その手の話
「ヘルパーさん
ちょっと来て!」
何事かと駆けつけると
仏壇に灯る
ロウソクを指差し
「ほら、見て!
お父さん(旦那様)が来てるのよ」
窓が閉まっているのに
大きく揺れる炎
ありえない炎の動き
利用者さまは
怖がるどころか
何か嬉しそう
この利用者さま
翌週のサービスを迎える前に
サービスが終了した
突然の救急搬送だったらしい
あの炎は
本当に
旦那様が迎えに来られたんだなぁと
ひとりで納得
ヘルパーをしていて
不思議な経験をする事が
たまにある
独居なのに
一人ぼっちじゃない感覚
あの世の扉が近い人が感じている
生と死の境目が
紙のように薄い感覚
「変な事を言うけど聞いてくれる?」
そんな前置きをしてから話出す
利用者さまの話は
たいてい
【その手】の話
もちろんヘルパー(私)は
しっかり傾聴
