ライナス症候群ってなに?5歳娘と“おくるみ”の物語
「ライナス症候群」って言葉をTikTokで初めて知った。
漫画『ピーナッツ』のライナスがいつも毛布を手放せないことから名付けられたらしい。
心理学では「安心毛布(トランジショナルオブジェクト)」とも呼ばれていて、子どもが特定のモノに強い愛着を持ち、安心を得るために手放せない状態を指すそうだ。
その説明を聞いた瞬間、「あ、これってうちの娘だ」と思った。
我が家には娘が生まれたときから使っている“おくるみ”が12枚ある。
娘はそれを全部「おくるみ!」と呼ぶ。特別な名前はつけていないけれど、どれも彼女にとっては大事な存在だ。
5歳になっても「おくるみ!」
娘は今5歳。
幼稚園にも通っているし、ずいぶん成長した。でも「おくるみ」だけは今も手放せない。お出かけのときには必ず2〜3枚を抱えて車に乗り込む。
不思議なのは、12枚の中で「お気に入り」がランダムに変わること。しかも必ず“ペア”になって選ばれるのだ。
昨日と今日で組み合わせが違うことも多い。選ばれなかったおくるみたちはタンスの奥で順番を待ち、またある日突然、主役に返り咲く。
特に気に入っているものはもう端がボロボロ。それでも娘にとっては安心の象徴で、なくてはならない存在だ。
12枚すべてに娘の匂いがしみこんでいて、ふわふわで、甘いような落ち着く香りがする。私にとっても「ああ、ペンちゃんの匂いだ」と思える大切な香りになっている。

夜は“安心のバリケード”
夜になると、娘はお気に入りのペアに加えて、さらに数枚を両腕いっぱいに抱えて眠る。多いときは6枚くらい。小さな体で必死に抱え込み、まるでおくるみに囲まれて眠るお姫さまのようだ。
その姿は、安心のバリケードに守られているようにも見える。布をぎゅっと握りしめたままスヤスヤ眠る姿を見ていると、「おくるみはただの布じゃなくて、心のお守りなんだな」としみじみ思う。
ライナス症候群とは?
ライナス症候群は病気ではなく、発達の一過程としてよくある行動だ。
• 不安なときに落ち着ける
• 知らない場所に行くときに勇気をくれる
• 寝るときに安心できる
こうして「モノ」を通じて安心をつくる力は、子どもが心を育てていく上で大切なステップだ。大人からすれば「ただの布」でも、子どもにとっては世界に立ち向かうための相棒。まさに心の支えそのものなのだ。
手放さなくてもいい
「5歳にもなってまだ持ってるの?」と心配する声もあるかもしれない。けれど私は取り上げるつもりはない。なぜなら娘は幼稚園に行くとき、ちゃんと車に置いていけるからだ。
「ここでは必要」「ここでは置いていっても大丈夫」という切り替えができているなら、それで十分。無理にやめさせる必要はないと思っている。
親にできることは“見守ること”
子どもが大切にしているものを尊重すること。
それは「甘えを許す」ことではなく、「安心を自分でつくる力」を信じることだと思う。
「そんなに大事なんだね」と受けとめる。持っていくことを否定せず、社会のルールに合わせて少しずつ調整していく。その環境を整えてあげるのが、親の役割なんじゃないかと思う。
まとめ
ライナス症候群は「子どもがモノに執着している」ことではなく、「安心をつくる力」だと私は思う。
娘にとってのおくるみは、安心のスイッチであり、成長を支える相棒だ。
毎晩6枚を抱えて眠る姿は、微笑ましくも頼もしい。12枚の中でお気に入りがランダムに変わるのも、その時々の心を映す鏡のように思える。
きっと成長するにつれて少しずつ手放していくのだろう。けれど今はただ、おくるみと一緒に眠る娘を温かく見守りたい。
「おくるみ!」と元気に抱きしめるその姿こそ、子どもらしい安心の形だから。

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