パイナップルな日本酒と、らんまんなクラフトジン|高知の一滴
私が、一口飲んで「えっ、これ本当に日本酒?」と脳がバグった、衝撃的なお酒があります。
お酒ライターが選ぶ47都道府県『運命の一滴』コレクション。
高知からは、ワイングラスで飲みたい変わり種酵母を使った一滴と、朝ドラ『らんまん』でも有名な牧野博士をオマージュした一滴をご紹介します。
運命の一滴:亀泉CEL-24|亀泉酒造

日本酒の栓って硬くないですか?この日も乾燥したわたしの手のひらが痛くなるくらい、生酒の亀泉の栓はキュッときつく封されていました。
ほんの少し浮いてきた栓と瓶の間にフォークの背を指してテコの原理でなんとかしようとしていた、その時です。
「……パイナップル?」
今から開けようとしているのがパイナップルジュースだったっけ、と疑いたくなるくらいの香りが漏れ出してきました。
日本酒の瓶が開けられなると困るから筋トレしようと思いながら、やっとの思いで開けた亀泉を口に含むと、やはり強烈なパイナップルの香りが鼻に抜けていきます。
けれどフルーツの甘ったるさはもちろんなく、すっきりとした切れ味が喉を潤してくれました。
この味の正体は、CEL-24という酵母。高知県で開発されたものの、香りが高すぎて扱いが難しく、変わり種扱いされていたものを、亀泉酒造が「これ、面白いじゃん」と商品化したのが始まりです。
キンキンに冷やして、ワイングラスでどうぞ。
次に飲んでみたいお酒・訪れたい場所
建築と酒造りの融合:酔鯨(すいげい)土佐蔵|酔鯨酒造
https://www.instagram.com/p/DBi3dP6yBq5/?igsh=YnZ0bms1MmFwaHoz
高知を代表する銘酒、酔鯨が、2018年に新設した土佐蔵は、まるで現代美術館。
スタイリッシュなグレーの外観、ギャラリーやカフェも併設された空間は、酒造りの現場であることを忘れるほどモダン。
酔鯨といえば、食事を引き立てるキレの良い食中酒として有名ですが、この蔵ではハイエンドラインを醸造しています。
伝統的な味を守りながら、見せ方は徹底的にアップデートする。アパレルブランドのようなロゴ展開や、この建築へのこだわり。酔鯨のブランディング戦略は勉強になります。
贈りたくなる一滴|MAKINO GIN
年末年始のお休みに入った後、Slackに通知が届きました。
なにか仕事やり残したかな…とドキドキしながら開くと、上司からのDM。
「Amazonか楽天で買えるおすすめのジン教えて」
こんな連絡なら大歓迎です。
腕まくりして、海外の華やかなジンを好む上司におすすめのものをいくつか頭に浮かべる私。うん、種類は限られるけど、いくつかはAmazon、楽天でも買える。翌日配送に強いヨドバシドットコムも脳内検索に加え、ベストマッチだったのがこちら、MAKINO GIN。

あの植物学者、牧野富太郎博士の生家があった場所で造られるクラフトジン。
キーボタニカルには、牧野博士が奥さんの名前にちなんで名付けた「スエコザサ」を使われています。
古びた蒸留器を磨いて地元のバーテンダーの方がプライドかけて造ったクラフトジンが、意外にも手に入りやすいのはなぜか?
それは高知を代表する「船中八策」を造る司牡丹が母体だからです。
ストーリーよし、味よし、入手性よし。
人に教えたくなる、とっておきの高知です。
高知のグラスを通した旅は、まだ始まったばかり。新しい一杯に出会いながら、この記事を育てていくつもりです。もし皆さんの推し酒があれば、ぜひコメントで教えてくださいね。
書いた人:キノシタ
日本各地で作られる日本ワイン、クラフトジン、日本酒といった小規模生産者がうみだす美味しいお酒を、その土地の文化とともに伝えるお酒ライター。
アートと建築を愛する旅好きで、会社員として働きながら14カ国を訪問。旅先での出会いから人とのつながりを築いていくうちになぜか韓国語を習得。神奈川県在住。
本業は人事組織•採用支援のコンサルタントです。お酒にまつわるお仕事は積極的に副業としてお手伝いしてます。
お仕事のお問合せは noteのDMにお願いします!
