ワールドカップ優勝は、アンダー世代から始まっている|日本が世界一になるための育成ロードマップ
ワールドカップで日本代表が敗れたあと、さまざまな検証記事やコメントが発表されました。
決定力が足りない。
個の力が必要だ。
フィジカルを強化しなければならない。
空中戦、球際、戦術、監督の采配、選手交代、欧州トップリーグでの経験。
どれも重要な論点です。
しかし、私は一つ、あまり語られていない視点があると感じました。
将来ワールドカップを制する選手たちは、U-17、U-20、U-23の段階で、どのような国際経験を積んでいるのか。
ワールドカップで優勝するためには、A代表だけを強化しても足りないのではないか。
将来の日本代表選手が、17歳、20歳、23歳の段階から世界大会の上位へ進み、世界一を争う経験を積んでいることが必要なのではないか。
これが、この記事の出発点です。
もちろん、
「U-17やU-20で優勝しなければ、A代表は絶対にワールドカップで優勝できない」
と断定するつもりはありません。
実際、すべてのワールドカップ優勝国が、直前の年代別世界大会を制しているわけではありません。
しかし、育成年代で継続的に世界上位へ進めない国が、A代表だけで突然世界一になる可能性も低いはずです。
日本が本気でワールドカップ優勝を目指すなら、4年後のA代表だけでなく、10年、15年、20年という単位で育成の流れを見る必要があります。
「歴史が足りなかった」の意味は変わった
1993年10月、日本代表はアメリカワールドカップ出場を目前にしながら、イラク戦の終了間際に同点ゴールを許しました。
「ドーハの悲劇」です。
敗退後、三浦知良選手が「何が足りなかったのでしょうか」と問われ、
「歴史が足りなかったと思います」
と答えたことが、強く印象に残っています。
当時の日本に足りなかったのは、ワールドカップに出場するための歴史でした。
日本は一度も本大会に出場したことがありませんでした。
最終予選を勝ち切る方法も、残り数分を耐え抜く経験も、ワールドカップ出場を当然の目標として国全体で共有する文化も、まだ十分にはありませんでした。
しかし、日本はその歴史を積み上げました。
1998年のフランス大会で初出場を果たし、それ以降は連続して本大会に出場しています。
2002年の日韓大会では初めて決勝トーナメントへ進みました。
その後も何度もグループステージを突破し、世界的な強豪国を倒せるところまで来ました。
つまり、1993年当時に足りなかった「ワールドカップに出るための歴史」は、すでに日本の中にあります。
現在、足りないとすれば、それは、
ワールドカップで優勝するための歴史
です。
準々決勝を勝つ歴史。
準決勝を戦う歴史。
決勝の重圧を経験する歴史。
大会を通して勝ち抜く歴史。
世界一を現実的な目標として、次の世代へ引き継ぐ歴史です。
「歴史が足りない」という言葉だけを見れば、悲観的に聞こえるかもしれません。
しかし、日本が進歩していないわけではありません。
日本が成長したからこそ、足りない歴史の意味が変わったのです。
1993年には、ワールドカップ出場が夢でした。
今では、どうすればワールドカップで優勝できるかを議論しています。
目標が一段、二段と高くなったこと自体が、日本サッカーの進歩を示しています。
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