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もう、自分を下げなくていい

美咲のひとりごと

今では主任をしている美咲にも、新人の頃があった。

あの頃の私は、とにかく必死やった。

仕事を覚えるのも遅かったし、先輩に聞くタイミングさえ分からない。

「こんなこと聞いたら、そんなことも知らんのって思われるかな」

そんなことばかり考えていた。

ある日、先輩に仕事を褒めてもらった。

「美咲ちゃん、最近ほんまに頑張ってるね」

嬉しかった。

めちゃくちゃ嬉しかった。

でも、口から出たのは、

「いやいや、全然ですよ。私なんてまだまだです」

という言葉だった。

先輩は笑いながら、

「また自分下げてるやん」

と言った。

「え?」

「褒められたんやから、ありがとうでええねんで」

その言葉が、なぜか心に残った。

私はそれまで、謙遜することがいいことやと思っていた。

「そんなことないです」

「私なんて全然です」

そう言っておけば、嫌味に聞こえない。

偉そうにも見えない。

そう思っていた。

でも、家に帰ってからふと考えた。

「私、なんでそんなに自分を小さくしてるんやろ」

失敗した日は、自分を責める。

うまくできた日は、「たまたま」と片づける。

誰かに認めてもらっても、自分で打ち消してしまう。

これじゃあ、頑張ってきた自分がちょっとかわいそうやな。

そう思った。

もちろん、何でもできるわけじゃない。

今だって失敗することはある。

でも、

できたことまで「大したことない」と言わなくてもいい。

頑張ったことまで「たまたま」と片づけなくてもいい。

「今日、よくやったな」

そう思えるだけでも十分や。

新人の頃の私は、何かあるたびに自分を下げていた。

でも今なら、あの頃の自分に言ってあげたい。

「そんなに小さくならんでええよ」

「分からんことは、分からんでええ」

「失敗しても、それであなたの価値がなくなるわけちゃうから」

そして、

「褒めてもらったら、素直にありがとうって言ってええねんで」

って。

今、主任になった美咲は、後輩が「私なんて」と言うたびに、

「いやいや、そんなこと言わんでええよ」

と笑って声をかける。

昔の自分を見ているような気がするから。

人は、自分のことになると厳しくなってしまう。

できなかったことはよく覚えているのに、

できたことは、すぐ忘れてしまう。

でもな。

あなたが今日頑張ったことは、

誰かと比べなくても、ちゃんとあなたのものやで。

自分を大きく見せなくてもいい。

誰かより上にならなくてもいい。

ただ、自分を必要以上に下げなくてもいい。

「今日もよう頑張ったな」

たまには自分に、そう言ってあげてもええんちゃうかな。

あなたは最近、

「私なんて」と自分を小さくしていませんか?

今日は少しだけ、自分の頑張りを認めてあげませんか。

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