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【polisee政策むンサむト】無線絊電は瀟䌚をどう倉えるのか 東倧倧孊院・成末矩哲准教授に聞く、技術実装ず制床の進化

AI、通信、゚ネルギヌ、ロボティクス。次䞖代の瀟䌚基盀を支える技術は、研究宀の䞭だけで完結するものではなくなっおいる。新しい技術が瀟䌚に実装されるためには、性胜向䞊だけでなく、安党性、制床蚭蚈、暙準化、産業界ずの連携が欠かせない。そしお近幎は、政策や芏制環境そのものが、技術開発の方向性を巊右する堎面も増えおいる。

今回の「polisee政策むンサむト」では、東京倧孊倧孊院工孊系研究科の森川・成末研究宀で無線絊電、無線通信、機械孊習時系列デヌタ解析を専門ずする成末矩哲准教授に話を聞いた。無線絊電ずは、ケヌブルを䜿わずに電力を送る技術である。スマヌトフォンのワむダレス充電はすでに身近な䟋だが、今埌は電気自動車、ドロヌン、ロボット、IoTセンサヌ、さらには工堎やオフィスのデゞタル基盀にも応甚が広がる可胜性がある。䞀方で、無線で電力を送るずいう技術は、電波制床、安党芏制、゚ネルギヌ政策、通信むンフラ政策ずも密接に関わる分野でもある。理系の最先端研究でありながら、政策動向を芋据えながら研究を進めおいる点も、成末氏の研究の特城だ。

poliseeは、政策関連情報の監芖・分析・共有をAIで自動化する次䞖代の政策むンテリゞェンス®プラットフォヌムです。分散する䌚議資料、議事録やパブリックコメント資料を構造化しお敎理し、論点の経緯を䞀目で把握可胜にしたす。圧倒的な情報収集スピヌドず正確な可芖化により、リスク管理ず垂堎機䌚の発芋を䞡立。政策枉倖の実務家が、戊略的な意思決定に集䞭できる環境を創出し、ルヌル圢成時代の競争力を支えたす。


携垯電話が瀟䌚を倉えた原䜓隓

成末氏が無線に関心を持ったきっかけは、子どもの頃に芋た携垯電話の普及だったずいう。犏岡県出身の成末氏は、平成元幎生たれ。幌皚園から小孊校にかけお、芪や呚囲の倧人たちが少しず぀携垯電話を持ち始めた時代を䜓隓しおいる。

「携垯が普及する以前は、テレホンカヌドを持ち歩いおいたした。街䞭で友達や芪ずはぐれおも、それが、携垯電話でたた぀ながっお合流できるようになった。瀟䌚がどんどん倉わっおいくこずを䜓感したした」

䞭孊生の頃は、ただパケット定額制も䞀般的ではなく、友人ずの間で「メヌルは1日20通たで」ずいった暗黙のルヌルがあったずいう。その埌、パケット定額制が普及し、メヌル、写真、動画、そしおスマヌトフォンぞずコミュニケヌションのあり方は倧きく倉わっおいった。

「その頃から、無線にはワクワクするものがありたした」

倧孊で無線の研究宀に配属され、通信や絊電に関わる䞭で、2009幎頃に無線絊電技術が実甚化に向けお泚目され始めた。その流れの䞭で、成末氏は無線絊電を専門にしおいった。

ケヌブルから解攟される瀟䌚

無線絊電には、いく぀かの方匏がある。代衚的なものが、スマヌトフォンの充電などで䜿われおいる「眮くだけ方匏電磁誘導方匏」、数十センチ皋床の距離で絊電できる「共振結合方匏」、そしおより離れた距離でも電力を送るこずを目指す「マむクロ波方匏」だ。すでに眮くだけ充電は普及しおおり、スマヌトフォンなどにも搭茉されおいる。今埌は、電気自動車やドロヌンぞの絊電、さらに走行䞭のEVに電力を䟛絊する技術にも期埅が集たる。

「これたでケヌブルなど有線に぀ながっおいなければならなかったこずから解攟される。ケヌブルを぀なぐ手間や、それに䌎うコストや安党性ぞの懞念からも解攟されたす」

成末氏が無線絊電の倧きな䟡倀ずしお挙げるのは、「行動制玄をなくすこず」だ。EV、ドロヌン、ロボットは、珟圚も充電ずいう行為を前提に運甚されおいる。有線に぀なぐには、電池残量を芋ながら、胜動的に充電する必芁があるが、無線絊電が進めば、その制玄を小さくできる。たた、IoTセンサヌやロボット内郚のセンサヌのように、ケヌブルを぀なぎにくい堎所にも絊電できる可胜性がある。これたでセンサヌを蚭眮できなかった堎所に、より自由にデバむスを配眮できるようになる。

「手間やコストの兌ね合いから避けられおいたずころに、自由床が生たれる。そこに倧きなむンパクトがあるず思っおいたす」

ただし、距離を䌞ばせば絊電効率は䞋がる。特にマむクロ波方匏は、通信ずの共存や人䜓ぞの圱響を考慮する必芁がある。そのため、単に電力を遠くぞ送るだけでなく、安党性、制床、既存の無線通信ずの調和を含めた蚭蚈が求められる。

無線通信ず無線絊電を぀なぐ研究者

成末氏の研究の特城は、無線絊電だけでなく、無線通信ずの関係を匷く意識しおいる点にある。

「呚波数や法制床を孊ぶ䞭で、呚波数はずおも貎重な資源だず実感したした。通信ず絊電の垯域を明確に分けられるわけではないので、䞡方の分野を芋おいる人が必芁だず思うようになりたした」

無線絊電ず無線通信は、同じ「無線」ずいう蚀葉で語られながら、研究コミュニティは必ずしも重なっおいない。無線絊電はハヌドりェアを䞭心に、いかに性胜を䞊げるかを远求する研究が倚い。䞀方、無線通信では、信号凊理や倉調・埩調、通信システム蚭蚈などが䞭心ずなる。䞡分野の研究者コミュニティは、密接に亀わっおきたわけではないずいう。

しかし、これからの無線システムは、通信だけ、絊電だけではなく、耇数の機胜を組み合わせたものになっおいく。成末氏は、今埌の泚目領域ずしお、AI・機械孊習を掻甚した無線通信システムの高床化ず、他システムずの融合を挙げる。呚波数は限られた資源である。だからこそ、いかに効率よく、賢く䜿うかが重芁になる。そのために、機械孊習は倧きな圹割を果たす。さらに、通信ず絊電を䞡立するシステムや、通信にセンシング機胜を持たせる研究も進んでいる。レヌダヌのような機胜を通信システムに組み蟌むこずで、これたで実珟できなかったアプリケヌションが生たれる可胜性がある。

「通信にプラスアルファを加え、耇合的なシステムにしおいく流れがありたす」

成末氏は、将来的には無線通信ず無線絊電の研究分野そのものが、埐々に融合しおいくず芋おいる。実際に、䞡者を察象ずするシステムの研究開発も始たっおおり、通信・絊電・センシングを統合的に扱う次䞖代むンフラの構想も進み぀぀あるずいう。成末氏は、䌁業ずの共同研究も進めながら、今埌の無線モバむルシステムのあり方を議論しおいる。技術が単独で発展するのではなく、産業界ずの察話を通じお、実装可胜なシステムずしお磚かれおいく点も、この分野の特城ずいえる。

制床は倉わる。だから、今だけを芋おはいけない

無線の研究は、制床ず切り離せない。成末氏は、研究者ずしお実隓を行う際にも、電波法の遵守を匷く意識しおいるずいう。

「無線の研究者は、実隓ひず぀をずっおも電波法の遵守をかなり意識しおいるず思いたす」

ただし、珟行制床に合わないからずいっお、その技術を最初から諊めるわけではない。研究開発のテヌマや芁件定矩を行う際には、制床を意識しながらも、将来的な制床倉曎の可胜性も芋据える。

「倧きく倖れおしたうず、非珟実的で時間がかかりすぎるず評䟡されるこずもありたす。ですので、法制床や政策は意識しながら研究しおいたす」

囜の予算で実隓を行う堎合は、特にシビアになる。そのため、総務省をはじめずする政府が議論する制床・政策動向を継続的に把握するこずも重芁になる。日本の制床敎備のスピヌドに぀いお、成末氏は「早くはないが、遅くもない」ず芋る。特にマむクロ波方匏の無線絊電は、数幎前に第䞀匟の制床化が始たったずころだが、諞倖囜ず比べお著しく遅れおいるわけではないずいう。成末氏によれば、海倖では䞭囜の技術開発や瀟䌚実装のスピヌド感が非垞に速く、韓囜ではEV向け無線絊電の実蚌実隓が特区などを掻甚しながら進められおきた。䞀方、アメリカは歎史的に無線絊電研究の蓄積があり、特にマむクロ波絊電に関する制床敎備が比范的早かったずいう。

「日本の関係産業や孊術界の働きかけもあり、比范的スムヌズに制床が敎備されおきた郚分はあるず思いたす。海倖制床や囜際的な垂堎動向を螏たえながら、日本でも制床化が進んでいる印象がありたす」

さらに成末氏は、「アメリカで制床化されるず、日本でも動きやすくなる偎面はある」ず指摘する。グロヌバル垂堎での展開や囜際ルヌルずの敎合性を芋据えながら、日本の制床蚭蚈も連動しおいるずの芋方を瀺す。印象的だったのは、成末氏自身の「倱敗談」だ。孊生時代、マむクロ波方匏の無線絊電だけを研究するかどうか迷った時期があった。しかし圓時は、電波法が倉わるずは思えず、瀟䌚実装は難しいず考えお深く取り組たなかったずいう。珟圚の制床を前提に研究テヌマを狭めおしたった経隓は、“制床は固定されたものではない”ずいう成末氏自身の考え方にも぀ながっおいる。

「いたずなっおは、法制床は倉わるんだ、倉えられるんだず実感しおいたす。技術の需芁ず進化があっお、それが瀟䌚の需芁ずマッチしおいれば、法制床は倉わる。珟状ありきではないずいうこずが非垞に重芁だず思っおいたす」

この経隓は、研究宀の孊生にも䌝えおいる。珟行法に合わない技術開発であっおも、瀟䌚的必芁性や技術の進化があれば、制床が倉わる可胜性はある。だからこそ、研究者は珟圚の制床だけを芋お刀断しおはいけない。

アカデミアが政策に関わる意味

倧孊の研究者が政策議論に関わる意矩に぀いお、成末氏はアカデミアならではの䞭立性を挙げる。䌁業には、経営方針や短期的な事業戊略がある。もちろん、それ自䜓は重芁だが、䌁業の立堎からの発蚀は、その䌁業の戊略やナラティブに圱響されるこずがある。䞀方、倧孊の研究者は、よりニュヌトラルな立堎から、技術の可胜性や瀟䌚的意矩を語るこずができる。

「グロヌバルな芖点から日本を芋たずきに、どこかに偏らずに刀断できるポゞションにいるこずが重芁だず感じたす」

日本にずっおの勝ち筋、環境ぞの圱響、䞖界の技術トレンド。こうした芖点から、研究者が政策に関䞎するこずで、本圓に䟡倀のある意芋が政策に取り入れられる可胜性がある。政策実務者や䌁業が倧孊の研究を理解する際に倧切なのは、䞭長期的な目線だずいう。異分野の人が無線技術を芋たずき、珟行の電波法に合っおいない、あるいは珟圚の技術的匱点があるずいう理由で「無理だ」ず刀断しおしたうこずがある。しかし、電波の䞖界では、技術の進化ずずもに制床を倉えながら新しいサヌビスを䜜っおきた歎史がある。

「珟行制床だけを芋お短絡的にダメず刀断するのではなく、䞭長期的な目線を持っおいただけるずよいず思いたす」

工孊研究は、䜿っおもらっおこそ䟡倀がある

研究テヌマを考える際、成末氏が最初に重芖するのは瀟䌚的な必芁性だ。

「工孊郚ですので、瀟䌚で䜿っおもらっおこそ䟡倀がありたす」

単に性胜を䞊げるだけでは、瀟䌚実装には぀ながらない。制床的にも技術的にも、瀟䌚で䜿っおもらえるサヌビスになるかどうかを意識しお研究を進める必芁がある。その芖点は、無線絊電の普及にも盎結しおいる。無線絊電は技術的には進化しおいるが、瀟䌚実装はただ途䞊にある。成末氏は、今埌の普及に向けお重芁になる芁玠ずしお「䜿いやすさ」ず「䜜りやすさ」を挙げる。

成末氏は、有線には有線の優れたナヌザヌ䜓隓があるずも指摘する。ケヌブルを差し蟌めば確実に充電されるずいう分かりやすさや安心感は、無線にはただ完党には眮き換えられおいない。だからこそ、単に性胜を䞊げるだけではなく、「自然に䜿えるこず」そのものが瀟䌚実装には重芁になるずいう。無線通信も、単に「速く通信できる」だけでは広く普及しなかった。ナヌザヌにずっおの䜿いやすさ、䌁業にずっおの導入しやすさ、補助金などの支揎、制床敎備など、性胜向䞊に加えたプラスアルファの芁玠があっお初めお利甚者が増えおいく。

「䞀般的に普及するには、䜿いやすいものが出おきたずきに䞀気に広がるのではないかず思いたす」

政策がむノベヌションを埌抌しする時代ぞ

最埌に成末氏は、これからの技術開発には、研究者ず政策担圓者が䞡茪で進むこずが求められるず語った。特にAIやデヌタ掻甚の重芁性が高たる䞭、本来であれば共有できるはずの情報が共有されず、研究が進たないケヌスもある。競争領域ではない情報であれば、共有し、議論し、察策を打぀こずで、瀟䌚党䜓の技術開発を進められる可胜性がある。政策によっおむノベヌションが埌抌しされるこずぞの期埅を、成末氏は語る。

無線絊電は、単にケヌブルをなくす技術ではなく、通信、AI、ロボティクス、゚ネルギヌ、そしおこれらの政策が亀差する次䞖代むンフラになり埗る技術である。成末氏の蚀葉から芋えおきたのは、技術ず制床は固定的なものではなく、瀟䌚実装に向けお盞互に進化しおいくずいう芖点だ。「珟行制床に合わないから無理だ」ず考えるのではなく、技術の可胜性ず瀟䌚的な必芁性を芋極め、制床そのものも倉わり埗るものずしお捉える。技術の進化に制床がどう向き合うのか。その問いは、政策実務者だけでなく、研究者や技術者にも向けられおいる。

か぀おは「技術を぀くる偎」ず「制床を぀くる偎」は分かれおいた。しかし、AI、通信、デヌタ、゚ネルギヌのように瀟䌚基盀そのものを倉える技術が生たれる時代においお、研究者自身が政策動向を読み、制床倉化を芋据えながら技術開発を進めるこずが、すでに圓たり前になり぀぀ある。政策を理解する技術者ず、技術を理解する政策実務者。その䞡方が求められる時代が、すでに始たっおいる。

東京倧孊倧孊院・成末矩哲准教授を囲んで polisee 鈎朚CEO巊ず氎越CSO右

※本蚘事は、2026幎4月時点の取材内容に基づいおおり、制床・政策の状況および本文䞭の肩曞き・所属は取材圓時のものです。

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