離さない手と手
8/31 月曜日
一緒に出掛ける予定だった姉から急性肝炎で急遽入院することになった、と連絡があり、驚愕した。そう言えばここの所ずっと頭が痛いとは言っていた。頭痛薬を勧めたら是が非でも服用しないという頑固な部分がある。そんな姉をも病院に向かわせるような違和感を体に感じたのだろう。とりあえずは安静にしてね。姉の毎日はいつ卒倒してもおかしくないような多忙な日々だった。これはもう強引に目には見えない力で「休め」と言われてるんだと思う。休もうね、姉。
9/1 火曜日
どんどん町が秋に染まっている。
もう長袖を着ないと肌寒い。この間エアコンの取付工事のため床に置いてあるダンボール(中身は本)を更にずらしたのだが更に部屋の真ん中辺りにずらしてストーブの前を空けた。夏用のタオルケットも洗濯した。今年の夏は昭和の暑さに戻ってくれ、と念じたが本当にその通りになったようだ。秋の訪れは少し長めになって欲しい。そしてもう雪虫のシャワーは浴びたくないぞ……。
9/2 水曜日
市役所から様々な手続きの封書が届き、マイナンバーカードの写しが必要になったため近所のスーパーへ。そこのカフェスペースを利用して、コピーした紙を折り封筒に入れて持参した糊で貼り付けた。
スーパーを出て歩いて1分もかからない場所にある郵便ポストの中にコトンと封筒を落とし、またスーパーに戻り、夕飯のおかずを物色。ビールに目が向いたがなんとなくやめた。飲む気分じゃなかった。
9/3 木曜日
姉の病状が思っていた以上に重かったので動揺した。ただ、入院しているので安堵もしている。何の処置もできない自宅にいたら不安過ぎる。旦那さんも病気がある上、家事全般は姉が担っている現実。旦那さんの1日の水分量や塩分量など決まっているため常に3食分の栄養を気にかけて作っていた。仕事に対しての不信感も少し口にしていた。絶対ムリしてたんだ。自分以上に他人の問題を背負い込んでしまっている……と、妹は見ている。そしてその妹=私すら姉に頼り切っていたのだ。反省。
9/4 金曜日
だめだ。姉のことが気になり過ぎて正気ではいられない。ビール購入。と言っても私自身も自分の健康を害してはいけないので飲み過ぎ注意。こうしてビールを飲んでゆったりできる現状のために姉がどれほど尽力してくれていることか。LINEでも「びっくりさせてごめんね」なんて謝る。謝らなくていい。せめて心配はさせて欲しい。何より今一番大変なのは姉なのだ。しっかりしろ、私。
9/5 土曜日
夕飯の買い物のためスーパーへ。行きは結構寒いなと思っていたのに帰りは荷物も相まって顔が汗だく。そんな時にお隣の方とばったり鉢合わせしてしまい、こんにちは、と挨拶。この日も力が出なかったのでローソンのお弁当に任せた。それと自分で作った味噌汁。美味しい。
9/6 日曜日
姉に正式な病名を訊くと、毎日少しずつ変化があるらしく今の段階で決まっている病名を教えてもらった。
がん種 成人T細胞性白血病 / リンパ腫(ATLL)
病名 治療抵抗性悪性リンパ腫(NHL HL)
「白血病なんだろね」と姉がぽつりと言う。
治療抵抗性なんて言葉、初めて知った。今は抗がん剤を点滴している状態だが「この先骨髄移植もあるかも知れない。痛い思いさせるかも」と言うので私は、オッケーオッケー! 合点だ! 覚悟してるよ! と胸を張ってみせた。鈍痛だろうが激痛だろうが医療措置ならいつかは終わる。比較はできないがこの間、腱鞘炎になって注射をしてもらい、きちんと治ったので医療を信頼している。そういう安心感があるから私は平気だし、心から大丈夫だから。だから姉もどうか治療が辛い物にならないように。そして完治するように。妹は毎日祈っているよ。
今週は姉の容態が気になり過ぎて、ほとんど姉の話題に終始しました。両親も祖父母もおらず、唯一の繋がりがあり、今もずっと仲良しなたったひとりの愛する姉です。今は病名に動揺しているけれど、きちんと情報を知って無駄に悲観しないようにします。
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※ トップ画像は『Pixabay』より
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