"日米協調介入" (!?)の思惑 - アメリカはずっと "そういう国"
"第2のプラザ合意か"
"プラザ合意" =1985年9月22日にアメリカ・ニューヨークのプラザホテルで発表された、G5(先進5カ国)によるドル高是正のための協調介入の合意。アメリカの巨額な貿易赤字を減らすため、ドルに対して他の通貨を一律で切り上げることを決定
こういう事がマーケットで真しやかに囁かれ始めた。ドル安指向の大統領という背景もあろうが、1985年当時と違うのは問題の焦点が貿易赤字ではなく財政赤字である点。つまり▼6,000兆円にも上る膨大な「借金」
税収の14年分の「借金」を抱える日本もそうだが「通貨安」は法定通貨による「借金」の重荷を減らす効果がある。1,300兆円ものJGB(日本国債)もドル円が@100円なら13兆ドルにもなるが@160円ならたったの8兆ドル。ドル建では財務省が+5兆ドルも "儲けた" 計算になる
日本で「円安」がこれほど騒がれるのは1,000兆円を超える「預金大国」だから。端的に言えば財務省の "儲け" +5兆ドル(≓+500兆円)を預金者が肩代わりさせられている。これも立派な「インフレ税」。欧米ならとっくに暴動が起きているレベルだ
では同じく税収8年分の「借金」を抱えるアメリカはどうか。彼の国は自他共に認める「借金大国」であり、その「お金」を「主要通貨ドル」を使って世界中から掻き集めている。GAFAなどが徴収している「デジタル黒字」はあるものの、国全体で見れば「借金」が目減りする「ドル安」の方が "儲かる" 。だから1ドル=@360円もあった「ドル」が@100円割れまで「ドル安」になった。「損」を被ったのは「ドル」に投資していた海外の投資家
こういう国の成り立ちに鑑みればやはり「ドル」は信用できない
「金利差」を囃した「円キャリートレード」もいいが、アメリカはその気になれば「主要通貨ドル」を何とでも出来る。特に現状のように財政悪化が差し迫ってくれば何でもあり。今回の "日米協調介入" 騒ぎにそういう嫌な "臭い" を嗅ぎつけているから "第2のプラザ合意" なんて言葉が出てくる
ただ今回は1985年当時のように上手くはいくまい。世界恐慌(1929)からブラックマンデー(1987)、リーマンショック(2008)にコロナ危機(2019~)と数々の金融危機を「借金」による「お金」のバラマキ、そしてその「借金」を棒引きにする「ドル安」で凌いできたが、それもやり過ぎた。その結果が長期金利の上昇 ≓ イールドカーブのスティープニングである


確かに1980年代にアメリカが純債務国に転落した時に米国債金利が@10%近い時期もあった。だがその時でさえ「借金」は5兆ドル以下。現在(約40兆ドル)の8分の1以下だ。だから今国債利払いが年間防衛費を超えるような事態に陥っているのであり、これでは "首が回らない" 。「相互関税」なんて法律も無視した無茶苦茶な政策だが "背に腹は代えられない" という事。人も国も「借金」に追い込まれればインチキだって何だったする
それでも今回の「円高介入」に米財務省が乗ったのはそれだけ「借金」を減らしたかったのだろう。30年債が@5%を超えれば国債発行を止めてしまえばいいし、出来るだけ発行年限を短くしてコストを減らす算段だろう
ここで「鍵」になるのが議長が変わったFRBの役割
ウォーシュ新議長はQT(Quantitative Tightening、量的引締)支持者と聞く。インフレ抑制には確かによく効く劇薬だ。一方政策金利は引下げて政府の財政コストを低減させ「ドル安」で債務負担を減らそうと画策しているのではないか。そうすれば歴史が証明しているようにアメリカの財政負担を海外の投資家に転嫁出来る。この「投資家」には当然「新NISA」も入る
ただ「投資家」だって黙って「損」する訳ではない。そういう "臭い" を嗅ぎ取ればドル売りヘッジを掛けたり様々な対策を打ってくる。こうなるとまさに 最後は誰に売り渡すか? - マーケットはさながら「爆弾渡しゲーム」|損切丸 世界中を巻き込んだ壮大な "ババ抜き" と化す
米財務省やFRBにとってもこれはかなり危険な賭けになる。「ドル安」が明白になれば米経済の生命線である米株価の急落を招きかねないし、QT+利下げでインフレを抑制できるとは限らない。ここで金融・財政政策の扱いを間違えれば再びトリプル安=「ドル安・米株安・米国債安」を招きかねない。そうなれば「株本位制」アメリカ帝国の覇権は本当に崩壊してしまう

それでも今回こういう策に出ると言う事は 「資金繰り」が苦しそう - もうこれ以上「借金」出来ない|損切丸 「お金」に関してかなり切羽詰まっている証拠。「相互関税」も「戦争」も空振り状態で他に選択肢がないのだろう。もっとも我が国もアメリカの事を言えた義理では無く、相対価値という意味で「ドル」と「円」どちらが状態が悪いかは不明
だが膨大な対米投資で経常黒字を維持しているFACT(事実)に鑑みれば「ドル安」の方がアメリカの国益には叶うはず。何しろ日本の「損」はアメリカの「得」なのだから。だから今回の介入に対する「アメリカ(米財務省)の協力」、素直には喜べない。アメリカはずっと "そういう国" 。願わくば自主的に日銀が利上げを前倒しし "ビハインド・ザ・カーブ" がもたらす「円安・ドル安」|損切丸 は避けたかったが…最早 "後の祭り" である


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