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#87 私がチェコを留学先に選んだ10個の理由

留学先としてチェコを選び、これからチェコで生きていく私

私は2026年にチェコへと渡航する。

「なんでチェコを選んだの?」とチェコ人からも日本人からもめちゃくちゃ聞かれた。

今回はこの記事でチェコを選んだ理由を10個紹介する。


理由1.やりたい学問(フス派神学)ができる唯一の場所だから

まず、私の留学はほかの国や地域では代替不可能である。

15世紀のチェコで、ラテン語ではなくチェコ語の説教をし、民衆の言葉に寄り添った神学者であるヤン・フスさんの流れを汲んだキリスト教の一派がフス派である。

20世紀にその流れはチェコスロバキア・フス派教会(CČSH) となった。

そこで神学をやり、神学者になるのが私の留学の目標なので、他の地域では代替できない。

CČSHはチェコとスロバキア以外に支部を持っていないためである。

そしてCČSHの聖職者になることを想定されている場所、つまりフス派神学部はカレル大学のHTF以外は存在しない。

つまり私のやりたいことはHTFでしか実現できない。

理由2.チェコ語(現地語)が生きているから

たとえばオランダでは、オランダ語で留学生活を行うためのハードルがなかなか高い。オランダ語が高等教育機関においてあまり使われていないからである。

でもチェコであれば、チェコ語で(まさにヤン・フスさんが目指していたように!)高等教育を受けることは十分可能である。

そして私は英語帝国主義が嫌いで、チェコに行くならチェコ語でやりたいと考えている。また、仮に私が英語でやりたいと思っていたとしても(そう思ったことは一度もないが)、HTFはチェコ語にしか対応していない。

そのため、神学をいったん横に置いても、チェコ語(現地の母語)で留学ができる国としてチェコは有力な候補だった。

誰からも母語を奪いたくない。母語には尊厳があり、霊があり、生きている言葉である。

この私の主張は、CČSHやHTFとすごく相性が良いものだと勝手に思っている。

理由3.チェコ語は日本語母語話者にとってとても相性がいい言葉だから

よく「チェコ語は世界一難しい言語」なんて言われるが、実際学んでみるとそれは英語圏のひとの意見であることに気づく。

日本語母語話者にはチェコ語ほど相性の良い言葉はない、というのが私の意見である。

  • 発音はローマ字読みが基本→読めるようになるためには30分もあれば十分

  • 単語のアクセントは(ほぼすべての場合)第一音節にある→アクセントの位置で迷う必要がない

  • 格変化(7つの格)は「てにをは」と同じ→助詞を補って考えると格変化も楽に学べる

日本語で書かれた文法書や単語集、辞書もそれなりにある。

チェコ語を学ぶ環境は年々格段に向上している。

理由4.チェコ語で話すとチェコ人はめちゃくちゃ喜んでくれ、いくらでも助けてくれる

語学学習において、こんなに心強いことはない。

チェコ語を話したい外国人を見ると、チェコのひとたちは、いくらでも助けてくれる。

間違いがあれば丁寧に教えてくれるし、チェコ語を話すだけでカタコトでも喜んでくれるし、いくらでも助けてくれる。

人口1000万人という大きくはない国で、そしてチェコとスロバキア以外では通じない言葉であるチェコ語。

それを話すとネイティブスピーカーからの無償の支援がいくらでも得られる。

なにより「君、チェコ語話せるの!?」と驚きと喜びを持って歓迎される。

あの体験はチェコ語を学ぶ最大のモチベーションになる。

理由5.高等教育のレベルが高い

私が(受かれば)進学するカレル大学は、中欧で最も頭の良い、レベルが高い大学だといわれている。

そしてチェコにはほかにもマサリク大学やパラツキー大学など、質の高い教育を行っている大学がたくさんある。

そしてそこに「チェコ語で」進学できるのがなによりの強みである。

理由6.チェコ語で行う場合は高等教育が無料になる(外国人でも!)

外国人であろうとチェコ人であろうと、チェコの高等教育には単純明快なルールがある。

  • 英語で授業を受ける場合→有料

  • チェコ語で授業を受ける場合→無料

そのため、外国人である私でも、チェコ語で授業を受けたいと考えているため、無料になるのだ。

私は修士課程修了後に博士後期課程まで行きたいのだが、それを日本でやると500万円単位のお金が飛んでいくものの、チェコでチェコ語でやるとなんと無料なのである。

理由7.スラブ系の言語というものをやってみたかったから

私は英語ができ、英語はゲルマン系の言葉である。

イタリア語もできる。イタリア語はロマンス系の言葉である。

ヨーロッパにはもう一個、語学の大きな派閥がある。

スラブ諸語である。

スラブ諸語のなかでもっとも簡単で、かつ私(や日本語母語話者)に相性が良いのはチェコ語なので、仮にチェコ語を身につければ、私はゲルマン諸語もロマンス諸語もスラブ諸語も基礎がわかる、といえるのである。

そしてスラブには豊かな文化や伝統があり、たとえば教会スラブ語という共通語もある。

理由8.お酒好きにとってチェコは天国だから

チェコのお酒事情は、たいてい以下である。

  • ビールの生産・消費が世界有数

  • ビールは水より安い

  • 喫茶店(Kavárna)にもビールやワインが置いてある

  • ブルチャーク(Burčak)という、「ワインの赤ちゃん(発酵途中のワインで、アルコール度数が低め)」がめちゃくちゃ美味しい

  • ワインも質が高く、比較的安価

  • ウォッカやホリールカなど、東ヨーロッパのお酒もたくさん手に入る

Plzeňský Prazdroj(プルゼニュスキー・プラズドロイ)の存在も欠かせない。

​Plzeňský(プルゼニュスキー): プルゼニ(Plzeň)の
​Prazdroj(プラズドロイ): 元祖・源泉(Pra = 最初の/元祖、Zdroj = 泉/源泉)

ドイツ語でピルスナーウルケルと呼ばれる、チェコで最も有名なビールである。

そしてどのスーパーに行っても、Plzeňský Prazdroj(プルゼニュスキー・プラズドロイ)は必ず置いてあるし、どのレストラン(restaurace)にもたいてい置いてある。

理由9.「無宗教の国」で宗教を学ぶという面白さはチェコ特有

チェコはじゃあフス派、あるいは他のキリスト教の宗派が多いのかというと、そうでもない。

白山の戦い(ビーラー・ホラの戦い)や共産主義を経て、チェコ社会は急速に世俗化した。

「私は宗教を信じています!」と言うひとは減った。

事実、私の友人の多くが無宗教である。

ただ、だからといって「宗教とは無縁」なのではない。

旧市街広場(Staroměstské náměstí)に行けばフスさんの像が立っているし、たくさんの教会が各都市にあるし、カトリックやCČSHは活動を続けている。

そのバランスがちょうど良い塩梅なのが、「チェコで神学を学ぶ」ということである。

理由10.チェコ人はめちゃくちゃ優しい

チェコに行くといくらでも優しいひとに会える。

留学生活というのはどうしても孤独になりがちだが、チェコのひとたちは、ちょうど良い距離感で私達孤独な留学生を迎えてくれる。

咳をしていたら水を貸してくれるひと。

つたないチェコ語でも丁寧にきいてくれるひと。

チェコ生活のコツを教えてくれるひと。

地下鉄やトラムに乗るときに案内してくれるひと。

チェコ語で話すと喜んでくれるひと。

そんな優しいひとたちが、チェコにはほんとうにたくさんいるのだ。


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