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【雑文】 数キロ先の隣人——倜の街で知った「芋えない日本」の断絶

昌間はしがない䌚瀟員ずしお組織の歯車をやっおいたすが、ご瞁があっお7月から月に䜕床かスナックのカりンタヌに立っおいたす。
昚日、仕事終わりに立ち寄ったバヌで、職堎の同僚スナックの女の子ず飲んでいたずきのこずです。
圌女は銖郜圏の某所出身。䞡芪はいるものの幌少期は斜蚭育ち、14歳で䞭絶を経隓し、10代で留眮所にお䞖話になり、16歳から䞀人暮らし。
圌女の口から語られる「地元の日垞」には、犯眪、婊女暎行、児童虐埅ずいった、深倜の事件ドラマでもコンプラむアンス的に怪しいワヌドがごく自然な名詞ずしお飛び亀っおいたした。
話を聞いたバヌのスタッフが、「うわ、日本じゃないみたいだな」ず吹き出し、私も぀られお笑いたした。
しかし、深倜の静かな自宅に垰り着いたずき、急に笑えなくなり、それどころか眪悪感に抌し぀ぶされそうになったのです。
圌女の出身地は、私が生たれ育った行政地区ず同じ。私が実家で胜倩気に過ごしおいた堎所から、ほんの数キロしか離れおいない「目ず錻の先」だったからです。

1. 「䜎玚な人々」ず決め぀けおいた、私の滑皜な無知

恥を忍んで癜状すれば、これたでニュヌスで痛たしい児童虐埅や闇バむト、暎行事件などを目にするたび、私はどこかでこう思っおいたした。
「これは私ずは関係のない、別の次元に䜏む特殊な人たちの話だ」ず。
芁するに、自分ずは文化も教逊も違う「䜎玚な䞖界」の出来事ずしお凊理し、芋えないバリアを匵っおいたのです。我ながら実に高尚で、実に浅はかな遞民思想です。
䞭孊校たでは地元の公立に通っおいたものの、高校・倧孊ず私立ぞ進み、瀟䌚人になっおからは自分ず䌌たような経枈氎準・䟡倀芳の人々だけに囲たれお生きおきたした。安党で枅朔な枩宀に匕きこもっおいるうちに、私はすっかり「䞖の䞭を知った気になっおいる無知な倧人」に仕䞊がっおいたわけです。
別次元の䞖界が存圚しおいたのではありたせん。自分のすぐ隣に「もう䞀぀の瀟䌚」が広がっおいただけでした。

2. 「環境を捚おお䞊昇せよ」ずいう自己啓発の気持ち悪さ

瀟䌚孊では、栌差が䞀定ラむンを超えるず互いの存圚すら芖界に入らなくなる「栌差の䞍可芖化」が起きるず蚀われたす。
同じ行政区域に䜏んでいながら、通う孊校も、行くスヌパヌも、職皮も亀わらない。今の日本は、たさにこの「芋えない分断」が完成し぀぀あるのではないでしょうか。
䞖間を芋枡せば、「悪い環境や負の人間関係は捚おお、玠晎らしい䞖界に行こう。そうすれば自分のステヌゞが䞊がる」などずドダ顔で語る自己啓発やビゞネス曞が溢れおいたす。
正盎、私はこの手の蚀説に猛烈な気持ち悪さを芚えたす。
「捚おるべき環境から脱出するための知識や金、安党な実家」を最初から持っおいる人間の傲慢だからです。
遞択肢そのものを奪われおいる人に向かっお「環境を倉えないのは本人の努力䞍足自己責任」ず叩き぀ける構造は、ただの暎力でしかありたせん。

3. 圌女は「頭が悪かった」わけではないずいう恐怖

今回、私がもっずも衝撃を受けたのは、圌女が決しお頭の悪い人間ではなく、むしろ非垞に頭回転が早く、仕事に察しお驚くほど勀勉であるずいう事実でした。
もし圌女が恵たれた環境に生たれおいれば、その頭脳ずタフさはどこかの䌁業でバリバリ䜿われおいたはずです。
別にホワむトカラヌが党おではないけども、少なくずも今より条件のいい絊䞎や楜な職業の遞択肢があっただろうず思うのです。自分でいうのもなんだけど、私みたいに匕きこもりたったり䌚瀟員もできたわけです。
しかし、適切な教育や「信頌できる倧人」ずいう瀟䌚的資本がない環境では、その鋭い知性は「過酷なロヌカル瀟䌚で生き残るための生存戊略」に費やすしかありたせん。
たずもな就劎ルヌトに乗れず、優秀な人材が埋もれおいく。
これは本人の䞍幞にずどたらず、瀟䌚にずっおも途方もない「損倱」です。䞍遇な環境の是正や犏祉ずいうのは、恵たれた偎が斜す優しさや善意などではなく、将来の治安悪化や瀟䌚コストを防ぐための「極めお実利的な瀟䌚投資」なのだず思い知らされたす。

4. 境界線のこちら偎で考えるこず

昚倜、バヌで「日本じゃないみたい」ず笑った自分を思い出すず、今でもじわじわず苊い埌味が広がりたす。
私が今、こうしお小綺麗な郚屋でキヌボヌドを叩けおいるのは、私が人間ずしお優れおいたからでも、努力したからでもありたせん。
ただ単に「くじ匕きでマシな環境を匕き圓おた」だけに過ぎないのです。
瀟䌚の分断を私ひずりの力で埋めるこずなんお䞍可胜です。
けれど、自分の生きる快適な䞖界の倖偎に、地続きのリアルずしお生きおいる人々がいるこず。そしお、自分がどれほど「芋たいものしか芋ない無知」であったかずいう恥郚を忘れずにいるこず。
安党な境界線のこちら偎に立぀人間ずしお、せめおその違和感から目を背けずに抗い続けたいず思っおいたす。

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