君たちは、カレーに頼りすぎていないか。
中学に入学した当初、
私たちの学校のお昼は持参したお弁当だった。
しかし、その頃から
「毎日お弁当を作るのは大変」
という保護者の声があったのだろう。
2学期から、市が試験的に市内2校で「お弁当給食」を導入することになり、
そのうちの1校に私の学校が選ばれた。
2学期になり、お弁当給食が始まった。
……が、私は全然嬉しくなかった。
母のお弁当が好きだったからだ。
ご飯は温かいのに、
おかずは一つの弁当箱に冷たいまま詰められて運ばれてくる。
正直、あまり美味しいとは思えなかった。
周囲の評判も、きっと良くなかったのだろう。
そこで市は考えた。
職員A:給食がたくさん残っていますね……
職員B:子どもたちに不人気のようです……
職員A:このままではまずい。何とか事業を軌道に乗せなければ……
職員C:子どもたちの好きなメニューを取り入れてみては?
職員AB:好きなメニュー?
職員C:カレーとか。
職員AB:それだ!!
【※私の妄想です】
きっと、そんな会議が開かれたのだろう。
ある時から、
ありとあらゆるものにカレー粉がまぶされるようになった。
茹で野菜にもカレー粉。
鯖にもカレー粉。
もやし炒めにもカレー粉。
何だかよく分からない料理にもカレー粉。
カレー粉。
カレー粉。
カレー粉。
もはや『とりあえずカレー粉を振っておけ』という方針だったのではないかと思う。
しかもカレー粉は香りが強い。
お弁当箱全体がほんのりカレー風味に包まれ、
どのおかずを食べても、どこかカレー。
しまいには
普通なら美味しく食べられるはずの
肉の唐揚げのようなものにまでカレー粉がたくさんまぶされている。
隠し味とかではない。
色も風味もカレー粉を使ったとわかるものになった。
最悪である。
しかもその頃、
ご飯は別容器で温かかったのだが、
栄養強化のためだったのだろうか。
白米の中には、
サフランライスのような真っ黄色の粒が混ざっていた。
もちろんカレー味ではない。
ただ黄色いだけである。
……なのに私は、
「またカレーかよ。」
と、その黄色い粒だけを丁寧に取り除いてから給食を食べていた。
完全に条件反射である。
今でもカレーは好きだ。
でも、カレー風味は苦手だ。
だから、もし時が戻せるなら、
私はあの頃の給食担当者に一つだけ伝えたい。
君たちは、カレー(粉)に頼りすぎていないか。
