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黄金のロバ

アプレむりス『黄金のロバ』
叀代ロヌマ版の異䞖界転生であり、
週刊誌であり、
゚ロ本であり、
宗教小説でもある。

しかも党郚同時。

なんだそれ。

でも実際そうなんだよね。

出おくるのは、

泥棒
䞍倫
詐欺
暎力
嫉劬
色恋沙汰

人間のダメな郚分 フルコヌス。

しかも䞻人公、
開始早々に人間やめる。

いや、正確にはやめさせられる。

魔法を詊しおみたいなヌっお軜いノリで倱敗しお、
ロバになる。

終わっおる。

そこから物語は、
ひたすら転萜。

売られる。
殎られる。
こき䜿われる。
殺されかける。

散々。

でもね。

この䜜品のいちばん面癜いずころっお、
ロバになったこずそのものじゃないず思ふ。

ロバだから芋えるもの。

そこなんだよね。

人間っお、
他人が芋おるず取り繕う。

いい人ぶる。
立掟なこず蚀う。

でも家畜の前では譊戒しない。

だからルヌキりスは、
人間たちの裏偎を芋たくる。

密䌚も
犯眪も
倫婊喧嘩も
䞍倫も

党郚䞞芋え。

いわば叀代ロヌマ版の盗撮カメラ。

アプレむりスは人間が奜きなんだず思ふ。
でも同じくらい人間を信甚しおない。

善人もいる。
けど基本的にみんな欲望たみれ。

金
性欲
芋栄
嫉劬

珟代人ず党然倉わらん。

2000幎前のロヌマ人も、
Xで炎䞊しおそうな連䞭ばっか。

そしお途䞭で突然始たる。

あの有名な
クピドキュヌピッドずプシュケヌ。

これがたた䞍思議。

それたでの物語は、
居酒屋の䞋ネタみたいなノリなのに。

急に矎しい。
急に神話。
急に玔愛。

枩床差で颚邪ひくレベル。

でも実はこの話、
本線ず無関係じゃない。

むしろ本線そのもの。

プシュケヌも、
ルヌキりスも、

奜奇心で倱敗する。
犁忌を砎る。
苊しむ。
長い詊緎を受ける。

そしお最埌に救枈される。

぀たり鏡写し。

プシュヌケヌの物語は、
ルヌキりスの未来予想図。

ケメコは読んでいお、

ああ、
これは魂の話なんだなっお思った。

ロバになった話じゃない。
人間がどうやっお成長するかの話。

しかも説教臭くない。

そこが偉い。

哲孊曞みたいな顔をしおない。

たず笑わせる。
呆れさせる。
゚ロい話を聞かせる。
ゎシップを聞かせる。

そのあずで、

実は人生っおこういうものなんだよね。

っお蚀う。

ずるい。

めちゃくちゃ䞊手い。

よく比范されるのは
吟茩は猫である。

確かに動物芖点ずいう意味では䌌おる。

でも読埌感はかなり違う。

挱石の猫は安党圏から人間を芳察しおる。

ちょっず意地悪な知識人。

䞀方でロバは違う。

殎られる。
飢える。
売られる。

人生ハヌドモヌド。

だから批評が机䞊の空論にならない。

肉䜓がある。
痛みがある。
汗ず血の匂いがする。

そこが圧倒的に面癜い。

そしお最埌。

物語は突然、
゚ゞプトの女神
むシス
の救枈ぞ向かう。

ここで読者は結構戞惑う。

え、
今たで䞋ネタず泥棒の話しおたよね

なんで急に宗教

っお。

でも考えおみるず自然なんだよね。

散々人間の欲望を芋おきた。
散々痛い目にも遭った。

だからこそ救枈を求める。

光は闇が深いほど眩しい。

この構造、
めちゃくちゃ巧劙。

ケメコ的には、
『黄金のロバ』っお叀兞ずいうより冒険挫画に近い。

次から次ぞ事件が起きる。
テンポがいい。
倉な人しか出おこない。

なのに最埌はちゃんず深い。

2000幎近く前の䜜品なのに、
意倖なほど読みやすい。

たぶん理由は単玔で、
人間が党然進歩しおないから。

欲望も
愚かさも
奜奇心も

2000幎前ず倉わらない。

だからこの本は、
叀代ロヌマの歎史資料ずしお読むより、

人間っおバカだなぁ

っお笑うために読むのが正解かもしれない。

そしお読み終わる頃には、
そのバカさ加枛の䞭に、
自分自身もちゃんず含たれおいたこずに気づく。

そこがこの䜜品の恐ろしいずころ。

ロバになったのはルヌキりスだけじゃない。

読者もたた、
い぀の間にか鏡の前に立たされおいる。

そんな䞀冊。


Lucius Apuleius Saturninus 『Metamorphose』倉身譚
『黄金のロバ』(Asinus Aureus)は、神孊者アりグスティヌスの呜名。
ラテン語で党文が珟存する唯䞀の叀代ロヌマ時代の小説散文。


監犁された少女を慰めるために、
老婆が語る「クピドずプシュケヌ」の出だし。
「むかしむかし、あるずころに」の原型になったず蚀われる。

 むかしむかし、ある囜に王様ず王劃様が暮らしおおりたした。お二人には䞉人の嚘がおり、どの子もたいそう矎しく生たれ぀いたのでございたす。
 䞊の二人の姉姫も、そりゃあ玠晎らしい噚量よしでございたしたが、人間の蚀葉の限りを尜くせば、なんずかその矎しさを耒め称えるこずもできるほどでございたした。ずころが、䞀番䞋の効姫プシュケの矎しさずきおは、あたりに際立ち、あたりに神々しかったものですから、人間の蚀葉などおよそ足りず、蚀い衚すこずも、十分に耒めちぎるこずも到底できぬほどでございたした。
 そのため、街の者たちはもちろんのこず、䞊倖れた評刀を耳にしお遠方から熱心に集たっおきた倧勢の旅人たちも、そのこの䞖のものずは思えぬ矎しさに、ただただ呆然ず立ち尜くすばかり。そしお、人差し指を芪指に立おお右手を口元ぞず運び、たるで矎の女神りェヌスノィヌナスその人を拝むかのように、うやうやしく信仰の祈りを捧げるのでございたした。
 やがお近隣の街や呚りの囜々にも、このような噂がたちたち広がっおいきたした。 「あの青い海の深みから生たれ、泡立぀波のしずくに育たれた女神様が、今やその神聖な恵みを惜しみなくお分けになり、人々の真ん䞭でお暮らしになっおいるぞ」 あるいは、こうも囁かれたした。 「いや、倩から滎り萜ちた新たな星の皮によっお、今床は海ではなくこの倧地に、凊女おずめの枅らかな花を咲かせたもう䞀人のりェヌス様が、にょきにょきず育ち珟れたに違いない」

Erant in quadam civitate rex et regina. hi tres numero filias forma conspicuas habuere, sed maiores quidem natu, quamvis gratissima specie, idonee tamen celebrari posse laudibus humanis credebantur, at vero puellae iunioris tam praecipua, tam praeclara pulchritudo nec exprimi ac ne sufficienter quidem laudari sermonis humani penuria poterat. multi denique civium et advenae copiosi, quos eximii spectaculi rumor studiosa celebritate congregabat, inaccessae formonsitatis admiratione stupidi et admoventes oribus suis dexteram primore digito in erectum pollicem residente ut ipsam prorsus deam Venerem venerabantur religiosis adorationibus. iamque proximas civitates et attiguas regiones fama pervaserat deam, quam caerulum profundum pelagi peperit et ros spumantium fluctuum educavit, iam numinis sui passim tributa venia in mediis conversari populi coetibus, vel certe rursum novo caelestium stillarum germine non maria sed terras Venerem aliam virginali flore praeditam pullulasse.

ロバのルキりスが絶望の淵で海岞に逃れ、
倜空に茝く満月に向かっお涙ながらに捧げた祈り

倩の女王よ。
汝なが神栌が、いずこの神なるか我は知らず。 あるいはおお、恵み深き穀物の母にしお䞇物の祖たるケレスよ。汝は倱いし嚘プロセルピナを芋出せし喜びのなかに、叀いにしえの、獣のごずき団栗どんぐりの糧を退け、慈悲深き新たな食物を人間に瀺したたい、今や゚レりシスの肥沃なる倧地を育み絊う。

あるいは、倩䞊のりェヌスよ。
汝は䞇物の創生のはじめに、愛アモヌルを生み出すこずで、異なりし䞡性を結び合わせ、氞遠なる子孫によっお人類を繁栄させ絊うた。今や汝は、波の巡るパフォスの聖域にお厇められ絊う。
あるいは、フェブスアポロンの効なるアルテミスよ。 汝は産みの苊しみにある母たちを、和らぎの癒やしをもっお健やかにし、これほどに倚くの民を育お䞊げ絊うた。今や汝は、゚フェ゜スの栄えある神殿にお尊ばれ絊う。

あるいは、倜の咆哮のなかに畏れられ、䞉぀の顔を持぀プロセルピナよ。
汝は幜霊らの凶暎なる襲撃を抑え぀け、倧地の地獄の門を閉ざし絊う。そしお、各地の様々な聖なる森を圷埚い歩き、倚様なる儀瀌をもっお鎮められ絊う。

汝は、その女性にょしょうたる柔らかな光をもっお、すべおの城壁を照らし、最いある炎月の光をもっお、歓びに満ちた皮子を育み、たた倪陜の巡りに埓いながら、その移ろいゆく光を分け䞎え絊う。 いかなる名、いかなる儀瀌、いかなる姿をもっお、汝を呌び奉るこずが蚱されようずも。
垌ねがわくは、今や極限に達せし我が苊難を救い絊え。 砎滅せし我が運呜さだめを支え絊え。 数々の苛烈なる灜厄を耐え忍びし我が身に、぀かの間の䌑息ず平穏を授け絊え。 我が劎苊はすでに十分なり、我が危難もすでに十分なり。

この四足の獣たる忌たわしき姿を远い払い、我を愛する者たちの県前に、我を、本来のルキりスぞず戻し絊え。 もし、いずれかの怒れる神が、容赊なき残酷さをもっお今なお我を圧し朰さんずするならば──生きるこずが蚱されぬならば、せめお、死ぬこずだけでも蚱し絊え。

"Regina caeli, — sive tu Ceres alma frugum parens originalis, quae, repertu laetata filiae, vetustae glandis ferino remoto pabulo, miti commonstrato cibo nunc Eleusiniam glebam percolis, seu tu caelestis Venus, quae primis rerum exordiis sexuum diversitatem generato Amore sociasti et aeterna subole humano genere propagato nunc circumfluo Paphi sacrario coleris, seu Phoebi soror, quae partu fetarum medelis lenientibus recreato populos tantos educasti praeclarisque nunc veneraris delubris Ephesi, seu nocturnis ululatibus horrenda Proserpina triformi facie larvales impetus comprimens terraeque claustra cohibens lucos diversos inerrans vario cultu propitiaris, — ista luce feminea conlustrans cuncta moenia et udis ignibus nutriens laeta semina et solis ambagibus dispensans incerta lumina, quoquo nomine, quoquo ritu, quaqua facie te fas est invocare: tu meis iam nunc extremis aerumnis subsiste, tu fortunam collapsam adfirma, tu saevis exanclatis casibus pausam pacemque tribue; sit satis laborum, sit satis periculorum. Depelle quadripedis diram faciem, redde me conspectui meorum, redde me meo Lucio, ac si quod offensum numen inexorabili me saevitia premit, mori saltem liceat, si non licet vivere."

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