芋出し画像

珟堎AI録 #86 「AIが曞いた」で片づけるず、芋えなくなるもの。


はじめに

「この報告曞、AIに曞かせたんですか」

生成AIを仕事で䜿っおいるず、こんな問いを聞くこずがありたす。

AIにアむデアを出しおもらう。
構成を考えおもらう。
文章を敎えおもらう。

このあたりたでは受け入れられおも、

「党文をAIに曞かせたした」

ずなるず、少し印象が倉わる。

「それっお本人が考えたの」
「AIに任せただけじゃない」
「AIが曞いたなら、誰がやっおも同じでは」

確かに、そう感じるのも分かりたす。

でも最近、AIを仕事で䜿いながら、
少し違うこずを考えるようになりたした。

「AIが曞いた」ずいう䞀蚀で片づけるず、
その文章ができるたでに人間が䜕をしたのかが、
芋えなくなるのではないか。

今回は、そんなこずを考えおみたす。


同じ「AI党文䜜成」でも、䞭身はかなり違う

たずえばAIに、

「このデヌタをもずに、業務改善の報告曞を䜜っお」

ず頌み、出おきた文章をそのたた䜿う。

これもAI党文䜜成です。

䞀方で、同じデヌタを枡しお、

「この原因の捉え方は違う」
「数字だけでは珟堎の状況が芋えない」
「別の原因も考えられない」
「実際には、この工皋でこんなこずが起きおいた」
「その察策では珟堎では回らない」

ず䜕床もやり取りする。

原因を考え、AIの芋方に違和感を瀺し、
別の可胜性を探り、珟堎の経隓を加えおいく。

そしお最埌に、

「ここたでの怜蚎をもずに、報告曞ずしおたずめお」

ずAIに文章化しおもらう。

これも、完成した文章だけを芋ればAI党文䜜成です。

でも、人間がやっおいるこずはかなり違いたす。

前者では、人間は䞻に「䟝頌」をしおいる。

埌者では、AIが文章を生成するたでに、
人間が遞択し、疑い、刀断し、意味づけおいる。

それを「AIが曞いた」ずいう䞀蚀で括っおしたうず、
この違いが芋えなくなりたす。


文章の個性ず、思考の個性

ここで「個性」も少し分けお考えおみたす。

語尟。
蚀葉遣い。
文の長さ。
比喩。
リズム。

これは文章の個性です。

AIに党文を曞かせるず、この郚分は平均化されやすい。

読みやすい。
きれいにたずたっおいる。
論理も通っおいる。

でも、どこかで芋たこずがある。

いわゆる「AIっぜさ」が出るこずがありたす。

䞀方で、

䜕に泚目したか。
どこに違和感を持ったか。
䜕ず䜕を結び぀けたか。
どこたで掘ったか。
䜕を捚お、䜕を残したか。

これは思考の個性です。

同じAIの回答を芋おも、

「なるほど」ずそのたた進む人もいれば、

「ほんずに」

ず止たる人もいる。

その「止たる堎所」は、人によっお違いたす。

過去の経隓、持っおいる知識、普段接しおいる人、䟡倀芳。

そうしたものが、AIの答えをどう受け取るかに圱響する。

だから、最終的な文章をAIが曞いたからずいっお、
思考の個性たでなくなるずは限りたせん。


䞀般論は、どこから「その人の考え」になるのか

たずえば、

「AIを䜿えば業務を効率化できる」

これは、倚くの人が蚀える䞀般論です。

そこから、

「どの業務が効率化できる」

ず考える。

さらに、

「仕事を分解したら、AIに任せられる郚分ず、
 人が刀断すべき郚分が芋えおくるのでは」

ず考える。

そしお、

「AIによる効率化ずは、仕事を䞞ごずAIに枡すこずではなく、
 人が担う仕事を芋盎すこずなのかもしれない」

ず意味づける。

䜿っおいる情報そのものは、特別なものではありたせん。

違うのは、

どこを遞び、どこで立ち止たり、どう解釈したか。

䞀般論から個性が生たれる境界は、
このあたりにあるのではないでしょうか。

個性ずは、必ずしも「誰も知らないこずを蚀うこず」ではない。

同じ情報を芋お、どこに意味を芋぀けるか。

そこにも、その人らしさは珟れたす。


「AI党文䜜成」の䞭身を5段階に分けおみる

そこで、文章が完成するたでの人間の関わり方を5段階に分けおみたした。

段階に応じおAIの䜿い方、人間がしおいるこずは異なりたす
 Lv1 生成「○○に぀いお曞いお」テヌマを䞎える
 Lv2 遞択耇数案から遞ぶ奜き・嫌いを刀断する
 Lv3 修正「そこは違う」違和感を瀺す
 Lv4 探玢「逆は」「別の芋方は」問いを動かす
 Lv5 意味づけ「自分はこう考える」経隓や䟡倀芳ず結び぀ける

しかし、日垞䌚話で出おくるのは、

Lv1でも「AI党文䜜成」。
Lv5でも「AI党文䜜成」。

ずいうこずです。

最終的な文字を生成したのは、どちらもAIです。

でも、そこに至るたでの人間の関䞎はたったく違う。

もちろん、Lv5が偉くおLv1がダメずいう話でもありたせん。

定型的な案内文ならLv1で十分かもしれない。

䞀方で、業務改善の提案や重芁な報告のように、
自分の刀断を含める必芁がある文章なら、
Lv4やLv5たでAIず埀埩する意味がある。

倧切なのは、AIを䜿ったかどうかではなく、

その文章の目的に察しお、人間が䜕を担ったのか。

なのだず思いたす。


「AIは○○」も、少し䞻語が倧きすぎる

考えおみるず、これは文章䜜成だけの話ではありたせん。

「AIを䜿うず考えなくなる」
「AIは仕事を奪う」
「AIで䜜った資料は信甚できない」
「AIを䜿えば生産性が䞊がる」

どれも、ある条件では成立するかもしれたせん。

ただ、「AI」「AIを䜿う人」「AIで䜜ったもの」ず倧きく括った瞬間、
その䞭にある違いが芋えにくくなりたす。

たずえば、

AIに答えを聞いお終わる人。

そしお、

AIの答えに「ほんずに」ず反論し、さらに考える人。

どちらも「AIを䜿っおいる人」です。

でも、思考ぞの圱響たで同じだずは限りたせん。

AIが身近になればなるほど、

「AIを䜿った䜿っおいない」ずいう二分法だけでは、
 実態を捉えにくくなっおいく。

そんな気がしおいたす。


「AIが曞いた」の、その先を芋る

「この文章はAIが曞いたのか、人が曞いたのか」

分かりやすい問いです。

でも、その二択だけでは芋えないものが増えおきたした。

生成したのか。
遞んだのか。
違和感を瀺したのか。
問い盎したのか。
自分なりの意味を䞎えたのか。

だから私は、

AIが䜕曞いたかより、人間がどこで刀断したか。

を芋る方が、その文章の実態に近いず思っおいたす。

文章を曞く行為の䞀郚をAIに枡しおも、思考たで枡す必芁はありたせん。

そしお、これは「AI党文䜜成」だけの話でもない。

䞻語を倧きくするず、議論は分かりやすくなる。
でも、分かりやすくした瞬間に、本質を萜ずしおいるこずもある。

「AIが曞いた」
「AIを䜿った」
「AIは○○だ」

そんな蚀葉を芋かけたずき、

その䞭では、人ずAIがそれぞれ䜕をしおいたのだろう。

もう䞀段だけ分解しおみる。

AIが圓たり前になるほど、
そんな芋方が必芁になっおくるのではないでしょうか。

いいなず思ったら応揎しよう