新・日本の階級社会
1. 現代日本を構成する「5つの階級」
著者は、従来の階級構造が崩壊し、現在は以下のように再編成されていると指摘します。
●資本家階級(約4.1%)
企業の経営者や役員。高収入で資産も多く、格差社会の頂点に位置します。
● 新中間階級(約20.6%)
管理職、専門職、上級事務職(いわゆるホワイトカラーのエリート)。サラリーマンですが、比較的高い収入と安定性を誇ります。
●労働者階級(約35.1%)
正規雇用の現業職、一般事務職、販売職など。収入は平均的ですが、雇用の安定性はあります。
● 旧中間階級(約12.9%)
自営業者や農家。かつては分厚い層でしたが、現在は減少傾向にあります。
●アンダークラス(約14.9%)
本書で最も重視されている新しい階級。 非正規雇用のマニュアル労働者(パート、アルバイト、派遣労働者など。※ただし専業主婦は除く)を指します。
2. 本書の核心:最下層「アンダークラス」の出現
かつては「一時的な状態」と見なされていた非正規雇用ですが、現在は固定化し、抜け出せない巨大な貧困階層(アンダークラス)として定着してしまいました。
平均年収の低さ: 平均年収は約186万円(※発刊当時のデータ)と極めて低く、自力での生活維持が困難。
高い未婚率: 特に男性の未婚率が突出して高く、家族を持つことすら困難な状況。
健康と幸福度の低下: 貧困は心身の健康悪化に直結しており、社会への絶望感や孤立感が蔓延している。
3. 格差の本質と未来への提言
格差は個人の「自己責任」ではなく、社会構造のゆがみ(システムの欠陥)によって生み出されていると著者は強く主張します。親の階級が子に引き継がれる「階級の固定化(マタイ効果)」が進んでおり、これが社会の活力を奪っています。
【解決に向けた提言】
著者は、格差を是正するために「資産税や所得税の累進課税の強化」や「最低賃金の引き上げ」「非正規雇用の処遇改善」といった、国による積極的な再分配政策が必要不可欠であると結論づけています。
