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#29 キューバおもしろ経済事情

先日、かつて旅先で仲良くなった友人たちと飲んでいた時に、どこの国が結果最高だったかという話をしていて、皆の中で強い人気を誇っていたのは「キューバ」でした。

これは非常に納得感がありまして、僕自身もキューバの冒険感、異世界感は今考えてもこれまで旅した国の中でも屈指のものがあったなと思っています。

皆さんは、キューバといえば何を思い浮かべるでしょうか。

チェ・ゲバラ?
カストロ?
モヒート?

それくらいの印象しかないのではないかと思います。
失礼か。

ですが実際、キューバ土産は

チェ・ゲバラのTシャツ
カストロのTシャツ
モヒートのTシャツ

が、これでもかと言わんばかりに幅を利かせており、100軒お土産屋さんがあれば、100軒同じものしか置いていません。これが「社会主義国の土産屋だ」といわんばかりです。

そう。
キューバは、世界で最も成功している社会主義国家だと言われていました。

教育費 → 無料
医療費 → 無料
食料品や日用品 → 配給制度あり
他、生活に必要な物資や住環境といったものは基本的に政府支給

といった形で、競争原理の特に働かない仕組みになっています。
ゆえの同じ土産モノ。

まぁですから、資本主義の競争社会と違って「貧困層」という概念がなかなか生まれ得ず、結果的にキューバは治安も非常に良好です。

一見、「最高じゃないか」と思うかもしれませんが、そのかわり、何やっても給料が最低ラインで一律なのでプラスαの何かを望むことができません。なんせ僕が行った10年前は、全国民遍く公務員扱いで月収2,500円でしたからね。

ゆえに、例えばキューバはパソコンなどの娯楽品が超贅沢品だったりします。キューバは、それなりに公共インフラが整っている割には個人に対して世界で最もネットの発達していない類の国だと言えるかもしれません。

僕が行ったときのキューバは、キャリアの通信回線があまりにも使い物にならない極弱3Gとかで、町の中心地など所定の場所で15分しか使えないETECSAというWiFiカードみたいなものを買って番号を打ち込まないとスマホでネットが出来ないという有様でしたが、ここ数年でこの辺りはだいぶ改善しているみたいですね。

僕がキューバに行ったのはもう10年前ですから、最近は割と自由経済活動が認められつつあるのかもしれません。

これは、首都ハバナの中心地の写真です。

ハバナは言わずもがな、キューバの首都です。
スペイン領時代に発展を遂げ、90年代中後半には、憧れの都とまで言われた宝石都市。

これを見て何を思いますか??
綺麗だな、素敵だな、ではなく、言われれば気づくのですが、「広告が一切無い」のです。

特に、中心部の旧市街では、今も息づくスペイン建築の建物の隙間を現役のアメリカンクラシックカーが走り、企業広告も皆無なため、まるで何十年も前の映画の中にタイムスリップしたかのような非常に絵になる景観です。

資本主義経済下ではいかに効果的にサービス広告を出していくかが企業の生きる道ではありますが、そもそもその概念がないという世界観に衝撃を受けます。


そして、そんなキューバ経済事情で最も「わけわからん」かった制度は、

二重通貨制度

です。

僕が旅した頃のキューバには、「CUC」と「CUP」という2種類の通貨があり、まぁ簡単にいうと、

CUC = 観光客用通貨
CUP = 現地民用通貨


なのですが、この2種の通貨、貨幣価値が恐ろしいほど違ってまして、1CUC=100円程度なのに対して、1CUP=4円くらいなのです。やっす。

そして、この2種類の通貨が同じように国内に流通しており、両方を使うことができるという摩訶不思議な状況がはびこっているのです。

例えば、表通りの綺麗なレストランで1枚のピザ食べて「CINCO(5だ)」と言われた際には、これは5CUC、つまり大体500円くらいなんです。
でも、通りを外れた現地民御用達のピザ屋さんに行き「CINCO(5だ)」と言われてもこれは5CUPのことで、20円くらいでピザが食えるというわけです。しかもそのクオリティには言うほど差がないんですよ。

ポイントなのは、外国人もこのCUPを普通に両替して使うことができる点で、まぁお金を落としていく外国人観光客としてCUPを使いまくるのはどうなのよ?という議論はさておき、とにかく同じようなものを、現地民用のお店に行ってCUPを使うことで25分の1の価格で購入できてしまうということなのです……。

あんなこといいな できたらいいな
あんな夢こんな夢 いっぱいあるけど
みんなみんなみんな 叶えてくれる
不思議なCUPが叶えてくれる

みんな思ったことあるよね?

「この千円札が全部一万円札になったらなあ!」

まさにこの錬金術を繰り出せる国がキューバだったのです。

フルーツジュース、実に8円。やっす。



ちなみに、2021年にこの制度は廃止され通貨は一本化されたので今はこの夢の錬金術を使うことはできません。上にも書きましたが、今は徐々に外に対して開かれた国へと歩みを進めています。

恐らく僕が旅した時よりもPCやスマホといった情報インフラも進んでいることでしょう。情報化は進みだすと一気です。

僕は最後のとてもいい時期にキューバに行けたのかもしれないな。

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オカザキッチン 感謝の極みです。どうもありがとうございます。