いよいよ「円」の実質金利がプラスに
お米価格等々技術的要因があったとはいえ日本の総合CPIが11月+2.9% → 12月+2.1%に低下した事もあり、10年国債金利の実質金利がやっとプラスになった。これでようやく「普通の国」の仲間入り。スイスと同水準になっている。JGB暴落などと騒いでいるが、まだこれは "調整" の範囲内だ(おそらく日銀・財務省も同じ認識)
「円キャリートレード」を手掛けている "Ms. Watanabe" (FXを手掛ける個人トレーダー)は聞きたくないかもしれないがこれが客観的数値。実際にはO/N金利(今日-明日の1日物金利)でポジションがキャリーされるため10年JGB金利の動向は直接影響しないが、かつてのように5%もあった金利差を取りに行ける環境ではなくなったのも事実。あとは日銀が政策金利 ≓ O/N金利をどれだけの "スピード" で上げていけるかにかかってくる
「ベアフラット戦略」=利上げを前倒ししてインフレを抑制し、短期金利上昇+長期金利低下を狙う戦略
筆者はこう命名しているが「円安」阻止の鍵はこれ。巷では日米協調介入ばかりが取り沙汰されているがこちらが基本。現状10年JGB-政策金利=1.5%もの開きがあり、市場が現状織込んでいるのは2028年初までにその差が埋まるというもの。この "スピード" が焦点となる



「円キャリートレード」的観点でいえば「ベアフラット」戦略が進めば進むほどポジションが取りにくくなる。逆に昨年までのようにモタモタと先送りを続ければ期待インフレ率が再び+3~4%方向に向かい実質金利が低下。結果「円安」を助長しターミナルレート(利上げの到達点)は上がる。この辺りの理屈は日銀もFRBもECBも一緒
グローバルな資金フローに鑑みると30年JGBは既にブンズ(Bunds、ドイツ国債)を上回っており ↓ 海外投資家にとっても選択肢の1つとして急浮上。銀行や生損保など本邦金融機関にとっても無理に外債投資などしなくてもJGBで十分採算が取れるようになり運用はかなり楽になる。いわゆる「円の里帰り」。金融関連株が上がるはずである


自分が従事していたからと言うわけでも無いが、こうして説明してくると金融政策が自由市場をベースとした資本主義国家にとっていかに大切か、という事が判ろうというもの。「中央銀行は政府の子会社」「言うことを聞かない議長は辞めさせる」。こういう独裁者的発言がいかに危険か。今のアメリカ然り、ハイパーインフレに陥ったトルコ然り、そして何よりたった2年で自国通貨を▼40%も下落させた日本然り
株式投資でも不動産投資でも暗号資産でも金(GOLD)のようなコモディティ(商品資産)でも元になっているのは「金利」「物価上昇率」「為替レート(FX)」であり、その扇の要になるのが金融政策。30年近く「金利」の無い世界で生きてきた日本はいわば一種の "死に体" だった訳で、それを称したのが「失われた30年」。長い長いリハビリ期間を経てようやくベッドから起き上がった状態と考えていい
リハビリ当初はおっかなびっくりだったが株価が上がるなど体温が上昇し「普通」の状況になってきた。ここで気をつけなければいけないのがオーバーワークで再び発熱しないかどうか。元気になった人に「積極財政」なんて強壮剤を飲ませ続ければ当然副作用が出る。そういうリスクに警鐘を鳴らしているのが長期金利の上昇であり、それが* "市場の声" だ
*圧倒的「金余り」で「日本金融村」が支配してきた円市場は半ば社会主義的でもあり、欧米の投資家にとってJGBや日経平均は不可解な代物だった。幸か不幸か「円安」「インフレ」などで国富が削られた結果「金余り」が解消。海外投資家頼みになったことで 中銀に代わってお仕置き(利上げ)よ! ー JGB市場の「欧米か!」(欧米化)|損切丸 欧米の金利市場の経験も長かった「損切丸」にとってもやっと腑に落ちる相場になった
「レートチェックでドル円が▼5円も下がった!」と目先の相場を追いかけるのも良いが、たまには取っ付きにくい「金利」にも目を向けてみることをお薦めする。そうすればもっと腰を据えてマーケットに臨めるようになるだろう。例えば「ベアフラット」戦略に関して言えば、順調に進めば「円高」だし進捗が遅れれば「円安」、そういう方向性がはっきりする。 "(不明瞭な)植田総裁発言後に円売り" パターンもそう考えると合点がいく
2026年は間違いなく「お金の大移動」が起きそう。それが「円の里帰り」なのか 逃げ惑う「お金」-「帝国」の崩壊?|損切丸 なのか。様々な要因が交錯するが、大事なのは それでも「米ドル」買いますか?|損切丸 のようにその投資資産が買うに値するかどうか。それも状況によって変化するためかなりの注意が必要。明確にメッセージを発するのは「金利」、その中でも主役はJGBになる

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