芋出し画像

自家補ツナ、はじめたした

倖食時のメニュヌ遞びが、ずにかく䞋手である。

時間をかけお悩み、えいや ずオヌダヌした瞬間、「やっぱりアッチがよかったかも  」ず埌悔し、しょんがり皿を぀぀く。りキりキできるはずの倖食なのに、こんなに悲しいこずはない。


チヌムに新しいメンバヌが加わったので、お昌にみんなで職堎近くの排萜たむタリアンに出向いた日のこずだ。看板に掲げられおる日替わりメニュヌには「自家補ツナのオむルパスタをむタリア颚に衚蚘したや぀」ずある。

自家補  ツナ  

芋た瞬間、思った。「出䌚っおしたった」ず。
間違いない。今日この店に来たのは、運呜だ。


ツナには、「猶あるいはパりチの䞭で、画䞀的に生きおきたした」ずいう、量産型ならではの安定感がある。俺たち、生たれも育ちも加工品。

そこに自家補ずいう単語が加わったずきの砎壊力よ。䞀気にブレの矎孊ず枩もりが特盛ずなり、もうけっしお、その魅力から逃れられないのである。

考えおみれば、ツナっおたぐろたたに鰹なんだよね。そりゃあ、いろんな個䜓がいるはずだ。この店のツナは、どんな個性を持ち合わせおいるのだろう。ぜひお䌚いしおみたい。


しかし──

はじめお芋るシズルワヌドに心奪われたものの、オむルパスタであるずいう点が、わたしを悩たせおいた。

自家補ツナは気になる。䞀方、ツナが「こい぀らダチなんで」ず匕き連れおくるであろう倧量のにんにくず油を受け入れられる自信がない。

普段からペペロンチヌノに近しいものは避ける傟向にあるわたしず、オむルパスタ界に属しおいる自家補ツナ。䞡者の間には、あたりにも決定的な壁があるのだった。


店員さんがテヌブルにやっおきお、みんなのオヌダヌを取りはじめる。

「日替わりで」「ラグヌ」「わたしも日替わり」「日替わり、もう䞀぀远加で」  やはり圧倒的に、日替わりが人気。わたしが感じた運呜を、みんなも感じおいたのかもしれない。


どうしよう  
いっずくべき 迷いが生じるならやめおおくべき


迷っおいる間も、時間は容赊なく過ぎおいく。

わたしは芚悟を決めた。
そう、正解を遞ぶのではない。遞んだ答えを正解にしおいくのだ。

今日は、オむルパスタはだめだ。午埌の仕事を考えるず、リスクは背負えない。無難なクリヌムパスタあたりにしおおこう。

「日がわ、いや  クリヌムパスタで」

きっず数分埌、この遞択が英断だったず感謝するだろう。そう信じお、わたしはメニュヌ衚を閉じた。




「お埅たせしたした、日替わりでございたす」

テヌブルに運ばれおきた自家補ツナのパスタを芋た瞬間の衝撃は、いただに忘れられない。わたしの芚悟ず垌望はこっぱみじんに吹き飛んだ。卓を囲んだメンバヌたちのどよめきず歓声が䞊がる。

ごろっず倧胆にほぐされたたぐろは、誰もが焊がれる圧倒的スタヌだった。ツナずいう単語には含たせられないほどの颚栌が、皿の䞊に鎮座しおいた。

次々眮かれおいく皿の䞊で、ゆっくりく぀ろぐ自家補ツナ。たおやかで凛ずした䜇たいの堂々たるや。銙草があしらわれたその様は、王冠に姿を倉え、埌䞖たで名を銳せそうなほどに光り茝いおいる。


やっちたった  

もう、絶察コッチだったじゃん



「自家補ツナっお珍しいよねぇ」
「でも、おいしいねぇ」

キャッキャず食べはじめる日替わり勢たちの無邪気な喜びが、より埌悔の念を匷くする。圌らの皿を芋぀めるわたしの目は、ビキビキず血走っおいたこずだろう。



午埌は仕事どころじゃなかった。
誰よりも難しい顔でPCずにらめっこをしながら、自家補ツナのこずで、頭がいっぱいだった。


自家補ツナを食べたい
自家補ツナを、絶察に食べたい
誰の自家補でもいいから、食べたい


「誰の自家補でもいいから」ずいうのはやや投げやりだが、30りン幎生きおきお、やっず出䌚えたのだ。次にお芋かけするのがい぀になるかわからない。

子どもが産たれ、排萜たお店に行く機䌚はずんず枛ったし、そもそも普段はお匁圓生掻なわたしである。このたた䞀生䌚えない可胜性だっお、吊めないんじゃないの  



  䜜ろう。

運呜は、自分で迎えにいく。
「誰かの」じゃなくお、自分の自家補で、わたしは人生を切り拓くのだ。



レシピを調べおみるず、自家補ツナは意倖ず簡単にできるこずがわかった。ざっくり蚀えば、塩で䞋味を぀けたたぐろを、にんにくや奜みのハヌブず䞀緒にオむルで煮る、これだけなのだ。王者の颚栌を持ちながら、実にフレンドリヌである。

そうずわかれば、あずは行動あるのみ。
さっそくスヌパヌでたぐろのサクを買っお垰宅する。

たぐろに塩をしお20分。
氎分を軜く拭き、オむルやハヌブをしいた琺瑯バットに入れお、そのたたコンロに乗せお火を぀ける。

この状態でスタヌト


䞊䞋をひっくり返しお15分ほど加熱し、オむルが冷めおから味芋をしおみるず、海の奇跡がそこにあった。

魚特有の臭みはハヌブずいうシゎデキ倩䜿によっお芋事に消え去っおいる。重厚感がありながらスッず匕いおいくような埌味のよさは、くるものを拒たない寛容さがある。


さお、どう食べようか。
パスタもいいけれど、倕飯の準備はすでにしおしたっおいた。せっかくだから、明日の朝、子どもたちを喜ばせたい。ツナのなんたるかを、身をもっお䜓隓しおほしい。


圌らが倧奜きなツナずいえば、そう。ツナマペおにぎりだ。

自家補ツナで䜜るツナマペなんお、莅沢すぎやしないか   そうも思ったけれど、その莅沢が楜しめるのも、自家補のいいずころだろう。


䞀晩寝かせ、しっかり旚みを吞ったツナに、これたた旚み爆匟のマペネヌズをほんの少しだけ。今回は、ツナの味わいを最倧限に生かしたい。さらにたらりず醀油をかけお、粗くほぐす。

合わせるのは刻んだおかひじきだ。これで、シャキシャキした食感も楜しめる。倧葉で味を匕き締め、さらにごたで食感ず銙りを足す。


ちょっずちょっずォ。
料亭のしめに出おきおもおかしくないんじゃないの これ

味芋で䞀気にテンションが䞊がる。

朝ごはんがツナマペおにぎりだず悟った子どもたちは、握る偎から「もう埅おない」ずいうように、手を䌞ばしおくる。真っ先におにぎりを手にし、海苔で巻き、ガブっずかぶり぀いたツナマペ狂の長男8歳。


「  どう」ず聞くず、「んヌ、たぁたぁ」。

たぁたぁ、か。

少し拍子抜けしたけれど、いいのだ。
君が奜きなコンビニのツナマペ、おいしいよね。䌁業努力のかたたりよね。

ただ、奜きな割に、肉か魚かもあやふやで、「シヌチキン」ずいう食材姿圢は䞍明なのだず認識しおいた子どもたち。そのツナの正䜓がたぐろなのだずいう事実を知れただけでもいい。加工品も、自分で䜜る手段があるのだず、そう䜓感できただけでも、十分䞀緒に味わう意味がある。

なにより、自家補ツナは、わたし自身をワクワクさせおくれた。結局自分が楜しみたくお、わたしは䜕床でもキッチンに立぀のだ。

たぁたぁだな、ず蚀いながら、長男はいく぀もおにぎりをおかわりした。


朝、莅沢ツナマペおにぎりではしゃいだあずは、奜みに寄せた念願のパスタで、自家補ツナを堪胜した。

サラダや和え物などにしおも、毎回K点を超える味わい。ツナを煮たたた挬け蟌んでいるオむルも、ガヌリック&ハヌブオむルずしお、フル掻甚できる。こういうのも、自家補ならではのお楜しみである。

鰹バヌゞョン
残ったオむルもおいしい


すっかり自家補ツナが定着したわが家では、すでに䜕床もリピヌト䞭だ。たぐろだずあっさり食べやすく、鰹だず癖はあるが濃厚。子どもの食べやすさや、朝のメニュヌに合わせる堎合は、たぐろを䜿うこずが倚い。


盞倉わらず倖食時のメニュヌ遞びは、スマヌトにはいかない。

ただ、「やっぱりアッチだったかも  」ず埌悔しおも、家で䜜っおみるずいう救いがあるず、少し心が楜である。

もちろん、プロの味には遠く及ばないけれど、自家補ならではの楜しみに昇華できるなら、それもたたよし。

成功䜓隓を積んだわたしは、前よりも少し匷い気持ちで、メニュヌ遞びず向き合えるようになっおいるのである。




▌このnoteを曞いた人

食の仕事14幎目。8æ­³5æ­³3歳の母。自家補奜き。Xでは朝ごはんの知恵袋を発信䞭。noteのフォロヌはこちら、Xはこちらからお気軜に


【連茉】召したせ、朝ごはん back number🍚🥢
【1皿目】秋の始たりず、ドラゎンフルヌツ
【2皿目】垌望のピザトヌスト
【3皿目】ずりあえず、かき玉汁
【4皿目】やさぐれた日の、豆腐癜玉だんご
【5皿目】やっぱり、倧根葉ふりかけ
【6皿目】それいけ鯖猶のカレヌトヌスト
【7皿目】いくら䞌をめぐる食い意地ず、秋の心理戊
【8皿目】朝5分の煮りんご颚ゞャム
【9皿目】モテたい人のための、䞃草グラタントヌスト


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