【26-27ラ・リーガ:マラガ戦雑感】ベリンガムの躍動と右サイドの流動性。快勝劇で見えたモウリーニョ体制の「手応えと伸び代」
こんにちは、おせんどうです。
26-27シーズン、ラ・リーガ第3節。ホームのサンティアゴ・ベルナベウにマラガを迎えた一戦。 結果は前半だけで3点を奪い、フルタイムで4-0の快勝。スタメンを見たときには「カマビンガとバルベルデのダブルボランチでどうビルドアップするのか?」と少し身構えていましたが、蓋を開けてみれば、良い意味で予想を裏切られる前半のパフォーマンスでした。
今回は、この快勝劇の中に見えた今のマドリーの「強さ(手応え)」と、これから先の強豪との試合に向かう上で見過ごせない「課題(伸び代)」について、いちファンの目線で振り返ってみたいと思います。

【試合結果】
レアル・マドリー 4 - 0 マラガ
【得点者】
レアル・マドリー:
ベリンガム 19'
オウンゴール 26'
エンバペ 30'
ギュレル 91'
【選手交代(マドリー)】
64' OUT:ブラヒム / IN:ディオマンデ
77' OUT:バルベルデ / IN:ベルナルド
87' OUT:ベリンガム / IN:ギュレル
【手応え】解放されたベリンガムと、厚みを生む「右サイド」
この試合、まず目を引いたのは、「うわっ」と思わず声が出るほどのアタッカー陣の躍動です。
先制点が生まれた19分。エンバペが単独で突っかけ、最後に相手に引っ掛けられたこぼれ球を拾ったベリンガム。ミドルシュートをちらつかせながら相手をズラし、手を使ってマーカーを押さえつつ、顔と体をゴールに向けたままエリア内へ侵入。最後は角度がないながらも股抜きシュートを冷静に沈めるという、彼の体の大きさと推進力、そしてフィニッシュワークの総合力が凝縮された圧巻のゴールでした。
ベリンガムがここまで高い位置で決定的な仕事ができているのは、モウリーニョ監督の発言の通り「サイドバックのような守備タスクから解放する」としたことが大きいのでしょう。彼を2列目のトップ下に据え、自由を与えてプレーさせれば、バロンドール級の数字を残すポテンシャルがあることは、マドリディスタとイングランドサポーターなら誰もが知っています。昨シーズンはチーム事情でそれが難しかったわけですが、万全のコンディションでスケールアップしたベリンガムは、まさにアンストッパブル。
2点目はオウンゴールの記録になりましたが実質ベリンガムのゴールで、こぼれに詰める彼の良さがまたしても発揮されたシーン。この試合では他にも際どいシュートを何本も打っており、それでいて守備にも走っています。これで23歳。末恐ろしさすら感じます。
そして、現在のマドリーの攻撃に厚みをもたらしているのが右サイドの選択肢の多さです。 相手がハイプレスではなく、基本は4-4のブロックを敷いていたことで、大外で比較的時間を持てたトレント。そして、中に入り、エンバペと近い距離、かつ狭いライン間でボールを引き出せるブラヒム・ディアス。 30分の3点目のシーンはまさに象徴的でした。ブロックの外でカマビンガが前を向きボールを持った際、ブラヒムが引き取りに動き相手を引きつけ、一つ飛ばしたエンバペに縦に差し込むボールを演出。そのエンバペは一回トレントに預けて動き直してエリア内へ飛び込み、トレントのするどい高速クロスをダイレクトボレーで沈める。各タレントの持ち味が噛み合った、美しい一撃でした。
今のマドリーの右サイドは、ブラヒム、ギュレル、ディオマンデ、さらにはエンドリッキなど、相手に合わせてカードを切り分けられます。ベルナルドやバルベルデも一応右で使えるので、ここは非常に選択肢が豊富で、途中交代で変化をつけることもできます。この右の柔軟性が、昨シーズンまでの攻撃の停滞感を打破するカギになるのではと、期待感がありますね。
【伸び代】左サイドのもどかしさ
一方で、手放しで喜べないポイントがあるのも事実。それは「左サイドの守備とテンポの停滞」です。
モウリーニョ体制になり、ビニシウスも彼なりに守備への意識は高まっているように見えます。しかし、あくまで「ビニシウス比」であり、相手最終ラインにプレッシャーを掛けに走りはするものの、一度外された後にブロック形成へ戻る動き、プレスバックはまだノロノロとしているのが実情。
そして攻撃面でも、守備にパワーを取られているのか、味方と絡もうと少し考えすぎているのか、彼のところでボールのテンポが落ちるシーンが見受けられました。ブラジルからマドリーにやってきて、常に自分のリズムで仕掛けてノッていくプレースタイルで生きてきた彼にとって、今の連動性を求めるスタイルにはまだアジャストしきれていないのかもしれません。中央~右が少し変わってきただけに、試合を通してみるとちょいと気になってしまいます。
このエンバペが絶対的な活躍を見せてチームが勝っている間は(繰り返しますが従来比で)守備意識を高めているビニシウスから不満も出ないでしょうが、結果が出ない時期が来ると「なぜ自分だけ守備タスクを追ってるんだ」となってしまうかも。少し不安です。
実際、スコアでは圧倒しているものの前線からのプレッシングを落ち着いて剥がされるシーンはありましたし、シュートは15本ほど打たれています。「この中盤の強度と守備システムで、CLクラスの強豪相手にも通用するのか?」については、まだ未知数と言わざるを得ません。
結び:焼け野原か、資産か。真の試金石となるこれからの戦い
第1次政権時と比べ、モウリーニョ監督自身も色々と変化しているはず。まだまだ見えてきませんが、彼に与えられた使命は「昨シーズンまでのマドリーを一度壊し、再構築すること」。
だからこそ、私が彼に望むのは、退任した後に「焼け野原」にするのではなく、組織的な守備構築という確かな「資産」をクラブに残してほしいということです。
マラガ戦の快勝は、その第一歩としては素晴らしいものでした。 しかし、本当の戦いはこれから。次節のベティス戦、そしてCLでのインテルやアーセナルといったポッド1の強豪との戦いが、今のマドリーにとって真の試金石となります。
シャビ・アロンソ体制も、開幕1ヶ月は無敗でした。浮かれることなく、冷静に。それでも、この右サイドのワクワク感、好調のエンバペにベリンガムの無双ぶり、さらに新戦力も真価を発揮するのはまだまだこれからのはず、、なんだかんだ言っても、期待せずにはいられません。
まずは次節、ベティス戦。この勢いのまま、さらに弾みをつけてくれることを願っています。
Hala Madrid!

