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遠くなったカエルの声

地元にずっと住んでいる。
自宅の周囲がぐるりと田んぼに囲まれていたのは、
もう40年ほど前のことだ。

当時の夏は、今ほど過酷な暑さではなかった。
夜になるとすぐ隣の田んぼから響いてくる
カエルの合唱を聴きながら、眠りについたのを覚えている。

今では、かつて田んぼだった場所も世代が変わり、
すっかり住宅地へと姿を変えた。

カエルの声も、今では耳を澄まし、
遠くへ意識を向けなければ聞こえてこない。


田んぼが残る場所へ足を伸ばす


日曜日の静かな朝、少し遠くまで
散歩の足を伸ばしてみることにした。

目指したのは、昔ながらの田んぼが今も残っている場所だ。

現地に着くと、斜めから差し込む朝の光を受けて、
一面の緑が鮮やかに浮かび上がっていた。

水路には、静かに水が流れている。

近づいてレンズを向けると、青々とした稲が風に揺れながら、
少しずつ実りへ向かっているのが見える。

遠くの山並みや空を広く捉えたり、足元の稲の力強い息遣いを感じたり。
そんなことをしながら、ゆっくりと歩く。


過ぎ去った時間とカメラの役割

昔は、あまりにも当たり前だった田園風景。

けれど、田んぼがすっかり減ってしまった今、
ファインダー越しに見る風景は、遠い昔の記憶と、
今この瞬間を静かにつないでくれるようだ。

変わっていく「地元のいま」をどれだけ残せるか、
というのが、最近の写真のテーマ

今日も、かなり暑くなる予報だったな。
などと考えながら、シャッターを切る。

遠くから聞こえてくるカエルの声を耳にしながら、
静かな朝の時間を歩いた。

つづく!

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