うるさくて面倒で愛しい

【なつかぬねこのいる家 #30】

以前通っていた写真の講座でのことだ。参加メンバーの多くが犬と暮らしていたこともあり、よく犬談義に花が咲いた。
私にもミニチュアダックスの愛犬ローラがいたので、写真を見せあったり、同じダックスだがワイヤードを飼っている方との話も弾んだ。
そのなかで私が「犬は好きだけどダックスが好き」とつぶやいたら、そこにいた犬飼いさんたち全員に激しく同意されてしまった。
皆さん、我が犬はもちろん、その犬種が好きでたまらないようだ。犬好きとはそういうものなのかもしれない。

私はとにかくダックスが好きだ。声高に宣言したいくらい。
なぜ、ダックスかと問われても答えようがない。そんな気持ちは自然と伝わるのか、ローラも夫と私にとても懐いてくれた。
以前、獣医さんに「犬は何より飼い主さんの関心を引きたい」と聞いたことがある。ダックスはその傾向が特に強いのではないだろうか。
例えばドッグランに行っても、ローラは元気よく飛び出していくどころか、夫や私の周りをウロウロし続ける。一緒なら駆け回るが、ひとりでは寂しいらしい。
飼い主さんと離れても積極的に遊んでいるチワワやトイプードル、マルチーズなどとは対照的だ。
しかもこの一途な思いは、いつでもどこでも全力で発揮される。
ソファに座れば、横にピタッとくっつく。犬は体温が高いので寒い時期なら大歓迎だが、夏は暑くてたまらない。
お留守番を察すると、私も行きたいと必死に訴えかけてくる。犬と一緒にいけない場所もあるので、振り切ろうとすると泣くように吠える。
ダックスは吠え声も大きく響くので、耳を塞ぎたくなるほど困ることもよくあった。

ローラは虹の橋へ旅立つときまで、ただただ私たちを慕ってくれた。
私がインフルエンザに罹ったときも「お母さんの看病をする」とばかりに絶対に側を離れなかった。リビングへ連れて行こうとした夫に対して、激しく唸り根負けさせる。私に寄り添いたい思いがあまりにも健気で、病気で気持ちが弱るときに本当に心強く感じた。

私の人生の中で、ここまでひたむきに愛を向けてくれたのは多分ローラだけだ。ローラは小柄で生涯を通して3kgほどの体重だったが、彼女の愛情はその100倍ぐらい重い。
重すぎてうんざりしたこともあったが、何よりも純粋で、真っ直ぐだった。ダックスのローラとの17年の日々を思い出すたび、私は彼女を心から愛しいと思う。

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