持株会25%という“裏ボーナス”|#20(第1章)
ここで少し、本筋から外れる話をしたいと思います。
積立投資の話とは直接関係ありませんが、結果として資産を増やすことにつながった出来事でした。
時期としては、2016年から2020年ごろのことだったと思います。
ちょうど資産が順調に増えていく時期で、私は「お金をどう増やすか」ということに、これまで以上に敏感になっていた頃でした。
そんなとき、会社の持株会制度にある変更がありました。
社員が自社株を購入する際、奨励金が25%付くようになったのです。
例えば、毎月1万円分の持株を購入すると、会社から2,500円の奨励金が追加され、合計で1万2,500円分の自社株が購入できるという仕組みです。
株を購入した瞬間に、すでに25%の利益が上乗せされている状態になります。
ある意味では、一瞬で25%の利益を生み出しているのと同じ感覚でした。
通常の株式市場では、株を買った瞬間に利益が確定しているような状況はまずありません。
その意味では、購入者にとって非常に有利な条件がそろっていたと言えると思います。
私はこの仕組みを見て、かなり魅力的だと感じました。
持株の購入には大きな制限もなく、株価が下がるという市場リスク以外に、こちらが損をするようなペナルティや条件も特にありませんでした。
そこで私は、給与から毎月40万円を持株購入に充てることにしました。
この場合、40万円の拠出に対して奨励金が10万円付き、合計で50万円分の自社株が購入されることになります。
持株の購入は給与からの自動天引きでしたので、特別な手間もありません。
設定してしまえば、あとは毎月自動的に株が購入される仕組みでした。
ちなみに、この持株会の管理口座は野村証券が指定されており、私はそのタイミングで野村証券の口座を開設して利用していました。
当時は持株会のための口座という程度の認識でしたが、結果的にこの口座を持っていたことが、後の投資にもつながっていきます。
その後、私は2025年頃より、ドル建て債券への投資を始めることになるのですが、野村証券の口座を持っていたことで専属の担当者が付き、ネットでは購入できない商品を紹介してもらえるようになりました。
ドル建て社債との出会いも、振り返ってみれば、この持株会の口座開設がきっかけだったのです。そのお話はまた後ほど詳しくお話いたします。
この時点ではまだそんな未来は想像もしていませんでしたが、思いがけないところで次の投資につながる縁が生まれていたのかもしれません。
話を戻しますが、私はその株を長期保有するつもりはありませんでした。
購入された株式は、できるだけ早く売却する。そうすれば、奨励金の分だけ利益を得ることができます。
もちろん、いつでもすぐ売却できるわけではありません。
決算発表前などは社内ルールとして売買禁止期間が設けられており、その期間は株を売ることができませんでした。
そのため、株をしばらく保有せざるを得ないこともありました。
ただ、この頃は株式市場全体が比較的右肩上がりの時期でもありました。
結果として、売却できない期間に株価が大きく下がるような場面にはほとんど遭遇しませんでした。
少なくとも私の記憶では、購入時より株価が下がった状態で売却したことは一度もなかったと思います。
この条件で持株を買い始めた当初は、正直なところ、少しだけ後ろめたい気持ちもありました。
まるで抜け駆けをして、何か悪いことをしているような感覚があったのです。
そのため、この方法について会社の同僚に話すことはほとんどありませんでした。
ただ、2〜3年ほど経ったころから、同じような考え方で持株会を利用している人がいるという話も、ちらほら聞くようになりました。
とはいえ、私のように給与の大半を持株購入に充てている人はほとんどいなかった印象があります。
私自身も、この方法を使っていることは当時ほとんど誰にも話していませんでした。
結果として、この仕組みだけで、年収がプラス120万円増える、そんな感覚で過ごしていました。
振り返ってみると、この制度を活用したことで、最終的には合計でおよそ500万円ほどの利益を得ることができたと思います。特別なことをしたわけではなく、当時用意されていた制度を素直に活用した結果だったと感じています。
が、もちろんこの制度がずっと続くわけではありません。。。
その後、会社側でも制度の見直しが行われ、購入上限や奨励金の条件は大きく変更されていきました。
ちなみに、この文章を書いている2026年3月時点では、奨励金は5%ほどになっており、さらに奨励金の上限も月3,000円程度に設定されていたと記憶しています。
当時のような条件は、すでに完全に過去のものになっていました。
振り返ってみると、この経験は私にとって大きな意味があったと思っています。
資産を増やす方法というのは、投資だけではありません。
制度を理解し、その仕組みをうまく活用することで、お金の増え方は大きく変わることがあります。
そして何より、「お金を増やす仕組み」に気づく感覚が、この頃から少しずつ身についてきたように思います。
積立投資とは少し違う形ではありましたが、この持株会の制度もまた、私にとって資産形成を後押ししてくれた出来事の一つでした。
次回(第21話)は、積立投資を続ける中で私が感じ始めていた、ある疑問について書きたいと思います。
積立投資は順調に続いていました。
しかしその一方で、「このままで本当にいいのだろうか」と考えるようになっていったのです。
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