膨らむ「スタグフレーション」への懸念
4月ミシガン大学消費者マインド指数 50.8 予想 53.8 前月 57.0
・期待指数 47.2 予想 57.8 前月 52.6
・1年先インフレ期待 +6.7% 予想 +5.2% 前月 +5.0%
・5-10年先インフレ期待 +4.4% 予想 +4.3% 前月 +4.1%
2022年6月以来の低水準となったミシガン大消費者指数 ↑ 「コロナ危機」直後と並ぶとは相当に状況は悪い。3月のCPIは2月+2.8% → +2.4%と改善したが高率の「関税」≓「輸入物品税」の影響はこれから。「スタグフレーション」への懸念は膨らむ一方だ
米国債の「イールドカーブ」はそういう "空気" を如実に反映し急激な「スティープニング」が進む。特に「長期金利」の上昇が顕著


景況感の悪化に加え現政権からの圧力があり、FRBは「利下げ」に踏み切りたいのはやまやまだが*「ドル安」が進む現状では「長期金利」は低下どころか上昇してしまう懸念がある。失敗すれば何を言われるか判らず頭が痛い。まるで大統領が「インフレには利下げ」と主張して中銀総裁の首まで切ったトルコのよう。訪れたのが「ハイパーインフレ」なのは周知の通り
*「国債」には償還期限があるので、投資家がマーケットでダイレクトに米国債を投げ売りしなくとも "買い換え" を止めるだけで「需給」は悪化する。そうでなくとも2025年は毎月のように9兆ドルもの入札が津波のように押し寄せる。もっともこれはJGB(日本国債)も同じで、直近の「国債買入オペ」減額予定 ↓ を見ても、年間買入額49兆円ー保有国債償還見込70兆円=▼21兆円も「需給」が悪化する。平行して「日銀バランスシート」も縮小 ≓「QT」(量的引締)が続く。日米とも 「大借金」の後始末 - ”株帝国” アメリカと「関税」≓「消費増税」|損切丸 に追われる


現状の米国債金利から計算すると4年後に政策金利は@4.5%に上がってしまう。これでは安易に「利下げ」には踏み切れまい

では売った米国債・ドルはどこへ 「質への逃避」ー "Flight to Quality"|損切丸 したのか?
FXと金利の動きを見るとJGB(日本国債)とユーロ国債が有力。「安全」を追うなら1年以内の短期債だが、高めの名目金利を狙うなら5ー10年のJGBもしくはBUNDS(ドイツ国債)。前者は「借金」は多いが金利負担が小さく膨大な「国内預金」でセルフファンディングされているし、後者は厳しい「ユーロ基準」のお陰で債務が少ない(もっとも防衛関連で財政支出が増えるのはリスク要因)


株式市場は年初来▼15%強下げている市場もあり "値頃感" から買いが入ってくる可能性もある。だが ”Tariff Man” が何をやり出すか不確定要素が大きく腰を入れて買いにいけない。やはり米国債の売り ≓ 金利上昇が止まらないと手掛けにくい

「割高」「割安」で見るなら依然「円」資産は魅力的。「実質マイナス金利」のJGBは ”緊急避難” のみだが、欧米株価に対し各種投資指標で見た日本株の「割安」は変っていない。ここ数年は「円安」でその価値を毀損し続けたが、日銀の「利上げ」で金融政策が正常化し「円高」の流れが定着すればFX収益とダブルで狙ってくる投資家は増えるはず。「ドル安」指向の ”Tariff Man” も背中を押すかもしれない。これは国内不動産然り
もっともミシガン大指数に見られるように米消費者の先行き悲観が広がっており「リセッション」、最悪「スタグフレーション」もあり得る。後者の場合「株」も「金利資産」も総崩れになるので、そうなったら「割高」も「割安」もない。何を買っても売られる
「90日の猶予」後に少なくとも「上乗せ関税」分は撤廃されるというのが筆者のメインシナリオだが、パンパンに膨れ上がった米個人債務の状況を鑑みるとそれでも「リセッション」は訪れるかもしれない。ただその場合は米国債等「金利資産」への投資は有効になる
怖いのは ”Tariff Man” が「名誉欲」に駆られて突っ走り「スタグフレーション」に陥ること。ずっと見てきた感じではただの横柄で粗暴な老人では無く意外に賢くモノは判っている。だが「大借金」に追い込まれて「関税」強化やFRBへの「利下げ」強要を繰り返すようだと ”トルコ” コース。「独裁者」の心理は一般人の我々には計り知れない部分が多い
いずれにしろ「投資」「リスク」「相場」に関しては我々も「90日の猶予」を貰っている状況。ここでの判断ミスは致命的結果をもたらすだけに慎重には慎重を期して臨みたい。出来ればある程度の待機資金を抱えておくことが対策の1つになるだろう。”備えあれば憂いなし”
