#31 サハラ砂漠で砂と酒にまみれた話
旅をしていて、社会人の長期休暇(大体1週間~10日くらい)を念頭に置いて、その国の主要な土地をを一通り周遊できるのにちょうどよい旅先はどこだろう?というと、個人的におすすめしたいのは、スリランカとモロッコです。
特にモロッコは、大自然の迫力や、街歩きの冒険感に加え、革製品やランプ、刺繡にグラス、アロガンオイルなど、これまで数十ヶ国を旅してきた僕の中でも屈指のお土産大国でもあり、女性にもおすすめできると思います。




さてそんなモロッコ、僕もかつて夏期休暇をフルに使って行ったことがあります。
僕が訪れた土地は、往年の恋愛映画の名作舞台カサブランカから、イスラム情緒溢れるマラケシュ、砂漠地帯のワルザザートにメルズーガ、大迷路ダンジョンの町フェズ、そして青の町シャウエンを経て再びカサブランカという左回りにぐるっと国土を一周するコースで、幕の内弁当のように色々な経験を積むことができるコースです。現地バスの移動を繰り返すけっこう過酷な旅でしたが、長い旅人生の中でも屈指に楽しかった国でもありました。
長距離バスの途中、山間の休憩地で、電波が途切れるか途切れないかのギリギリのところで同僚に仕事の緊急電話をし、「このあと俺、砂漠だから! 連絡取れないから!」と言って数日間音信不通になったのも懐かしい思い出です。


そしてこの旅のハイライトはどこだったか、というと正直どこも良かったのですが、やはりサハラ砂漠の町、メルズーガを推したい。メルズーガというのは、サハラ砂漠手前の入口にある町というか村というか集落です。
大砂丘として有名な「エルグ・シェビ」の玄関口として有名で、ここから様々な大砂漠ツアーが出ています。


そう、ここから僕たちはラクダで砂漠に突入していくのです。
隊列を組んで、気分はキャラバン。




ドナドナド~ナ~ ド~ナ~♪
いや、牛じゃないか。
もちろん砂上を徒歩で歩いていくのが一番つらいのでしょうが、ラクダはラクダで案外しんどくて、最初は楽しいのですが、1時間も乗っているとおしりがむっちゃ痛くなってきてですね。
「Oh! お尻が4つに割れちゃうよ!!」
という渾身の国際ジョークで失笑を買いました。
日本の地位が下がった気がする。

砂漠をずっと行った先にはこんなテントハウスが立っており、ここで一晩を明かすのです。
最高だと思いませんか??
そして、ラクダを先導してくれる現地の「ベルベル人」の皆さんがタジン鍋を作ってくれます。これまでレストランで食べてきた美味しかったタジンと比べて若干見た目の悪いタジンではありましたが、やはり若干まずかったです。



夜は星空の下、同じチームのイギリス人旅行者たちがワインボトルをがっつり持ち込んでくれていて、酒盛り宴会。やはり酒は国境を越えますね。各国の旅行者もベロベロになって、そしてベルベル人もベロベロになって……と満を持して言いたいところですが、彼らはイスラム教徒なので飲めません。

「砂漠で飲む赤ワインは格別」
こう言ったのは沢木耕太郎さんですが、その言葉に偽りはなく、最高にうまい嘘ですそんなこと言っていません。
そして酔った勢いでテントからマットと毛布をひっぱり出してきて。
「みんなで月を見ながら寝るべー!」って言って。
実はサソリや蛇の脅威にさらされていたのですが、酒の力というのは恐ろしいもので、「まぁ大丈夫だべ!」と言って寝ていました。全然大丈夫じゃありません。

しかし……なんというか、非現実ですよね。
それがたまらない。
だって、ここ、サハラ砂漠ですよ?
地元の海岸で寝っころがるのとは訳が違う。
サハラ砂漠で世界各国の旅行者と星空の下マットを並べて寝る。
こんな素敵なこと、普通は無いじゃないですか。

最高の夜でした。
たとえ翌朝砂まみれになって最悪の気分で起きたとしても。

左横には、ブラジリアンガールとオーストラリアガール。ふたりとも美女。

そして右横にはカリブ海からのおっさん。この風貌で職業「ナース」。人は見かけによらない。世界は広い。
なぜかこの人、裸で寝るんです。僕の横で。
身の危険を感じた僕は極力寄らないようにしていました。
朝おしりが痛かったのは、昨日のラクダのせいだと思いたい。


痔END
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感謝の極みです。どうもありがとうございます。