「太陽光パネルはゴミになる」は本当?人事担当の私が、PVリサイクルセンターで学んだ、うれしい未来
「太陽光パネルは寿命を迎えたら、大量のゴミになる。」
そんな話を耳にしたことはありませんか。
6月24日、パシフィコ・エナジーのエンジニアリングチーム、高山さん、露木さんに同行し、株式会社浜田様の京都PVリサイクルセンターを見学させていただきました。
株式会社浜田様は、日本でも数少ない太陽光パネルの高度リサイクル事業を手掛ける企業です。今後2040年頃には、日本国内で大量の使用済み太陽光パネルが発生すると予測されており、その未来に向けて技術を磨き続けています。
私は人事担当なので、太陽光パネルの構造もリサイクル技術も専門ではありません。現場で学んできたことを、そのままお伝えしたいと思います。

発電所の役目を終えたパネルは、ここへやってきます
工場へ入ると、まず目に飛び込んできたのは、整然と並べられた数多くの太陽光パネルでした。
全国の発電所から役目を終えて運ばれてきたパネルや、メーカーから依頼されたの旧型在庫もありました。
今回は、パシフィコ・エナジーが実際に回収した太陽光パネルを処理していただきました。では見てみましょう。
「太陽光パネル」は何でできているのでしょう?
私が驚いたのは、太陽光パネルは一枚の板ではないということでした。
実際には、
強化ガラス
EVA樹脂
太陽電池セル
バックシート
アルミフレーム
など、いくつもの材料が何層にも重なってできています。
特にセルシート(*1)と呼ばれるシートは想像以上に薄く、まるで大きなフィルムのようでした。
「割らない」リサイクル
今回見学した株式会社浜田様では、独自の「ホットナイフ(*2)とウォータージェットを合わせたリサイクルプロセス」により太陽光パネル由来ガラスの水平リサイクルを実現しています。熱した刃でセルをゆっくりとはがしながら、ガラスを割らずに取り出していきます。
作業中には、セルシートが、まるで大きなフィルムをめくるように剥がれていく様子を見ることができました。技術の高さに、思わず見入ってしまいました。

そして現れた、一枚のガラス
セルを取り除いた後、目の前に残ったのは、一枚の大きな強化ガラスでした。
太陽光パネルの重量のおよそ7割はガラスです。そのガラスを割らずに取り出すことで、高品質な資源として再利用することができます。また、ガラスの成分も同時に測定していました。
さらに、このガラスは専用の洗浄機で丁寧に洗浄されます。

最後に見せていただいたのは、汚れが落ち、美しく生まれ変わったガラスでした。
役目を終えた太陽光パネルとは思えないほど透明感があり、「廃棄物」ではなく「資源」なのだということを実感しました。

リサイクル率は9割以上。その理由は「素材ごとに分ける」ことでした
ガラスだけではありません。
セルシートには、発電に欠かせない銀や銅などの貴金属が含まれています。
ガラスから丁寧に分離されたセルシートは、ロール状に回収され、その後、破砕及び選別工程を経て、精錬会社へ運ばれます。そこで銀や銅などの金属資源が回収され、新たな製品づくりに活用されます。
また、アルミフレームや配線も、それぞれ素材ごとに分別・回収され、アルミや銅などの資源として再利用されます。
つまり、一枚の太陽光パネルは、単なる「一枚の板」ではありません。
ガラス
アルミ
銅
銀
シリコン
など、さまざまな資源からできており、それぞれが新たな役割を持って社会へ戻っていきます。
ガラスが割れている太陽光パネルも、ハンマーで砕いたあと粉粒体を素材ごとに丁寧に分けてリサイクルをします。

こうして、株式会社浜田様の技術によって、太陽光パネルの9割以上がリサイクル可能になっているのです。工程については、株式会社浜田様のYouTubeで学ぶことができますので、ご紹介します。
パシフィコ・エナジーでは、その先も考えています
今回の見学で知ったことは、リサイクルだけではありません。
パシフィコ・エナジーでは、太陽光パネルのリサイクルを事業計画の中に組み込むとともに、現在、この強度があるガラスを利用した工芸品づくりにも取り組んでいます。役目を終えた太陽光パネルに、新しい価値を生み出す「アップサイクル」への挑戦です。
どのような作品が生まれるのか、今からとても楽しみにしています。
人事担当として感じたこと
今回の見学で一番印象に残ったのは、工場の中が驚くほど整理整頓され、清潔だったことです。設備はきれいに管理され、安全第一の表示が掲げられ、工程ごとに品質が丁寧に管理されています。
そして何より、「太陽光パネルはゴミになる」というイメージが、大きく変わりました。もちろん、発電設備には寿命があります。しかし、その役目を終えたあとも、多くの素材が新たな資源として生まれ変わり、再び社会の中で活躍していく仕組みが、すでに始まっていました。
【注釈】
1. バックシートと太陽電池セルの複合物
2. ホットナイフ分離法は株式会社エヌ・ピー・シーの登録商標です。
※本記事の作成にあたり、株式会社浜田様にはPVリサイクルに関する技術的な内容をご確認いただきました。現場での丁寧なご説明とあわせ、心より感謝申し上げます。
