なぜ、『BIMの時代が終わった』と言われているか?
「BIMの時代が終わった」と言われる理由。
私はARCHICADを11年以上使っています。
社内では「ARCHICAD信者」と言われるくらい、BIMが好きです。
だからこそ最近よく耳にする、
「BIMの時代は終わった。」
という言葉には少し違和感があります。
AIを活用していると、
「AIがここまで進化したなら、BIMはもう必要ない。」
そんな声を見かけることがあります。
実際、SNSでも
「AIが設計する時代」
「BIMは終わった」
という話題を目にする機会が増えました。
私は約11年間BIMを使い、公共建築やプロポーザルなどの実務で活用してきました。
そして、この3年は生成AIも実務へ取り入れています。
だからこそ今、感じていることがあります。
私は、
BIMの時代が終わったとは思っていません。
ただ、
BIMに求められる役割は、大きく変わり始めている。
そう感じています。
BIMは「図面を描くため」のものではありませんでした。
BIMというと、
「3Dモデルを作るソフト。」
そんなイメージを持たれることがあります。
もちろん、それも間違いではありません。
しかし、実際に長く使ってきて感じるのは、
BIMは
「建築の情報を整理する仕組み」「建築を深めていくツール」
だったということです。
壁には壁の情報。
建具には建具の情報。
材料、数量、面積、仕上げなど、
建築に関する情報を一つのモデルへ集約していきます。
つまり、
BIMの価値は
3Dではなく、建築情報を一元管理できること
にあると考えています。
しかし現状では、
BIMは
「作図を便利にするツール」「3Dモデルツール」
として理解されている場面も少なくありません。
私は、この認識の違いが
「BIMは終わった」
と言われる理由の一つだと思っています。

なぜ「BIMは終わった」と言われるのか。
AIの進化は、日々目まぐるしく進んでいます。
おそらく多くの人が、
「今後、作図作業はAIが自動化するのではないか。」
と感じているのではないでしょうか。
私自身も、
簡易図面の自動化について現在研究を進めています。
もし、
BIM=作図ツール
という認識であれば、
AIが図面を描くようになれば、
「もうBIMはいらない。」
という考えになるのも自然です。
実際、
作図という行為だけを見れば、
AIが担う割合は今後さらに増えていくでしょう。
だから、
「BIMは不要になる。」
という考え方にも、一理あると思っています。また一つの側面では正しいことだと考えています。
私は、「BIMを有効活用できれば、価値はむしろ高まる」と考えています。
ここで私は、少し違う考えを持っています。
AIは、文章を書いたり、画像を作ったり、情報を整理したりすることは得意です。
しかし、
情報の正しさを保証することはできません。

一方、
BIMには、
設計者が整理し、確認し、積み上げてきた建築情報があります。
つまり、
AIが活用する情報の質は、BIMによって大きく変わるのです。
様々な情報が整理されていれば、AIはその情報を使って、
資料をまとめたり、数量を整理したり、比較したりすることができます。
だから私は、
AIとBIMは競合ではありません。
むしろ、
お互いの価値を高め合う存在
となっていけると考えています。

私が考える、これからの設計者
AIが広がるほど、BIMの重要性はむしろ増していく。
私はそう考えています。
AIは、情報を活用する技術。
BIMは、情報を整理する技術。
そして、設計者は、情報を作り、判断する人。
この役割は、これからも変わらないと思います。
どちらかが不要になるのではなく、両方を組み合わせることで、
設計者が考える時間をさらに増やせる。
それが、
私が考える次の時代の設計です。

「AIがあるからBIMはいらない。」とは言い切れない。
むしろ、
AIがあるからこそ、BIMの価値をもう一度考える時代になった。
そう感じています。
実際、GRAPHISOFTもARCHICAD 30に向けてAIとの連携を進める方針を示しています。
私はこれから、
AIかBIMか、
という議論ではなく、
AIとBIMをどう組み合わせれば、設計者がもっと設計に集中できるのか。
その視点で実務の中から検証を続けていきたいと思います。

※本記事は、建築設計の実務で試しているAI活用の記録・情報共有を目的としたものです。紹介している内容は私個人の感想や考えです。ご意見やおすすめの活用法がありましたら、ぜひコメントで教えてください。情報交換を通じて、建築設計におけるAI活用を一緒に探求していければ嬉しいです。
