日本人の私より詳しかった。カリフォルニア女性が泣きそうになった青森の旅
「海外の人は、日本のアニメや寿司が好きなんでしょ?」
そんなイメージを持っている人は多いかもしれません。僕もそうでした。
でも、カリフォルニア出身のオーブリーは、まったく違いました。
彼女が好きなのは、太宰治。
しかも、日本人でも行ったことがない人が多い(であろう)青森の「斜陽館」まで訪れていたんです。
英語を勉強していると、「英語を話せるようになること」がゴールになりがちです。でも、本当に面白いのは、その先にある人との出会いなのかもしれません。
「斜陽は人間くさいから好き」
ある日のオンライン英会話。
オーブリーが突然、
"You should read The Setting Sun. It's so human."
(『斜陽』は読んだほうがいいよ。すごく人間くさいから。)
と言いました。
正直、その瞬間は少し恥ずかしかったです。
日本人の僕がまだ読んでいない作品を、アメリカ人からすすめられたのですから。
「えっ、本当にそんなに好きなの?」
と聞くと、画面の向こうで嬉しそうにうなずいていました。
どうやら日本旅行のとき、青森まで足を運び、斜陽館にも行ったそうです。

写真から伝わる「好き」がすごかった
そのあと、彼女は旅行中の写真を見せてくれました。
そこには太宰治のマントを羽織って、満面の笑みで立っているオーブリー。
「本当に好きなんだなあ。」
その笑顔だけで伝わってきました。

さらに館内では、太宰治が使っていた机や畳の部屋を見て、
"I almost cried."
(泣きそうになった。)
と言っていました。
日本人の僕より、日本文学を大切に感じているように見えて、不思議な気持ちになりました。
さらに面白かったのは、斜陽館へ向かう途中に見たオレンジ色の列車の話。
彼女は写真を見せながら、
"It's still operating."
(まだ走っているよ。)
と教えてくれました。
この still operating は難しい表現ではありません。
「まだ動いている」「今でも現役」という意味なので、僕でも十分わかる英語です。
旅行先でも意外と使えそうですよね。
海外の人だから気づく日本の魅力
日本に住んでいると、「昔からあるもの」は当たり前になります。
古い駅舎。
木造の家。
文豪の生家。
でも海外から来る人には、それが特別な宝物に映ることがあります。
僕は外国人に日本を教えてあげる側だと思っていました。
でも、日本のことを教えてもらう時間のほうが増えている気がします(笑)。
子どもにも、英語だけを勉強してほしいとは思いません。海外の人が日本をどう見ているのか。自分が海外に行ったら、日本がどう見えるか。
そんな視点を知るだけで、日本旅行も何倍も楽しくなるはずです。
そういえば最近、「漫画で読める太宰治」などがAmazonでいくつか気になっています。いきなり『斜陽』は少し難しくても、人物や時代背景をやさしく紹介した漫画なら、小学生の子どもと一緒に楽しめそうです。
英語を覚えるだけなら単語帳でもできます。
でも、人と話すと、その人の人生や好きなものまで知ることができます。
おまけ
僕が感じたことは、「文化は海外へ行くほど輝いて見えることがある」ということです。
日本人の僕が気づかなかった太宰治の魅力を、カリフォルニアのオーブリーが教えてくれました。
次は僕も『斜陽』を読んでから、もう一度彼女と話してみようと思います。今は、途中まで読んだところなので。
今日くらいはスマホで動画を見る時間を少し減らして、本を一冊開いてみようかな。
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これから書く言葉の小さな灯りになります。