見出し画像

2026/27年J2第1節テゲバジャーロ宮崎-横浜FC「太陽の国から」

試合当日は大雨、翌日も大雨予報。試合の当日朝の予報ですら午後から夜は
降水確率が70%から90%の表示。誰しもが雨だと思う。確率と言えばそれまでだが、10回中7日以上は雨が降るのだから遠征に雨具は必需品。大雨でずぶ濡れになることを想定して、着替えを多めに何枚も(私は5枚)持ってきた。靴はビニル袋に入れるとして、宮崎駅近くで安くビーチサンダルでも買えないかなんて考えていた。いちご宮崎新富サッカー場のゴール裏は三ツ沢と同じで屋根がないので、雨対策は必須である。

大分空港に到着。そこから鉄道で南下して宮崎に向かうのが今回旅程だが、大分駅付近ではまぶしい位の日差し。どうせ佐伯を出ていくつものトンネルを抜ける度に天気が悪くなり、雨足が強くなっていくのだろう、と眠りについて延岡で起きると雲は白み、青空が垣間見える。そうだ、ここは「日本のひなた」だった。


日向と書いて、ひむかと読む

雨中のサッカーは悔しいが、やりたいことの大半が難しくなり、よりフィジカルなものになっていく。普段よりボールが止まるので強く蹴る必要があったり、コントロールミスが発生しやすい。そういう意味でやっぱり雨が降らない中でのサッカーは面白い。

前半から試合を支配したのは横浜だった。宮崎の前線からのプレスの回避で長いボールを入れた時にルキアンがとにかくボールをコントロール出来ている。前半途中、山田が自陣低い位置でボールを出すところがなく大きく蹴ったボールも相手のファウルを誘って横浜ボールで試合を再開させる、宮崎の攻撃のこぼれ球を宮崎に回収させずファウルを誘ってこれも自分たちのボールで再開できる。相手のリズムを止めて自分たちのボールにでき、またファウルを繰り返すと警告にもなるのでおいそれと潰しにくい。宮崎のセンターバック陣との戦いで優勢だった。中盤の構成と左サイドバックの下川、ベンチにいる橋本はかなり注意が必要だが、センターバックと横浜の前線の組み合わせは優位に立てるとみていた。

1トップがボールを収められると脇にいる横山も新加入の島村もプレーしやすいし、実際前線は村田と新保が高い位置を取り、山田、高江すらペナルティエリア付近でシュートを狙うシーンもあった。4バックを崩すには、ウィングバックとシャドーで数的優位を作ってどう崩すか。左右でそれぞれ何度も切り込むシーンがあった。

横浜はビルドアップでも、宮崎が土信田、奥村が2トップ気味になった際は、1ボランチの形でボールを引き出しそこで前を向けたり、前線のラインが下がって対応しようとすると左右に散らしてボールを持って前進したりとかなりの時間自分たちでボールを保持できていた。

しかし、前半シュートがゴールネットを揺らすことはなかった。

心配材料は横浜がやや飛ばしすぎている感じがしている。二度追いまではいかないが、高い位置からのプレスを繰り返しているので相手のサイドチェンジに対してやや揺さぶられている感じがある。シュートが枠を外れてゴールキックになるだけならともかく、奪われて低い位置から持ち運ばれてしまうと走らされる。それだけのスタミナを全員が持っているとは限らない。

日向があれば日陰がある

後半14分アダイウトンが島村に代わって出場する。ただ、やや試合を決めにいくにせよ、自分たちのラインを上げるにせよやや勇み足の感じはあり、前線からのプレッシャーがなくなり、宮崎がセカンドボールを回収してゲームを動かし始めた。
またジョアン・パウロを横山に代えて入れたことで、中盤でボールを運ぶ選手が輪をかけていなくなってしまった。横山と島村はスペースを使ってボールを受けて捌くタスクがあったが、前線3人をブラジル人トリオにすると前線からのプレスが曖昧になる代わりに、カウンターでは迫力が出るという諸刃の剣を須藤監督は抜いたことになる。

宮崎の攻撃を受けてボール奪取の位置が低くなり、前線には3トップ以外ボールを運べる選手がおらず中盤はポッカリとスペースがあり、直線的に3人にボールを預けてゴールを狙うことになるが、中々機能しない。この辺りは宮崎の強固な守備には定評がある。

そうした打開策が難しい中で試合を動かしたのはアダイウトンだった。細井のスローインを村田が中にボールを差し込み、高江の返しを細井が走り込みシュートを放つが、このボールがジョアン・パウロの肩付近に当たりコースが大きく変わりゴール付近に待ち構えていたアダイウトンが押し込んで横浜が先制点を決めた。

後半苦しい時間帯がずっと続く中で、ややラッキーな点がありつつもゴールが転がってきた。日陰に光が差してきた。

前線のルキアンを下げて岩崎を入れて宮崎の左サイドに蓋をしにかかる。宮崎はやはりこの左の下川と井上の起点、そして奥村がどうボールに絡めるかが鍵。ブラジル人選手3人ではやや曖昧になっていたのを、ジョアンパウロを前に出して岩崎で下川を見る配置にして、宮崎の左サイドからのクロスはやや単発なものになった。岩崎自身は攻撃という面で大きな仕事が出来ていないことに不満がありそうだが、こうやって対面する相手を遠ざけることをすることは小さいことだが評価を高める。

試合終了の笛が鳴った。0-1で横浜は開幕戦を白星でスタートとなった。

太陽を追いかけて

事前に想定していたように宮崎は強敵だった。村越、奥村、井上というトリオに復活した橋本は脅威。下川のクロスは昨年何度も相手ゴールを脅かすのを見てきた。昨年マリノスでデビューしたGK木村はゴールマウスに何度も立ちはだかった。そうした相手の攻撃に耐え、僅かなチャンスをモノに出来たのは物足りないという思いもあれば、開幕戦これからという思いもある。

宮崎遠征。ここに来るサポーターはもっと少ないと思っていた。飛び石で連休に出来るので早めの盆休みに出来るからか宮崎行の飛行機は、日程が決まった時は高かったからだ。それでも新幹線で小倉経由だったり、博多経由、あるいは鹿児島からバス等で宮崎に向かった。自分も大分経由で入った身だが、そういう手段を使っても行こうとする人が増えて自分は素直に嬉しい。

そして明けて翌日は朝から快晴。そうそう。この太陽。これが宮崎。もし移住するなら宮崎は上位に入るくらい太陽が最高の場所。その太陽を追いかけるように横浜は次戦の国立に進む。6万人の来場が見込まれるJ2史上最高の試合。横浜の夏は始まったばかりだ。

いいなと思ったら応援しよう!