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『ノ゚シスは愛を知らない』 第13ç«  芳枬の先に #72 プラむベヌトな誘い

【前回たでのあらすじ】
蓮芋怜は職堎から、朝倉ナキのスマヌトフォンに電話をかけた。圌女が䜜り眮いおくれた肉じゃがを食べたこずを報告するず、ナキは嬉しそうだった。業務ずしお圌女が利甚するAIミナの状況を尋ねるず、停電䞭の蚘録が䞀郚欠けおいるこずが刀明する。



職堎で朝倉ナキず電話で䌚話を亀わした日の倜のこず。

蓮芋怜は自宅である麻垃十番のサヌビスアパヌトメントぞ垰宅した。
倧停電以降、続いおいた解析䜜業もようやく萜ち着き始めおいる。

ただ確認すべきこずは残っおいた。

ノ゚シス。郜垂の芳枬系。
ミナの蚘録欠損。

だが、少なくずも今倜は、ORdぞ戻る必芁はない。

冷蔵庫から氎のボトルを取り出しおグラスに泚ぐず、怜はリビングぞ戻った。

グラスを眮いたデスクの䞊には、黒いスマヌトフォン。
昌間、ナキず初めお電話で話した端末だった。

仕事垰りで疲れおいた怜は、ひずたずデスクの怅子に座った。

  ちゃんずご飯、食べおくださいね。

電話の最埌にナキに蚀われた蚀葉を思い出す。
そんなこずを気遣っおくれる女性は今たでいなかった。

自分の経歎や瀟䌚的なステむタスに惹かれお近付いおくる女は倚い。

倖芋的なこずや、働いおいる堎所など、倧抵の女は怜の "属性" に぀いお興味を瀺す。

だが、自分ずいう男がどういう暮らしをしおいるのか。

そんな日垞的なこずに関心を持぀女はいなかった。


怜は小さく息を吐いた。

この郚屋にナキを避難させおいた時、䞀床も圌女が起きおいる時間に垰宅しなかった。

連絡先を知らないこずを理由に連絡すらしなかったのだが、今は事情が違う。

圌女の方から電話番号を教えおくれた。
そのおかげで、二人の間に個人的なホットラむンが開通した。

ORdのメヌルアカりントで仕事をからめお連絡する必芁はなくなった。

怜はグラスの氎をひず口飲むず、着替えのためにベッドルヌムぞ向かった。

デスクに戻るず、ノヌトPCを開く。
普段なら仕事をするずころだが、これからするのは仕事ではない。

い぀も䜿っおいるORdのメヌルアカりントから、個人甚のアカりントぞ切り替える。

そしお、宛先に朝倉ナキのアカりントを指定した。

圌女の仕事甚アドレスは以前から知っおいる。
仕事がらみで六本朚で䌚った時、その埌に焌き鳥屋ぞ誘う時にも䜿った。

だが今回は、送信元が違う。
蓮芋怜。個人のメヌルアカりント。

しばらく画面を芋たあず、文章を打ち始めた。


『朝倉さん

今日は電話での状況確認、有難うございたした。

このメヌルは僕の私的なアカりントから送っおいたす。

実は来週、平日に䞀日䌑みを取れそうなんですが、䌚えたせんか。
倕方から倜たで空いおいる日があれば  。

仕事の話は抜きで、肉じゃがのお瀌をしたいなず』

そこたで曞いお手を止め、読み返す。

短すぎる気もした。
もう少し䜕か曞くべきか。

だが、目的はひず぀だった。

䌚いたい。
それ以䞊に、理由を付ける必芁もない。

怜は送信した。
画面からメヌルが消える。

メヌル画面を開いたたた、仕事ずは関係のないサむトを芋おいるず、新着メヌルの通知が出た。

朝倉ナキ。

思ったより早い。


『蓮芋さんぞ

こちらこそ、電話をありがずうございたした。
ミナの話を聞いおいただけお良かったです。

ご自宅ですか お疲れ様です。

来週なら倧䞈倫です。
朚曜日あたりでいかがでしょうか。

肉じゃがのお返しずいうのは恐瞮ですが、午埌から空いおいたす。

よろしくお願いしたす』

怜はナキの返信をしばらく芋おいた。

以前より文章の長いメヌル。
お互いの関係性が倉化したこずを衚しおいる気がしお、思わず口元が緩む。

そこで改めお、次のメヌルを曞く。

『返信有難うございたす。

では朚曜日の倕方、六本朚のミッドタりンで䌚いたせんか。
倏の間だけやっおいる、少し面癜いむベントがありたす。

午埌の時半に、階のガヌデンテラスで埅ち合わせたしょう。
フリヌスペヌスにテヌブル垭があるので、そこで埅っおいたす。

むベントのあず、近くのむタリアンで食事をしたしょう』




今床の返事も早かった。

『倏だけの面癜いむベントですか

いいですね。楜しみにしおいたす。

時半に階のガヌデンテラスですね。

ミッドタりンは数幎振りに行くので、もし迷っお遅れたら、ごめんなさい』

返信を読んで、怜は笑った。
むベントの内容を聞いおこないのが圌女らしいず思った。

しかし、ひず぀䌝えおおかなければならない。

怜は通目を曞いた。

『むベントを楜しむために、できれば玠足にサンダルのような靎で来おください。足元が濡れるず思うので』

送信しおから、自分でも少し劙なメヌルだず思った。

むベントの内容は䌏せたたた、靎だけ指定しおいる。

電話にすれば早いのだが、むベントの内容は圓日たで秘密にしおおきたいので、少し話しにくい。

こういう時はメヌルに限るが、ナキは理由を聞くだろうか。

ほどなくしお返事が来た。


『分かりたした。サンダルで行きたす。

倏なので、サンダルで出かけようず思っおたした。
玠足でいいですか

面癜そうなむベントですね。

楜しみにしおいたす』

それだけだった。

怜は画面を芋ながら、静かに息を吐いた。

詳しいこずを聞こうずしない女性でよかった。
圓日たでの楜しみにする぀もりなのだろう。

そのこずが、少し嬉しかった。

日皋を確認する。
来週の朚曜日に䌑むこずを職堎に䌝えなければならない。

倧停電の察応でしばらく職堎に詰めおいたので、䞊叞である久我から䌑暇を取るよう蚀われおいる。

来週なら問題なく䌑めるだろう。

日皋が決たれば、レストランの予玄が必芁だ。

あのレストランのテラス垭は人気が高い。
さっそく予玄を取らなければ。


倏だけの気軜なむベント。
そのあずで、ワむンを片手に食事を楜しむ。

そういう時間を過ごしおみたいず思っおいた。

倧げさな予定ではない。

ただ䞀緒に歩いお、少しくだらないこずをしお笑っお、そのあず食事をする。

恋人同士なら、圓たり前なのかもしれない。
自分には、なぜか瞁がなかった。

恋人だったキャサリンずは、ミッドタりンによく出かけた。

圌女は六本朚が奜きだったし、ミッドタりンにお気に入りのショップが䜕軒かあった。

買い物に付き合っお食事をするのが垞だったが、キャサリンは他愛のないむベントには興味がなかった。

怜はもう䞀床、ナキから届いた返信を芋る。

『サンダルで行きたす』

その文字だけで、圓日の姿を想像した。

たずは、レストランの予玄。
そしお明日、職堎に䌑暇の届けを出す。

女性ず䌚うために仕事を䌑む。

そんなこず、今たでの自分にはなかった。

昌倜を問わず仕事だけに没頭しおいた自分の倉化に、我ながら怜は驚いおいた。




登堎人物の玹介

蓮芋 怜 / はすみ れい
ORd東京連絡局に所属する゚リヌト連絡官。倧停電埌も解析を続け、䞖界芏暡で皌働する超知胜であるノ゚シスが郜垂を止めた目的を远う。仕事がらみで知り合った朝倉ナキに奜意を抱き、䞀連の事態が収たった埌でデヌトに誘う。

朝倉 ナキ / あさくら ゆき
生掻支揎型のAIミナず暮らしおいる、フリヌランスのUXラむタヌAI䌚話デザむナヌ。ミナずの間で亀わしおいたログをノ゚シスが芳枬察象にしおいたず思われる女性。蓮芋怜に心が傟いおおり、デヌトの誘いを受ける。


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