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「藻場の変化」能登半島地震後を生きる・№285(2026/07/05)


先日,所属するNPOおらっちゃの事務所へ行ったとき,下記の本を見つけた。NPOに寄付されたものらしい。さっそく,借りてきて,読んで(見て)みた。A4版205ページ,全ページカラー版である。お金かかっているなあ。

『令和7年度 能登半島沿岸震災影響調査報告書』

きれいな本ですぞ

本書の内容

本書の「はじめに」から,本調査について書かれた部分を紹介する。

(令和4年能登半島地震及び奥能登豪雨災害のあと),2025年,地元の金沢経済同友会が特別委員会を設け,日本財団の支援と北國新聞社の特別協力を得て能登半島沿岸の大規模な藻場調査を実施した。調査は,衛星画像解析班,潜水調査班,漁業調査班の3班で実施し,藻場の現状を衛星画像により広範囲に,あるいは選定した地点で潜水して詳細に調べたほか,藻場を漁場とする海女ら漁業者の実際の被害や現状,復興への要望について聞き取りを行った。本報告書はこれらの調査の結果をとりまとめたもので,今後の藻場のモニタリングや沿岸振興のための基礎資料として活用していただければ幸いである。(調査団長 藤田大介さん,強調は引用者)

本書p.4

というわけで,本書の内容は
「Ⅰ 衛星画像解析」
「Ⅱ 潜水調査」
「Ⅲ 漁業調査」
それぞれについて
「調査の概要・調査方法・調査結果・まとめ」
となっている。
また,巻末には,
「資料編」として〈海藻の種類の説明〉〈北國新聞記事〉に加えて〈解析方法〉なんかも載っていた。わたしは理解できないけど(^^;)

さて,こういう『報告書』を見ると,真っ先に気になるのは自宅付近の海の変化だ。

Ⅰ 衛星画像解

減少した藻場面積

能登半島(七尾以北)の藻場の面積については,以下の一覧表が出ていた。
平成30年(2018年)頃と令和7年(2025年)の調査を比較すると,半島全体で38.6%も藻場が減少しているという。珠洲市に限ると13.5%の減少だ。お隣の能登町と穴水町が増えているのが不思議。どうしてなのかな。

藻場面積の変化(本書p.89)

藻場タイプ別の藻場面積(珠洲市の場合)

海藻(草)の種類の変化を,地図上に表してくれている。こういう資料は,シロウトにはとても有り難い。
わたしの住んでいる珠洲市周辺を見てみよう。

本書p.100より

色の面積が,減っているのが分かる。とくに三崎町~狼煙・大谷にかけての減少が激しいようだ。

宝立町鵜島地区の海岸線

上記の地図から,わたしが住む宝立町の見附島以南(鵜島地区)の海岸線を切り出してみた。

飯田町~能登町赤崎付近の海の藻場分布(上記画像切り取り)

左側(平成30年~31年の調査)にあったアマモ場(緑色)が大きく減っていることが分かる。
また,赤い点々が並んでいるが,これは恐らく一文字(テトラポットを1文字に並べてあるやつ)だろうと思う。この一文字にはガラモ場の色が塗られている。ガラモというのはホンダワラ類の海藻ことで,丸い浮きが付いているので海水浴で見たことがある人も多いだろう。
この一文字に生えるホンダワラ類が成長し,海面に見えることもある。

一方,アマモというのは,水深2m~数mの沿岸砂泥地に自生する海草(種子植物)の仲間である。

Totti - 投稿者自身による著作物, CC 表示-継承 4.0,
https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=91633274による

確かに,地震前までは,ホンダワラ類もアマモ類も,大波のあとの砂浜に打ち上げられていることがよくあった。
しかし,最近は,アマモの姿を見なくなった気がする。
というわけで,下の浜へ降りて,砂浜のようすを見てきた。

自宅下の海岸に打ち上げられた海藻たち(撮影:2026.07.05)

やはり,ホンダワラ類はいっぱい打ち上がっているが,アマモ類は見当たらない。いつか復活するのかな。

本書の本文中にも,次のような解説が載っていた。

地区別にみると,珠洲市地区については藻場全体で13.5%の減少であり,地区の南にある海岸沿いのアマモ場の減少が77.6%と顕著であった。

(B体は引用者,本書p.96)

これからは,海が荒れた次の日の愛犬との散歩は,海岸へ行くことにしよう(これまでも行っていたけど)。
そのうち,アマモ類も復活してほしいものだ。

Ⅱ 潜水調査

『北国新聞』記事より

前述したように,この調査研究には地元北國新聞社も協力している。
そこで,本書の発刊前にも,時折,新聞紙上で調査の特集が組まれてきた。それらの特集記事も本書巻末に収められている。

実際に海に潜り藻場や植食性動物の調査=潜水調査したのは,珠洲市では,
 長橋,木ノ浦,狼煙,見附島
の4ヶ所。それらの藻場の現状は下記のように紹介されていた。

『北國新聞』(2025/07/31),本書p.193

ちなみに,潜水調査班の報告(本書p.109~p.131)には,かわいい絵が載っていて,これだけでわたしはうれしくなるのであった。

「図3-8 植生断面(木ノ浦)」の一部(本書p.120)より

隆起と海岸線の後退,津波の高さ(本書による)

 調査場所   隆起 海岸線の後退  津波(遡上高)
(1)鹿磯   4.1m   100m   推定:2.4mくらいか
(2)輪島崎  1.5m   50m    不明
(3)長橋   2.8m   60m   推定:木ノ浦レベル
(4)木ノ浦  1.8m   15m   4.4m
(5)狼煙   0.8m   65m   推定:木ノ浦レベル
(6)見附島  -0.3m  ――   遡上高3.5m

あ~,やっぱり見附島付近は沈下していたんだな。

「Ⅲ 漁業調査」の内容についてはまったく紹介できなかった。申し訳ない。

本書を読みたい方は,下記PDFリンクをどうぞ。

http://www.kanazawa-doyukai.or.jp/pdf/r7_noto_eq_report.pdf


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