作品「鳳凰の棲むところ」
いつもは縁起物などの木玩を単品で作っていますが、今回は“飾る”ではなく“観る”ものを制作しました。
木玩(玩具)ではなく“作品”となります。作品づくりは初です。
縁起が良い物(者)たちにも、普段の暮らしがあって、穏やかに楽しく幸せでいて欲しいなぁと想像します。
そんな彼らの暮らしぶりをカタチにしました。
題材として選んだのは、超スーパー縁起の良い鳥「鳳凰」です。
鳳凰というと豪華絢爛で華やか、朱色の輝く羽で大きく翔ぶイメージです。
が!!!!!!
わたしは特別に好きな鳳凰がいます。それがコチラ。

徳川三代将軍家光が描いた「鳳凰図」です。
こんなにも愛くるしい鳳凰をどうしたら描けるというのか!
ちょっと豪華な小鳥のよう。
どうしてもこの最高すぎる鳳凰を作ってみたかったのです。
そして完成したのがコチラ。

家光の鳳凰と、いろいろな鳳凰図を参考にしながら、普段はどう過ごしているのかを思い浮かべた作品です。
ここはいわゆる「棲家」という感じ。

岩の上にいるのが雄の鳳凰です。
鳳凰は雄を「鳳」、雌を「凰」というそうです。
なのでこの雄はホウさんと呼びましょうか。
ホウさんの視線の先にいるのは・・・

雌と雛です。オウさんと赤ちゃん。

雛はお腹が空いているのかピィピィ鳴いている様子。
たくさん食べて立派な鳳凰になれよー。

さて、鳳凰が何を食べるのかというと、それは竹の実です。
虫をついばんだりすることは無く、竹の実しか食べません。
竹の花が咲くのは数十年〜120年に一度だそうで、咲いた後に出来るのが実です。
そんな希少な物が鳳凰の唯一の食べ物なのです。
この岩のそばにある竹の実は、父であるホウさんが子どもの為に持ってきてくれたのでしょう。

鳳凰が飲むのは、醴泉(れいせん)の水だけです。
醴泉とは、甘い味がする奇跡の泉のこと。
中国の伝承でそう伝えられています。
きっと水面は神々しく輝いていることでしょう。

鳳凰は青桐(梧桐)の木にだけとまると伝えられています。
枝葉を揺すり、雨を降らせるそうです。
英語は「phoenix tree」。
“鳳凰(フェニックス)が止まる木”といわれることに由来しています。
ちなみに、鳳凰は生草を折らず、とのこと。
命を踏んだり折ったりしないのです。
なんて徳の高い鳥なのでしょう!
世の中が平和である時にしか姿を現しません。
という鳳凰の生態を表したのが「鳳凰の棲むところ」です。
めちゃくちゃに縁起が良くても、生き物ですから食べたり飲んだり眠ったり、子育てをしたりするのです。
そうやって穏やかに日々を暮らしています。
この作品が完成したのは去年の秋頃でした。
ぜひとも実物を見てもらいたいなぁーとか、他の作品も早く作りたいなぁーとか思っているうちに時間が経ってしまいました。
けっこう大きいので保管するのが大変です。
これから作品を増やしていって、まとめて鑑賞していただく機会を作りたいところ・・・。
そんな日が来るのが楽しみです!
実は「鳳凰の棲むところ」にはオマケ要素があるので、それはまた次回に。
