プロと素人を分けるのは、社歴でも件数でもありません
「そつなくこなせる」ようになった頃が、一番危ない
『事を知らないから 知ろうとしないから いつまでたっても 素人なんです』
前回は「知らないことは恥ではない」というお話をしました。今回は、その先です。数年経った方にこそ読んでいただきたい格言です。
一番危ない時期は、三年目あたりに来る
現場に立ち始めて数年。ひと通りの打ち合わせや当日の進行を「そつなくこなせる」ようになると、多くのプランナーは「自分はもう一人前だ」と錯覚し始めます。
段取りは頭に入っている。トラブルもある程度は捌ける。お客様からも「頼りにしています」と言われる。
これは、確かに成長の証です。けれど、同時に最も危険な地点でもあります。
いざイレギュラーな事態が起きたり、知識層の高いお客様から本質的な質問をされたりすると、途端に言葉に詰まってしまう。「なぜこの順番なのですか」「この作法にはどんな意味があるのですか」。答えられないのです。
その根本的な原因は、表面的な「業務の手順」を覚えただけで、その奥にある深い「事(事実・背景)」を知らないからです。
結婚式の歴史。地域の風習。アイテムの素材や、作り手の想い。手順の裏側には、必ず理由があります。けれど、手順だけで仕事が回ってしまうと、その理由を知らないまま何年も過ぎてしまうのです。
「気づかない」ことが、最も致命的
そして最も致命的なのは、そつなくこなせるが故に、自分の無知に気づかないことです。
新人時代は、毎日が「分からない」の連続でした。だから調べました。先輩に聞きました。あの頃は、無知を痛みとして感じていたのです。
けれど、仕事が回るようになると、その痛みが消えます。分からないことに出会う頻度そのものが減るからです。
減ったのではありません。分からないことに近づかなくなっただけです。
こうして、「これ以上、深く知ろうとする努力(インプット)」が静かに放棄されていく。これが、成長が完全に止まってしまうプランナーの典型的な罠です。
本人に自覚がないぶん、周りも指摘しづらい。気づいたときには、五年が経っています。
――ここまでが、多くの方が現場で抱えている実感です。
ここから先は、なぜそうなるのかという原理原則と、明日から具体的に何をすればいいのかをお伝えします。プロと素人を分ける一点と、「なぜ」を五回繰り返すという具体的なやり方。
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