貫けないものは、信念ではなく願望です
「柔軟な対応」という名の妥協を、私は何度もしてきました
『信念は貫いてこそ信念』
これは、私に哲学を教えてくださった方の言葉です。今でも、迷ったときに真っ先に思い出す一文です。
理想は、少しずつ削られていく
ウェディング業界を志す人の多くは、「新郎新婦を世界一幸せにしたい」という素晴らしい理想を持って入ってきます。私もそうでした。
しかし、現場の現実は甘くありません。
予算の壁。ご親族間の意見の食い違い。社内のノルマ。あるいは、複雑な進行スケジュールの調整。たとえば、由緒ある神社での厳かな挙式から、老舗旅館での披露宴、そしてカフェでの心温まる二次会へ。そんなふうに複数の舞台を繋ぐ一日は、手配も調整も困難を極めます。
そんな壁にぶつかったとき、私たちはつい「妥協」という名の「柔軟な対応」に逃げてしまいがちです。
「お客様がこれでいいと言っているから」 「前例がないから」 「これ以上は自分の業務範囲外だから」
そうやって、少しずつ理想を削り落としていく。一つひとつは小さな判断です。誰にも咎められません。むしろ「現実的で仕事ができる」と評価されることさえあります。
けれど私自身、過去に自らの保身や面倒を避けるために、心の中で「本当はこっちの方がお二人のためになるのに」という想いに蓋をしてしまった後悔が、今も胸に突き刺さっています。
不思議なもので、上手くいった仕事はだんだん忘れていくのに、あのとき言わなかった一言だけは、何年経っても消えないのです。
――ここまでが、多くの方が現場で抱えている実感です。
ここから先は、なぜそうなるのかという原理原則と、明日から具体的に何をすればいいのかをお伝えします。妥協の見分け方、信念が本当に試される場所、そして明日ノートに書き出す一行。
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