バイ!おつ!番外編 その2:叙々苑焼肉弁当に感動する!
お腹がさみしい、パンチのない病院食
病院に長期滞在。
内臓の病気ならば栄養補給は点滴ということになるかもしれないけれど、乳癌の場合、ちょっと内臓の病気とは違っている。特に私のように初期段階で病巣が見つかって、他の臓器やリンパ、骨などへの転移もないという状況であれば、外科的手術はするけれども、内臓は元気だから病院食もほぼ普通食だ。もちろん、カロリー、糖質、脂質などはしっかり計算された病院食なので、食っちゃ寝食っちゃ寝の日々でも太ることはない。
さらにいえば、差額ベッド代を結構支払っているから(ここ強調したいところ)、食事だってきっと美味しいはず?なんて淡い期待すら抱いていた私。もっと言えば、ベッドの上で過ごす入院生活。楽しみなんて食事くらいじゃないか!とも思う。
そんな楽しみ半分で期待していた病院食。いざいざいざ。
入院初日のランチがいきなり「天ぷらそば」という若干豪華めだったことと、そしてこれがまた、そばの硬さといい、出汁といい、割と美味しかったので期待値がグンと上がった!
と思ったその夜が、なんとも寂しい夕食で・・・。思わず「朝食のような夕食」と題して友人たちにLINEで画像を送ってしまった。そしたら
「可哀想・・・」
なんて返信がきちゃって。あははは。でも、そうですよ。病人なんだから。こうしてスタートした私の病院食ライフ。

日が経つごとに、友人たちからは
「具合はどう?」
「傷は痛い?」
「食事は美味しい?」
というコメントがセットで来るようになった。
この3つ目の「食事は美味しい?」には、不味くはないけれど、美味しい!というほどでもなく、なんでこういう味付けにするのかな?という不思議なメニューもあったり、何より「肉派」の私にとって「魚」が多い病院食は物足りなさ以外の何者でもなく・・・。ついつい「寂しい」とLINEで愚痴ってしまうことに。
体のことを考えれば、もっともなメニューだし、3食自分で作ることなく毎食配膳していただける食事に感謝こそすれ、文句なんて言っちゃだめでしょ!と思うのだけれど、それでもやっぱり肉派としては寂しかったのである。
そしてもう1つ。朝、昼、晩と食事の時間についても若干苦笑いしたくなる場面が。
朝は8時、昼は12時、夜は18時というのが基本の食事時間なのだが、まず朝はだいたい8時前後に主治医たちの回診が予定されている。ともすると8時前と少し早まった食事の配膳でご飯を食べているところへ主治医が回診にやってくる。
「おっと、今、口つけたところですけど〜」と思いつつ、またベッドに寝かされ診察に。なんでこのタイミング〜〜〜みたいな状況になることしばしば。
と思えば、待てどくらせど食事が来ず、気づけば9時くらいになっていて。いつものスピードで食べていると、15分もしないうちに回収に来られたり。しかもそういう日に限って、今度は昼食がやたら早めの11時45分くらいに配膳されたりして、「食間2時間半で食事なんてできないよ〜〜〜」みたいなこともあった。
配膳をしてくれるスタッフたちが悪いわけでもないし、もっと言えば誰が悪いわけでもないのはわかっているけれど、一体どんなことになってんだ?ということが何度もあった。若い頃ならきっと、いや間違いなく文句言ってたな。
でも、私からしたら娘くらいの年齢のスタッフたちが一生懸命働いてるわけで、もはやどんなことも「まいっか」と許せてしまう自分がいた。
そうそう。一度夜中に、怒鳴り散らしながら廊下に出て来て文句を言ってた中国人(中国語でしたから)がいたっけ(この病院は外国人の患者も多い)。どうやらナースコールをしているのにナースが来ないという文句らしいのだが・・・。
「病室から出てくる元気があるなら、ナースコールするなよ〜」
と、夜中の怒鳴り声を聞きながら思わず見えない声の主にツッコミを入れてみた。
飲食禁止の病室で、やばいレベルのニンニク臭
そんな魚メインの病院食生活が1週間続いた頃、さすがにパンチのない食事が切なくて、見舞いに来てくれた友人のK代さんにちょっと愚痴ってみた。
「肉が食べたい〜!」と。
すると彼女、
「わかった!今度来る時に叙々苑の焼肉弁当を買ってくるから!」
えええええええ、それはちょっとニンニクでは!!!!と思ったけれど、胃腸は元気な私、食べたいに決まってる。ということで、そんなうれしい約束に心ウキウキっと楽しみが増える。実は、彼女が次に来るという日は、同時に3人が面会に来てくれると言っている日曜日。じゃあ!ということで4名分の叙々苑焼肉弁当をお土産に持ってきてくれることになった。
この病院、家族であれば面会は何時にきてもOKというなんとも寛大な病院で。まあ、全室個室ってこともあるのだろうけど、ちなみに友人たちはみんな自分の予定で好きな時間に、全員が従姉妹になりすましてやってきた。ランチタイムに叙々苑焼肉弁当が来ることを知らせると、受付で待ち合わせたらしく3人いっしょに病室に入ってきた。
時間はまだ11時。案の定、K代さんが持っている紙袋からは、すでにニンニクの香りが漂っている。K代さん、ソッコーで弁当を出そうとするが、
「いや、ちょっと待って待って!」
せめて私のランチが部屋に運ばれてくるまで待とう。ということ、待つこと45分ほど。やってきました私のランチ。見れば「うどん」がメイン。そういえば、日曜日のランチは「麺類」が出るってナースが言ってたな。しかし、ニンニクの香りとは程遠いメニューでもある。せめてもう少し匂いの強い献立だったらよかったけど。
「じゃあ、いっちゃう?」
そそくさと焼肉弁当を出して4人で食べることに。

入院から1週間ぶりのシャバの食事。蓋を開けるなり、焼肉やら、キムチやら、ナムルやらの強烈な香りが鼻にツ〜ン。も〜、うれしすぎる。
「やっぱり肉はいいね!食べたって気がするもん。味付けもしっかりしてるし・・・」
というか、病院食を食べていると、むしろ普段どれだけ私たちが食べ過ぎているのかを実感させられる。「1回の食事ってこんなもんでいいんだな」と何度も思わせられた。病院食はお腹がいっぱいになっているのか、なってないのかわからないけれど、とにかく通常が食べ過ぎだということだけはよくわかった。そこにお酒やスイーツといった甘いものも入るのだから、そりゃ生活習慣病になってもおかしくない。ダイエットと言いながら痩せないのもよくわかる。
何はともあれ、1週間ぶりの肉の塊に感動した叙々苑の焼肉弁当だった。さぞや病室はニンニク臭かっただろうな〜。さらに、病室では飲食禁止となっているにもかかわらず、4人で食べちゃったのだから・・・。
ランチのトレイを下げに来た配膳のスタッフも、薬を持ってきたナースも何も言わず見逃してくれたけど、バレバレだったでしょう。まあ、元気で何よりということで多めにみてください。
ごめんなさい!
