『都市計画区域』~20世紀過密日本の実像~

21世紀、近年の日本では『人口減少社会』が到来していますが、
それは八〇年代や九〇年代の『過密』状態を前提に展開してきた、従来の都市政策に、大きな変革を迫る事態となっています。
個人的には、最近法律の国家資格を学習する中で、20世紀日本を形成した法体系に触れ、現代社会の時代考察にも大きく進展がありました。

現代日本の自由主義・民主主義の国家運営は、なんら『違法』でもなければ、むろん『違憲』でもないはずです。
しかし、その幸福度合いにおいて、昨今の日本社会はかつてなく『世紀末』色を強めつつあります。

あらゆる手続きの『デジタル完結』、自動運転やセルフレジの進展という人工知能による『デジタル淘汰』は、このままでは人間を、文明の表舞台から消し去ることが懸念され得ます。

⇧「お間違えのないように」1970年万博会場の公園、勘違い来場者多数で注意喚起 - 産経ニュース
ところで、『人類の進歩と調和』を掲げ開催された1970年大阪万博は、平和と繁栄における『戦後日本の頂点』であるがゆえに、そこから日本経済は転落をし続け、今に至ります。
栄光の頂上はある意味で、『転落の時代の開始点』でもあるのです。このことはあまり言及されてこなかった気がします。
※1969年月面着陸 70年大阪万博
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71年ニクソン[ドル]ショック
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73年変動相場制 85年プラザ合意
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89年冷戦終結 90年IT革命
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91年バブル崩壊 平成不況開始


世界中の戦乱、相次ぐ天変地異、観測史上最高の41.8℃を記録した戦後二度目の大阪万博は、戦後の谷底だとすれば、
これから日本経済は上昇してゆくのみで、『上昇の時代の開始点』だと捉えることもできると思います。


▢法律と都市

今年、法律の国家資格を取ることになり、まず最も著名な宅建士の書籍を入手し、その後ほかの士業のものに変更しました。
『宅建』は、全国の不動産を扱える職業ですが、営業職の特徴があり(主観含む)、現在は他の資格取得を目指していますが、
その学習を通して得るものは多く、特に1980年代の都市景観に代表される戦後日本社会を形作った
『都市計画法』は大変興味深く、自身の知的枠組みを大幅にリニューアルする運びとなりました。

日本では『都市計画区域』に『市街化区域』を定め、そこに住宅地・商業地・工業地の『用途地域』に合わせた都市を建設していきますが、
『都市計画区域』は、国土のうち、25%しかありません。
ここで
日本の75%は森林 という、義務教育以来の事実が登場します。

『都市計画区域』の25%とは、そのまま『平野』部と重なります。
日本はその少ない都市計画区域に人口の90%程が住む、超過密社会なのです。

⇧📄都市計画法(昭和四十三年法律第百号)


私が『都市計画法』を学ぶ中で思い出したのは、とある父親との会話でした。
父親が他界する3年前、平成三十一年の十二月初旬に長崎の福江島へ、車で帰省したとき、

『中国自動車道』🚗
こういうのが、試験で出るんやな❕🍞
と、筆者のバブル化身父親が話したとき、
助手席に座る私は当時 『出てくるのは工業地帯とかで、高速道路は出ぇへんやろ❕』と思いましたが、口には出しませんでした。
父親は学問に無縁な自由人でしたが、思うに(偏見を含みますが)学問が得意なほど、幸福度は低く、精神的不調と相関があるような気がします。

🍞生涯パン店の経営を貫いた父が想い描く『日本地図』においては、
おそらく大阪の上に岡山があり、あるいは名古屋の南にぼんやりと千葉があったりするのかもしれません。
父の持つ地図に存在する都道府県は、おそらく自分よりも、かたちも、大きさも、位置関係もあやふやで、
そこでは世界は、どこまでも果てしなく広がっていて、
魅惑的で、まばゆく輝き、退屈を知らない場所です。

🥐一方、私の中では日本地図は詳細ですが、わかったつもりでいる(と思いこんだ)分、未知数なことも、昔より少なくなった気がしています。
学問を重ねるたびに、世界は窮屈、矮小になる面もあるのです。
🥖ただ、極めて抽象的な概念を扱う、都市計画法の包含するスケールの大きさ、80年代や90年代、すなわち昭和後期・平成初期の時代のことを学ぶと、
自分のなかで目の前に広がる街並みが、そして『未来社会』が、
例えば幼年期にみた世界の様に、広がる感覚が生まれて来たのでした。
『市街化区域』、『用途地域』といった法律用語は、自分をそういう父親が生きた、二十世紀日本の夜の世界へ、いざなったのでした。






▢『過密日本』20世紀のみが生息圏だった父親

『都市計画法』という概念との遭遇が、父の運転する深夜の中国自動車道を想い起こさせたのと同時に、
私は保育園で読んだ 昭和日本の名作『おしいれのぼうけん』という絵本に出てくる高速道路の情景をも思い出したのでした。



今回法律を学んで世界が広がったように感じたのは、
おそらく 都市の建築の根底にあり、その思考的な万能性を有する『民法』や『都市計画法』、『建築基準法』の抽象的な概念が、
大人になり硬直してしまった自分の頭の回路のなかに作用して、

やわらかな幼年期のような脳内の状態を、一時的にも作り出したことが原因であると思います。


また、保育園で絵本を読んでいた頃より昔、親戚の家でガソリンスタンドのトミカで遊んでいた記憶も一緒に想起されましたが、
その現実の都市を抽象的に表現した模型、『ジオラマ』もまた、
人の脳の、認識する世界に与える柔軟さに関連したもの であるため、大人を含めた人の注意を引き付けるのだと思います。


『法律』、『絵本』 『ジオラマ』

対象年齢や使用目的は違えど、いずれもスケールの大きな、壮大なイメージを抱かせるものですが、それらは二〇世紀の『過密』日本を前提としている点が、共通していると思います。
そして、政治、経済、文化、社会… どの分野の、どんな統計資料を参照しても、2005年頃にデジタル資本主義は頭打ちにあり、
一九八〇年代頃の日本経済が健全な状態で、携帯電話やインターネットのない そのころの日本社会こそが、専ら人間存在に適した『生息区域』であると、考えられます。
それはなにも、バブル化身父親に限定した話ではないと思います。

◆改めて、平成最後の年の、バブル化身父親の長崎への高速道路旅について
ところで、さきほど小中学校の社会科の試験で『中国自動車道』は試験に出てこない という内容がありましたが、
出てくるのは『中国山地』
そして『太平洋ベルト』や、『京浜工業地帯』のような類の言葉ですね。


私が田舎の長崎に帰省するとき通った中国自動車道は、『阪神工業地帯』、『瀬戸内工業地域』、『北九州工業地帯』を通る高速道路です。
大阪から長崎港へは10時間ほどかかりました。

日本の工業地帯 ~太平洋ベルト~ | NHK for School

平成最後の年に、10年ぶりに再開した父親とは、関西一円をドライブして周った。尚、親の運転する車に搭乗したのは、幼年期を除けば最初で最後の経験であった。

そのハイライトはなんといっても、
先ほどから書いている父親の生まれ故郷・五島列島への、中国自動車道の旅であった


父親が運転する車内では、森高千里やドリフターズが延々と流れ、たばこの煙が充満し、それは今思うと
さながら自分が無意識の内にあった、1990年代のバブル期日本の追体験のようであった。

▢21世紀の現実

◆強まる世紀末の色合い 止まらぬ『東京一極集中』と人口減少


大阪ベイエリアの、万博後のさらなる開発を期待します。

打って変わって現代の日本では、記事の冒頭でも触れたように、人口減少社会が加速しています。


日本の総人口約1億2433万人 55万人減少【都道府県別データも】東京は増加 最多は中央区 | NHK | 少子化

前の年と比べて人口が増えたのは東京都と千葉県でほかの45の道府県は減少しました。
東京一極集中はますます加速しているように思います。

今回初めて、外国人の方の移住がこれほど増えていることを知りました(新紙幣のデザインは海外の方向けに刷新されたことは有名です)。
世界一と称されてきた、日本社会の治安さえ維持されれば異論はないのですが、何か改めて、経済成長至上主義の限界を認めざるを得ない、近頃です。
『平成不況からの脱却』という話題が今なお平然と、延々続く地上デジタル報道のおかしさ、きわめてその深刻度合いを増しています。

◆唯一の『大きな物語』
人工知能は日々進化し、それが人々の労働を代替し、社会を分断・不安定化させる『デジタル淘汰』に歯止めがかからない現代日本ですが、

思うに 21世紀唯一の『大きな物語』が、
最近、ここ大阪に存在したことに、ふと思い当たりました。
※『大きな物語』とは、1989年の冷戦終結までの世界を指す歴史用語で、1990年のIT革命以後のデジタル化・グローバル化の世界と対を為す表現である。
🐱代表的な具体例
『黒船来航』1853年
『大正デモクラシー』~1926年
『第二次大戦』~1945年
『月面着陸』1969年
『大阪万博』1970年
『プラザ合意』1985年
『バブル経済』1986年~

…こう考えると、奈良の大仏、元寇、応仁の乱、火縄銃伝来、鎖国、富岡製糸場、軍艦島、原爆ドームなど、小学校では専ら、日本の『大きな物語』が教えられていたんだ、と思います。

より良い『未来社会』のため、デジタル化で混迷する国の地方自治の在り方を変える、大規模な制度の改定作業、
この意味において『大阪都構想』は、
21世紀で唯一の、昭和・平成型の社会現象 と言えるのではないでしょうか?(主観によります。)
賛成派・反対派ほぼ半数ずつで、2回あった住民投票はどちらも否決に終わりましたが、
この記事の執筆中に、3度目の大阪都構想の再挑戦についてのニュースを初めて見ました。
吉村氏は以前、『都構想に再挑戦することはない』と言っていたので驚きましたが、今後どう展開するのでしょうか。
大阪市民の筆者としては、バブル期の大阪のような都市計画を一刻も早く期待したいです。

◆文明の海底における大阪万博



そして今回の『大阪・関西万博』では、
私は会場を形成する『大屋根リング』に、20世紀に在りし『大きな物語』を感じたのでした。

以前の記事にも書きましたが、そもそも『デジタル技術』のための万博なら、
本来は家でリモート観戦、『テレワーク』参加でいいはずです。

しかし、そうはなっていませんでした。
世界最大の木造建築で囲まれた区域に世界各国のパビリオンを建設し、猛暑のなか そこにわざわざ足を運んで入場料を払って、様々な体験をする。


これは、人工知能等のデジタル技術開発の流れに逆行する事態であるとさえ言えるのかもしれません。

そして、万博最大の目玉は落合氏の手掛けたパビリオン『null²』ですが、『null ヌル』とはプログラミング用語で、
何もない状態、『無』を指すそうです。

『デジタル技術』は、人間の営為にとって、そしてアナログの有形財が紡ぐ世界にとり
『無』そのものですが、パビリオン『null²』がそのことを指しているのかは分かりません。
落合氏は人工知能開発の最前線に位置する一人であり、
なにせ公式ホームページも難解な説明で、多分に哲学的な内容ですが、それが万博会場の真ん中にあることは重大な意味を持つと思います。

null²のコンセプトと背景
null(ヌル)とは、もともとコンピュータプログラミングで「値がない」状態を意味します。本パビリオン「null²」は、この「何もない」状態を「新しい価値が生まれる可能性の場」と捉え直し、物質と情報、リアルとバーチャルの間で新しい生命観を提唱する空間です。
◆憲法・法律が『妥当』なら、何が変わるべきか❔


東海道五十三次に続く京街道筋
大阪の「京橋」から、「伏見」をへて京都に達する道を「京街道」と呼びます。旭区内には京街道をはじめ、野崎街道・杉山街道・剣街道の各旧街道が通っていました。
京街道は大阪から京都へ通じる古くからの主要交通路であり、千林はこの街道沿いに発達した集落です。
大阪では日本一の長さを誇る『天神橋筋商店街』が有名ですが、個人的には地元に近い『千林商店街』に最も親近感を覚えます。
古来の『京街道』に位置し、その歴史的背景は深く、周辺の建造物は文化財としても重要な価値があります。
大阪の街の歴史は京都に近い分重厚で、それこそ豊臣期に遡れるものもざらにありますが、現代の街並みにあまり活かされていない印象です。
また、昭和期の話題では、いまは『グルメシティ』のみの展開ですが、かの『ダイエー』創業の地でもあります。
かつてダイエー1号店の千林駅前店が出店していた「ダイエー1号店の地」としても知られる。
日本で最初のスーパーマーケットと言われるダイエー(発祥は兵庫県)は、1957年に「主婦の店・ダイエー薬局」として商店街の東端、京阪電車の千林駅前で開店した。これがのちのダイエー千林駅前店(店番号0011)である。

日本全土でチェーン店やショッピングモールの拡大で、昭和の街並みが消えつつありますが、
個人店の軒を連ねる旧型の『商店街』は、
私自身、普段あまり消費、貢献をしていないので大したことは言えませんが、『未来社会』における重要な要素であり続ける気がします。


商店街という建築方法は、アーケードの屋根がある分、環境は屋内に近いと思います。そのため気候などの条件も比較的穏やかで、昭和の街並みも色濃く保存されている印象です。
そのため『商店街』はひとつ未来社会におけるキーワードになりそうな気がします。

▢野球関連の話題⚾🐶

最近のプロ野球の話題では、ついに『DH制』がセ・リーグで導入されることが決まり、話題になっています。

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20250804/k10014884201000.html
『指名打者制』とは、投手が打席に立たず、代わりに守備機会のない、打席専門の選手を置く制度ですが、
メジャーリーグには投手でありながら、3年連続でホームラン王を狙える選手がいます。

やはり『大谷大谷大谷大谷…』は今年も健在で、ついにドジャース大谷🐶⚾においても、投打二刀流が本格化しました。
徐々に先発ピッチャーとしてのイニング数も増やし(先発投手が実戦でイニング数を増やしていくのは聞いたことがない)、
この間は5試合連発、
8月7日時点で本塁打39本を記録しています。
今後二度と現れないかもしれない、唯一無二の異才、1日でも長い投打二刀流での活躍を期待します。

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20250728/k10014874031000.html
今年のセ・リーグは、阪神が8月2日までチーム防御率が1点台🐯❕という異常事態。投高打低で、3割バッターが一人もいません。


🌸『2025大阪・関西万博』参戦記です。よければお読みください❕
