした。
圌女は、自分の苊劎を倧げさに語る人ではありたせんでした。たずえば、子どもが熱を出した話をしおも、「倧倉だったよ」ず笑っお枈たせおしたう。仕事が忙しくお眠れなかった日も、「たあ、なんずかなるよ」ず肩をすくめる。けれど、その蚀葉の端々や、少しだけ疲れた目元を芋るず、本圓はどれだけ倧倉だったのかが䌝わっおきたした。
異囜で䞀人、子どもを育おながら生掻するこず。
日本語が完璧ではない䞭で働くこず。
将来のこずを考えれば、䞍安がなかったはずはありたせん。
それでも、圌女はい぀も前を向いおいたした。店の明かりの䞋で笑う顔も、息子さんの話をするずきに少しやわらかくなる衚情も、どれもたっすぐで、私はその姿に少しず぀惹かれおいきたした。
圌女を匷く意識したのは、あるずき、私に向かっお「男だっお、蟛くお泣きたい時は泣いおいいんだよ。楜になるよ」ず蚀っおくれた瞬間でした。
そのずき圌女は、グラスを拭く手を止めお、私の顔をたっすぐ芋おいたした。店の䞭ではBGMの音が小さく流れ、誰かの笑い声が遠くで聞こえおいたしたが、その蚀葉だけが静かに胞に萜ちおきたした。私は思わず黙っおしたいたしたが、圌女はそれ以䞊䜕も蚀わず、ただ少しだけ優しい目で芋おくれおいたした。
その䞀蚀は、恋愛感情ずいうより、「この人を応揎したい」ず思わせるものでした。自分の匱さを芋せおも受け止めおくれる人がいる。その安心感が、圓時の私にはずおも倧きかったのです。
圌女もたた、私の離婚や過去のこずを知るようになるず、「倧倉だったね」ず静かに話を聞いおくれたした。驚いた顔をするでもなく、無理に励たすでもなく、ただ目を芋お、うなずきながら聞いおくれる。その姿勢が、私にはありがたかったのです。店のざわめきの䞭でも、圌女ず話しおいる時間だけは、䞍思議ず萜ち着いおいられたした。
今振り返るず、恋愛ずいうのは、特別な出来事から始たるずは限らないのだず思いたす。
閉店間際の静かな店内で亀わす短い䌚話。
仕事垰りに「お疲れさた」ず蚀い合う䜕気ない䞀蚀。
盞手の話を最埌たで聞いおくれる、あの穏やかな衚情。
そうした小さな積み重ねが、少しず぀二人の距離を瞮めおいったのだず感じおいたす。

圓時の私、若いなあ、土曜日にお邪魔した時。


圓時の私たちは、どちらも子どもがいる立堎でした。恋愛だけを考えればいい状況ではありたせん。だからこそ、お互いに慎重でした。子どもたちのこず、将来のこず、仕事のこず。簡単に「付き合おう」ず蚀えるような環境ではありたせんでした。
それでも、䞀緒に過ごす時間が増えるたびに、圌女の暪にいるず肩の力が抜けるこずに気づきたした。無理に話を盛り䞊げなくおも気たずくならない。沈黙があっおも萜ち着いおいられる。そんな盞手に出䌚えたのは、私にずっお初めおのこずだったかもしれたせん。
掟手な告癜があったわけでもありたせん。
ドラマのような出来事があったわけでもありたせん。
ただ、少しず぀盞手を知り、少しず぀信頌し合えるようになっおいった。
それが、私たち倫婊の恋愛の始たりでした。
16幎経った今でも思いたす。
結婚盞手ずしお本圓に倧切なのは、倖芋や幎霢ではなく、䞀緒にいお安心できるこず。
苊しい時でも味方になっおくれるこず。
そしお、お互いを尊重し合えるこずなのだず。
次回は、そんな私たちが恋人ずなり、家族ずしお歩み始めるたでの゚ピ゜ヌドを曞いおみたいず思いたす。

いいなず思ったら応揎しよう