一輪挿し【青ブラ文学部】
こちらのお題に参加させて頂きます!
この罪は……赦されるのでしょうか……。
よろしくお願いします🙇
あぁ、神父様…。
私めの『一輪挿し』の過ちを…聞いていただけないでしょうか。
これは私めが、小学生の時のことです。
登校中に、良い香りがするな、と思ったら、よそ様のお宅に見事な金木犀があったのです。
低木だったので、目の前でその香りを味わうのが楽しみでした。
そんなある日のことです。
私はこれを教室の一輪挿しに飾りたいと思い、よそ様のお宅の金木犀を少しばかり頂いて、学校に持って行ったのです。
私は意気揚々と教室の一輪挿しに金木犀を飾ったところ、担任の先生が
「金木犀の香りがする!
いい香り!
誰か持ってきてくれたん?」
と聞くので、私はここぞとばかりに
「私です!」
と張り切って手を挙げたのです。
そして先生の次の言葉で冷や水を浴びることになります。
「お家に金木犀の木があるんねー。
ええねぇー!」
私は、そこでようやく気づいたのです。
よそ様のお宅の金木犀を少しばかり「頂いた」のではなく、ただの「無断拝借」だったのだと……!!
その後、私は「無断拝借」の後悔と、先生に嘘をついたことへの後悔で、ずいぶんと落ち込んでしまいました……。
そして、厄介なことに、家に帰ると、普通に我が家にも立派な金木犀の木があるではないですか…。
結局、誰にも言い出せずに、この歳になり、今ここで告白しているというわけです……。
私の罪は……赦されるのでしょうか……。
なお、それ以来、人様のお庭の花には手を出しておりません。
おしまい。
