52歳のAI革命 仕事中毒、心地よし
最近、仕事時間が伸びてる。そんな気がしていました。
52歳になって、仕事量が増えているという事実。若い頃のような体力があるわけでも、締め切りに追われているわけでもありません。気づいたら、やっています。その理由は、AIです。間違いありません!
時代が与えてくれるものがある。AIはまさに、今この瞬間の大きな波だと感じています。
待たなくていい
ビジネスの現場で、最も思考を止めるものは何か。それは「待つ」という行為だと思っています。壁打ち相手のスケジュールを調整する、会議を設定する、メールの返信を待つ。その間に、思考の熱量は冷めていきます。
AIにはそれがありません。
思いついた瞬間に投げられます。深夜でも、移動中でも。熱量が冷める前に次の一手に進めます。これは経験を積んだ人間ほど効果が大きい!問いの解像度が高いほど、返ってくるものの質も上がるからです。
80点を見て、100点に向かう
AIが出すアウトプットは、だいたい80点です。悪くない。でも、何かが違う。
その違いを言語化できるのは、経験があるからだと思っています。ここのニュアンスが浅い、この順番では刺さらない。そう感じた瞬間から、自分の眼が動き始めます。その20点の差分を詰めていく行為そのものが、独自性の源泉になっていると感じるのです。
AIがなければ、そもそも80点の素材すら存在しなかった。0から作ると大変。でも素材があるから、こだわれる。細部を詰めるという行為が、最も差別化になると気づきました。この細部のこだわりがまた楽しい。
リサーチで、外側が広がる
Deep Researchを使い始めて、インプットの質が変わりました。
例えば最近では、エージェンティックコマースの調査、世界のPEファンドの流れ、業種別の動向、そして海外の最新論文や事例。以前ならキャッチアップに時間がかかっていたものが、体系的に整理された形で1時間以内に手元に入ってきます。情報が増えるのではなく、思考の外縁が広がっていく感覚です。
そして今まで読んできた1000冊のビジネス書も、AIで要約・再編集して手元に置けます。自分の知識資産が、使える形に変わっていきます。経営者として幅が広がっている感覚があります。いわゆる成長の実感があります。
壁打ちで、内側が掘れる
リサーチとは別に、対話による気づきがあります。
AIに問いを投げ、答えていくうちに、自分が何を考えているかが明確になっていきます。コーチングに近い体験です。思考量は増えているのに、苦しくない。むしろ楽しい!
そしてもう一つ。AIと対話していると、自分が当然だと思っていた前提が揺らぎ始めます。これはアンラーニングだと気づきました。52歳は、書き換えるべき前提をたくさん持っています。経験が豊富なほど、固定観念も多い。それがAIとの対話を通じて、自然に剥がれていきます。強制的なリセットではなく、ワクワクするリセットとして。これがまた自己更新している感じで、成長の実感があります。
没入の条件を、AIが消している
子どもが何かに夢中になるとき、理由を考えてから夢中になるわけではありません。やっていること自体が楽しくて、気づいたら上手くなっていたりします。
AIが与えてくれているのは、効率とか賢さとかではなくて、没入の条件だと思っています。待つという中断がない。素材がないという言い訳がない。一人で煮詰まるという壁がない。だから気づいたら、やっています。
経験があるから没入できて、没入するから前提が壊れる。
この循環が、52歳の仕事中毒の正体です。若い頃の没入は、体力とノリで動いていました。仲間と机を並べて、語りながらシェアしながら仕事する。でも今は違います。30年分の経験と判断力が燃料になって没入しています。
だから改めて、なのです。
仕事が楽しいのは、知っています。むしろ大好き。でも52歳にして、この感覚は新しい。AIという時代の波が、もう一度火をつけてくれました。仕事中毒、心地よし。しばらく、このまま走ります。
最後に業務のAI化 5領域での実装
ロケットスターでは、ファンド運営実務にAIを落とし込むことをし始めています。我々が運営するサーチファンドでは、以下の5領域でAI実装を進めています。
■サーチャー面談
サーチャーの選定に、AIを活用した評価システムを導入しました。狙いは二つ。一つは再現性。誰が面談しても同じ基準で評価できる仕組みを作ることで、属人的な目利きをシステム化します。もう一つはデータ蓄積。採用後の実績と評価スコアを紐づけ、1年後に「サーチャーに合う人物パターン」を帰納的に明らかにします。
■ソーシング
5つの中で、最もAI活用が難しい領域だと思ってます。現時点では業種別の市場リサーチや将来性の予測補助にとどまっています。案件の一次スクリーニングを精度高く自動化するには、まだ試行錯誤の途中。正直に言えば、ここが最大の課題です。
■デューデリジェンス
DDはAIと相性が良いと思っています。財務・労務・法務など管理部門のDDにAIを導入しています。狙いはリスクの網羅。ここは蓄積できて属人的な判断に依存しない体制ができると思っています。
それと事業DD。開示できる範囲で詳細は伏せますが、一次情報への直接アクセスを軸に据えた新しいアプローチを試みています。整理されていない断片的な情報でも、AIが構造化することで経営の実態が浮かび上がる。従来のDDとは異なる解像度で、事業の輪郭を掴めるようになりつつあります。
■PMI
承継直後の経営支援は、やるべきことが膨大で属人的になりがちな領域です。だからこそ、AIが最も力を発揮できると確信しています。現状診断から100日プランの設計、KPI管理、組織課題の把握、前社長からの知識継承まで、PMIの全工程にAIを組み込む仕組みを構築中です。狙いはバリューアップの再現性。サーチャーが意思決定と現場関係構築に集中できる環境を、AIが支えます。複数社を並行支援するサーチファンドにとって、これはスケールの武器になっていくので楽しみです。
■承継先のモニタリング
ここはAIが得意な領域だと確信しています。今後、サーチャーの皆さんと協力してダッシュボードを共同構築していきたいと思っています。財務数値と定性情報をAIで照合し、変化のシグナルを早期に捉える仕組みを目指しています。1年後が楽しみな領域です。事後対応から事前対応へ。両者でチェック出来れば強い!ここも本気で変えられると思っています。
ということで、いずれもPDCAを回しながら精度を上げている途中です。AIを使うかどうかではなく、どう実装するかが、これからの経営の差になると確信しています。
いずれにせよ、個人も会社も、ホントAIが中心になってきた。AIは効率化ツールというより、思考量が増えるツールみたいな感じ。
素晴らしい時代だなー 第二の成長曲線に乗っているみたい
