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極上の「満更じゃない」2時間 | 東京03のライブを観に行く【よもやま話 ep.22】

テレビやYouTubeでコントを見るのが好きだ。

特に東京03は、個人的に最も面白いコント師だと思っている。

何気ない日常の一場面を題材に、誰もが感じたことのある気まずさ、見栄、勘違いといったものを、爆笑コントにまで昇華してしまうのは、実に見事だ。


この夏、東京03のYouTube公式アカウントで、過去にアップされた150本以上の動画が、期間限定で一挙掲載された。

私は、暇さえあれば、毎日スキマ時間で見まくっていた。

ストーリーからオチまで記憶にあるものから、初めて見るものまで、どのコントも秀逸!

すっかり東京03熱にあてられた私は、


ライブ、観に行きたい…


という思いにふと駆られてしまった。

でた。久しぶりの「ライブ行きたい衝動」だ。
 

スピッツやOfficial髭男dismの新曲を聴いて心躍った瞬間や、好きなお笑い芸人の動画を観たりしたとき、私はよくこの衝動に駆られる。

大概のケースでは、タイミングが合わず、空振りに終わるところ、今回は違った。

なんと、たまたま追加公演の申込みを開始したばかりらしく、運良くチケットが残っていたのだ。


ただし、取れそうなのは平日の午後の回のみ。


何も仕事を休んでまで見に行かなくても…と躊躇する気持ちも無くはなかった。


しかしそれ以上に、平日にお休みを貰ってライブを観に行く背徳感と、「これは、もはや運命…!」という力強い心の声が、私の背中を後押しした。

こうして、ライブ行きたい衝動に突き動かされるがまま、私は、スマホ画面の「申込み」ボタンを、軽やかにタップしたのだった。


そして当日。

あいにくの雨模様にもかかわらず、開場前から多くの人が外で並んでいた。

最近完成したばかりというその会場は、収容人数1500人超とのこと。

小劇場的な場所を勝手に想像していた私は、その大きさに少々面食らっていた。

私が取れたのは残念ながら3階席。

これだけ大きい劇場だと、3人が豆粒サイズにしか見えないかも…と内心覚悟していた。

しかし、いざ場内に入ると、奥行きが狭く設計されているようで、自席からも舞台が思ったよりずっと近くに見えた。正直ホッとした。


そして本番。

今回の公演名は、「満更じゃないから」

軽妙なピアノ曲がオープニングを飾り、早速オープニングコント。

まずは、飲み会の場での職場同期3人の他愛もない世間話から幕を開ける。

「最近の若者は、ネットの口コミや有識者の評価に流されすぎる!」とドヤ顔で主張する角田さん。

それに同調する豊本さんに対し、飯塚さんが、「今、流されるなって意見に流されたよね?」と真顔で痛烈なツッコミ。

ここから始まる笑いの連鎖は、まさに東京03の十八番(おはこ)である。

ただ、ライブは、やはりTVや動画とは一味違う。

マイク越しにびりびりと伝わる3人の生の声の迫力、それに呼応して広がる観客の笑い声。

耳と肌に伝わるまさに「ライブ感」に心が沸き立つ。

徐々に三者三様の「本音」が交錯しはじめ、目まぐるしく攻守が入れ替わる言葉のボクシングのような様相を呈しつつ、最後は、タイトル通り「満更じゃない」というオチに収斂していくのは、さすがの一言。

その後のどのコントも、始まったときのやりとりからは、想像もつかない展開と笑いの連鎖反応に、終始笑いつつ、感心(ときに感動)し通しだった。

また、個人的に特に印象的だったのは、コントそのものだけでなく、ライブ全体の構成の巧みさ。

東京03の公演をフルで観るのは今回初めてなので、お馴染みなのかもしれないが、それぞれのコントと、幕間に上映されるショートムービーとが、少しずつクロスオーバーしていく構成の巧みさには、正直舌を巻いた。

お笑いライブを観たというよりは、上質なコメディ映画を観たような満足感。

2時間の公演は、瞬く間に終わった。



終演後に会場を出たとき、雨は若干強くなってきたようだった。


しかし、笑い続けたことによる心地よい疲れと満足感から、まるでステップを踏むかのように軽やかに家路につくことができた。


まさにこれまでの人生で最上級の「満更じゃない」体験。

早くも、来年の公演が楽しみだ。 


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